すみれさん、「20代までの承認欲求からは解放」。チェンジメーカーたちに伝えたいこと

モデル、歌手、俳優として活躍するすみれさん。若者による社会貢献活動へのチャレンジを後押しする「チェンジメーカー・フェス2023」で、スペシャルアンバサダーを務めます。石田純一・松原千明夫妻の娘として生まれ、7歳から母とハワイで育ちました。自身が10代、20代に感じていた思いや悩み、結婚や出産を経て30代になってからの心境の変化などについて聞きました。
すみれさん、最愛の母・松原千明さんを亡くし、自身は母に「夫と悲しみを分け合い、半分に」 【画像】すみれさんの撮り下ろし写真

若い力が集まり、大きな「輪」が生まれる

「チェンジメーカー・フェス」は、2007年にカナダ・トロントでスタートしたライブイベント「WE Day(ウィーデイ)」をモデルにしています。「チェンジメーカー」とは、社会課題を自分ゴトとしてとらえ、アクションを通じて変化を起こす人のこと。日本では2021年3月にオンラインで始まり、3回目となる今年は3月28日に初のリアルイベントとして開催されます。

――「チェンジメーカー・フェス2023」のスペシャルアンバサダーに決まりました。

すみれさん(以下、すみれ): 過去2回のオンライン開催の際にはVTRで出演させていただきました。今回はリアルイベントに、スペシャルアンバサダーとして参加します。このようなイベントにまた参加できることを嬉しく思っています。
「チェンジメーカー・フェス」は毎年すごく盛り上がりますし、いろいろな才能にあふれる方たちがパフォーマンスやトークをされるので、私自身もとても勉強になります。

――すみれさん自身が日ごろ気になっている社会課題や、日常生活の中で気を付けていることはありますか?

すみれ: 本当に小さなことですが、買い物のときにエコバックを使う、プラスチックのストローは使わない、といったことは意識しています。私は海外生活が長いので余計に感じるのですが、日本は節電やエコに対する意識がとても高いと思います。特にゴミの分別の細かさはすごいですよね。

――今回のイベントを通して、すみれさんが若い人たちに伝えたいことは?

すみれ: このイベントが、若い人たちがSDGsや地球環境、社会課題について考えるきっかけになればいいな、と思っています。「自分に何ができるかな?」と考えることから始め、いろいろな解決策が生まれたり、行動を起こしたりできる。そうやって一人ひとりがつながって「輪」になれば、世界を変える大きな力になると信じます。

日本人とアメリカ人、どちらでもない自分……

すみれさんは日本で生まれ、7歳でハワイに移住しました。10代の大半を海外で過ごし、大学2年終了時に仕事のため休学。2011年から日本で俳優や歌手として本格的に活動を始めました。

――「チェンジメーカー・フェス2023」では、10代がモヤモヤを感じていることをSNSで集める企画があります。すみれさんが10代、20代のときにモヤモヤしていたことは?

すみれ: 10代、20代は、自分は日本人なのか、アメリカ人なのか、とにかくアイデンティティについて悩みました。特に言語の問題は切実で、日本語も英語も話せるけれど、どちらも微妙に100%ではない。どちらにいても完全に馴染めない自分を感じていました。バイリンガル、バイカルチュアルであることはもちろんメリットもありますが、10代、20代はデメリットのほうを強く感じてモヤモヤしていましたね。

――アメリカは多様な価値観を受け入れてくれる文化が根付いているイメージがありますが。

すみれ: でも、時々ニュアンスの違う英語を話すと、ジョークでバカにされたりしていましたよ。悪気がないのはわかっているけれど、傷つきました。同じように、日本でも演技をしているときに監督から「日本語がおかしい」と言われたりすることも。
いまだにアイデンティティが定まらない感覚はあるものの、年齢や経験を重ねて少しずつモヤモヤは薄れてきました。また、時代も変化して、差別をやめようという世の中の意識が高まっているのも大きいと思います。

1人きりになる時間も「大歓迎」に

――2021年に結婚、翌22年にはママとなり現在は育児に奮闘中です。30代になって心境の変化はありましたか?

すみれ: 周囲から「30代が一番楽しいよ!」と言われていたので、30代になるのは全然怖くなかったですね。実際、いまがすごく楽しい! 「人に認められたい」という承認欲求がなくなりました。20代は周囲に認めてほしいという思いがすごく強かったし、いつも誰かと一緒にいないと心細かった。今は周囲の目は気にせず、自分は自分だと思えるようになりました。たぶん、自分に自信がついたのだと思います。1人の時間もウェルカムです。

――20代でやっておいてよかったと思うことは?

すみれ: 海外にはたくさん行っておいてよかったと思います。仕事の場合が多かったものの、ヨーロッパ、アジア、ブータン、モナコ……様々なところに行きました。
子どもが産まれたら外国には行きづらくなるので、身軽なうちにたくさん行っておいたほうがいいと思います。国によって人も景色も違う。そこで刺激を得られ、リフレッシュもできました。

いろんな国に行ったからこそ、日本の良さを感じることもできました。今自分がいるべき場所はここだと思えるんです。発展途上の貧しい国にも行き、自分がいかに恵まれた環境にいるかも実感し、日々の生活に対する感謝の気持ちも強くなりました。

――やりたいことがあってもなかなか一歩を踏み出せない人もいます。そんな読者にメッセージをお願いします。

すみれ: 人生は1回だけなので、やりたいことは絶対チャレンジするべきだと思うし、トライしてみてください。私も妊娠前はゴルフや空手など、いろいろなスポーツにもトライしました。新しいチャレンジをすると、新しい自分を発見でき、達成感を味わうこともできます。

すみれさん、最愛の母・松原千明さんを亡くし、自身は母に「夫と悲しみを分け合い、半分に」 【画像】すみれさんの撮り下ろし写真

●すみれさんのプロフィール

1990年、東京生まれ。7歳でハワイに移住。ハイスクール在学中の高校1年の16歳でモデルデビュー。米国・カーネギーメロン大学演劇学科に進学し、大学2年終了時に休学して2011年、日本で女優・歌手として本格的に活動を始める。15年にはオーディションを勝ち抜いて、映画『アメイジング・ジャーニー 神の小屋より』の聖霊サラユー役に抜擢され、17年に全米公開の同作でハリウッド進出を果たす。21年に結婚、翌22年に長男を出産。「チェンジメーカー・フェス2023」でスペシャルアンバサダーを務める。

Change Makers Fes2023(チェンジメーカー・フェス2023)~世界を変えるキミに、この日を。~

■内容:総勢30組のエンターティナーや著名人たちが織りなす音楽、お笑い、ダンス、イリュージョン、DJ、そして活動家によるスピーチなど。さまざまなライブステージを通じて、ソーシャルアクションを起こした子ども・若者の活動を祝い、次の発展につなげていく。
■対象:SDGsの目標として掲げられている国内外の社会課題に対し、何らかのアクションを起こし、今後も引き続き活動する予定の25歳(2023年4月1日時点)以下の若者や子ども
■参加者数:1000名+オンライン参加者
■開催日時:2023年3月28日(火) 15:00-19:00予定(※オンライン配信あり)
■ 主催:特定非営利活動法人 フリー・ザ・チルドレン・ジャパン

ライター/株式会社ライフメディア代表。福岡県北九州市生まれ。雑誌、WEB、書籍でインタビュー記事を中心に取材・執筆。女性のハッピーを模索し、30代はライフワークとしてひたすらシングルマザーに密着していました。人生の決断を応援するメディア「わたしの決断物語」を運営中。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。