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わたしと未来のつなぎ方

一度使ったらやめられない。「テネリータ」のタオルが心地よい理由

上質なタオルで知られる日本のオーガニックコットンブランド「テネリータ」。素材選びはもちろん、商品の製造工程でも人や環境に負担がかかるものをできるだけ避け、日本ならではの技術を大切にするなど、持続可能なものづくりに取り組んでいます。ブランド独自のこだわりについて、「テネリータ」広報の矢野杏奈さんにうかがいました。

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●わたしと未来のつなぎ方 45

環境にやさしいものづくりの先駆け

2003年に誕生した「テネリータ」は、日本発のオーガニックコットンブランド。1894年に綿布問屋として創業し、現在は医薬品やヘルスケア用品などのメーカー機能と総合商社機能を併せ持つ親会社の興和株式会社が、ファッションと環境保護の両立を目指してオーガニックコットン事業を立ち上げたのがブランドのはじまり。サステナブルという考え方がまだ普及していなかった当時、原料となる糸づくりからこだわり、オーガニックコットンの国際認証を取得。人にも環境にもやさしいものづくりをいち早くスタートさせた。

「やさしい、という言葉はまさにテネリータを象徴する言葉です」と、同ブランド広報の矢野杏奈さんは語る。「テネリータというブランド名は、ラテン語で『やさしさ』を意味する『テネリタス』という言葉が由来。ロゴマークには、ゴシキヒワという鳥がデザインされています。親鳥が巣にとどまって卵やヒナを大切に守りながら育てていくような、ひたむきでやさしいイメージをテネリータの商品やものづくりのあり方と重ね合わせています」

「テネリータ」のタオルの綿に使用されているのは、3年以上農薬を使っていない畑で育つ綿花のみ。機械での収穫をしやすくする枯葉剤を使用せず、手摘みで収穫していく 写真提供=テネリータ

実験を重ねて究極の柔らかさを追求

そんな「テネリータ」を代表するアイテムが、「超甘撚り(ちょうあまより)タオル」。こちらは極上のタオルを目指し、糸の作り方からこだわったものだ。

糸を作るときに綿の繊維をねじり合わせることを「撚糸(ねんし)」と言い、繊維製品は撚糸によって強度が保たれている。撚糸するほど丈夫な糸になるが、その分タオルの風合いは固くなってしまう。そこで目指したのが、繊維を撚る回数を最小限に抑え、できるだけ綿本来の柔らかさに近づけること。何度も実験と検証を重ねた末、糸が切れずに強度が保てるぎりぎりのラインを追求し、理想の柔らかさを実現させた。

「繊維を甘く撚るとどうしても毛羽落ちしやすくなるのですが、その点はコンパクトスピニングという技法で解消しました。毛羽を包み込みながら糸を撚っていく特殊な技術です」(矢野さん)

吸水力が高いのも「超甘撚りタオル」の特徴。甘く撚った糸は繊維と繊維の間にすき間があり、またパイル(=タオルの表面のループ状の糸)の分量が多いことから、そっと触れただけで水をしっかりと吸ってくれる。

「超甘撚りタオル」には季節限定のカラーもある。こちらは1月31日発売の春のカラー、「ミモザ」。同じトーンのギフトボックスも期間限定で登場し、プレゼントに最適

できるだけ水を汚さず、海を守る

「超甘撚りタオル」をはじめとする「テネリータ」のすべてのタオルは、厳選された良質な綿花のみを用い、世界最高クラスのタオルの産地、今治市でつくられている。タオルづくりには水を大量に使用するため、今治では環境省による「瀬戸内海環境保全基本計画」に基づき、環境に配慮した染料を用い、排水管理をしながらタオルを生産し続けている。

カラーは「超甘撚りタオル」が全12色、「超甘撚りタオルハンカチ」にいたっては全15色とバリエーション豊か。環境に配慮した染料で、発色が美しいのもうれしいポイントだ。

「好みやインテリアに合わせて選べるように豊富なカラーを用意しているのは、一人でも多くの方にオーガニックコットンのアイテムを暮らしに取り入れていただきたいという思いから。オーガニックコットンの消費量が増えれば、化学農薬を使わない土壌が増えて、環境を守ることにつながります。毎日使うものだからこそ、地球にやさしいものをぜひ選んでいただきたいと思っています」

タオルのほか、ルームウェアやバスローブ、ベッドリネン、ベビー用品なども人気。こちらは秋冬用のパジャマ

長く使い続けてほしいから、質にこだわる

人にも環境にもやさしいものづくりを続ける「テネリータ」だが、より質の高いアイテムを生み出す努力にも余念がない。「超甘撚りエクストラリッチタオル」は、綿の世界三大生産国インドで、生産量のわずか0.025%に満たない超希少品種の綿「スビンゴールド・オーガニック」を日本で初めてタオルに使用している。通常の綿よりも繊維が長く、細く柔らかい糸が特徴だ。

今年の春には7年ぶりとなる新素材タオルもお目見えする。その名も「ロイヤルエクストラリッチタオル」。こちらは、「超甘撚りエクストラリッチタオル」と同じく、超希少品種の綿「スビンゴールド・オーガニック」を使用。糸を作る際に一度撚ったものをまた元に戻し、無撚糸の状態にすることでボリュームを出すという手の込んだもので、ふわふわの触り心地と美しい光沢がなんとも贅沢。

「『スビンゴールド・オーガニック』は繊維が長く、繊維どうしが自然と絡み合うので、無撚糸でも毛羽落ちが少ないのが特徴です」(矢野さん)

「テネリータ」のニュウマン横浜店。落ち着いたムードの空間に、幅広いアイテムが揃う

「テネリータ」が品質にこだわり続けるのは、良いものを長く使い続けることが、持続可能な未来へとつながるからにほかならない。「何年も日々使っているのに、今もまったくへたらず、ふわふわ。PR担当者としてではなく一人の愛用者として、心からおすすめします」と矢野さん。また、「私は化学繊維を身につけていると蒸れや静電気が気になり、肌がかゆくなってしまうこともあるのですが、『テネリータ』はタオルだけでなくパジャマやルームウェアもコットンで作られているので、心地よく使い続けています」とも。

自分自身や家族のために、あるいは大切な誰かを思って選んだものが、地球のためにもなる。シンプルで飽きが来ず、長く使えば使うほど愛着が湧く、そんなものたちに囲まれながら生きていくのが、これからの私たちの暮らしのスタンダードになりそうだ。まずは「テネリータ」のアイテムを自宅に迎えることから、そんな暮らしへ一歩踏み出してみてはいかが?

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Text: Kaori Shimura, Photograph: Ikuko Hirose, Edit: Sayuri Kobayashi

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