元乃木坂46 桜井玲香さん ミュージカルの舞台は「魔法の空間」

ミュージカル『DOROTHY~オズの魔法使い~』が、8月20日(土)から28日(日)の日本青年館ホール(東京・新宿)を皮切りに全国計10か所で上演されます。主役のドロシーを演じるのは、元乃木坂46のメンバーの桜井玲香さん。1期生で初代キャプテンとしても活躍していた桜井さんに、自身初の単独主演となる今作や演じるドロシーの印象、ミュージカルの魅力などを語っていただきました。
桜井玲香さん いくつになっても“子ども”。これからを楽しむために「知らないことにたくさん触れたい」

今作は気の強いドロシー役

――『DOROTHY~オズの魔法使い~』は童話「オズの魔法使い」をベースに「現代を生きる大人たち」へ向けた設定になっているそうですね。演じる主人公・ドロシーと桜井さんの共通点、相違点を教えてください。

桜井玲香(以下、桜井): まだ台本が手元にないので今は部分的にお話に触れているという状態です。演出家の田尾下哲さんが小説のような形でストーリーを起こしてくださいましたので、そちらは拝読させていただきました。

読んでみると、ドロシーはバイオリンの天才。大学のオーケストラ部でコンサートマスターを務めています。ただ、天才ゆえに、ほかの楽団員たちと協調できない。すごく気が強い女の子という印象でした。とてもおもしろかったです。

元々、乃木坂46というグループで初代キャプテン、という貴重な経験をさせていただき、ドロシーとその部分での共通点はありますが、全く違うリーダーです。似ているところは…今のところは見つけられていません。これから、舞台に向けて自分とドロシーをすり合わせていきたいです。

最初は緊張で押しつぶされそうなときも

――乃木坂46を卒業してまもなく3年、卒業後はミュージカルなどで活躍されてきました。アイドルの活動とミュージカルの違いをどう感じていますか。

桜井: 全く別物です。乃木坂46に在籍中はメンバーが30~40人いたので、見ている人から1人への注目は分散されますが、舞台は1人の役者として出させていただくので視線は自ずと誰か1人に集まることが多いと感じます。

アイドルは見てもらう職業。乃木坂46で活動していたときは「私を見て」という感覚で実際に見られていると思っていましたが、ミュージカルを経験してみると、全く違ったんだなと気づきました。

 ――ミュージカルの舞台で大変なことは?

桜井: 大変なことは多いですが、一番はやはり歌うことかなと思います。緊張するとその分声に出てしまうし、加えて自分に視線が集中している中で、歌うこと自体にプレッシャーを感じます。アイドルのときはみんなで一緒に歌っていましたが、ミュージカルは1人で歌うことも多いので。最初はそれがとても怖くて、緊張で押しつぶされそうでした。

 声の出し方は、練習して身についた部分もありますが、大事なのは“気持ち”だと思います。「高い音出るかな?」と身構えるのではなく、出す! そして「出る、出る!」と感じることで、実際に大丈夫になる(笑)。
「出ないかも」と思ったら本当に出ない。気持ちをコントロールすることが大切です。

また、ミュージカルで会場が広く後方席まで遠い場合に、感情やしぐさをうまく伝えるには一つ一つの動作も重要だと教えていただきました。慣れるまで時間はかかりましたし、今もまだ習得中です。

 ――“元乃木坂46の初代キャプテン”というのは、プレッシャーですか。

桜井: それはあまり感じないです。卒業後はアイドル時代と切り離して、独り立ちしていくことが大事だと思っています。

 舞台は魔法がかかる場所!

――桜井さんが感じる、ミュージカルの面白さや魅力を教えてください。

桜井: ミュージカルは恥ずかしながら、自分が関わるようになってから積極的に観るようになりました。初めは「ディズニーの世界が本当にある!」と感動して。舞台上では、いくつになっても16歳や外国人の役を違和感なく演じられる。ミュージカルは特別な“魔法の空間”です。

 それに、セリフが音楽に乗った瞬間、何十倍もの魅力をお客さんに伝えられるところもミュージカルの良さだと思います。ストーリーを歌っているときに、ウルッとしてくださっているお客さんの表情が見えることもあります。「届いている!」と思えるのは快感です。くすっと笑い声が聞こえたときも、つられて熱が入ってしまう。よく言いますが、“お客さんと一緒に作っている”と実感します。

 ――主役は作品を引っ張っていく役柄でもあります。

桜井: 大人数でつくるのでチームワークが大切ということはどこにいっても同じだと思っています。稽古場で、気負わず自然体でいられるのは乃木坂46時代のキャプテン経験が役に立っています。

ミュージカルは“座長”の空気感や姿勢で、現場の雰囲気や作品が変わっていきます。他の出演者さんとコミュニケーションも取りつつ、よい舞台になるよう一生懸命、誠実に頑張りたいです。

桜井玲香さん いくつになっても“子ども”。これからを楽しむために「知らないことにたくさん触れたい」

●桜井玲香(さくらい・れいか)さんのプロフィール

1994年、神奈川県生まれ。2012年にアイドルグループ・乃木坂46の1期生としてデビューし、初代キャプテンに就任。19年9月にグループ卒業。現在はファッション誌「CLASSY.」でモデルを務める他、主な出演は、舞台では『フラッシュダンス』、『NO STAGE NO LIFE! ミュージカルを止めるな!』、『ゴースト』、恋を読む inクリエ『逃げるは恥だが役に立つ』、『ザ・パンデモニアム・ロック・ショー』。ドラマは『お耳に合いましたら。』、『東京放置食堂』(ともにテレ東系)、映画では『あさひなぐ』。に『シノノメ色の週末』(21年)では主演を務めた。

提供

ミュージカル『DOROTHY ~オズの魔法使い~』

2022820日(土)から28日(日)まで東京公演、916日(金)から19(月・祝)まで兵庫公演。1012日(水)までは静岡・愛知・広島・福井・富山・鹿児島・福岡・群馬へ全国ツアーの予定。詳細は公式サイトから。
■作・演出:田尾下哲
■作曲・音楽監督:宮川彬良
■出演:桜井玲香、蒼井翔太・鈴木勝吾(Wキャスト)、渡辺大輔、小野塚勇人・栗山航(Wキャスト)、伊波杏樹、横溝菜帆/凰稀かなめ/鈴木壮麻
■企画・製作 関西テレビ放送

2014年朝日新聞社入社、22年春からtelling,編集部員。 野菜、果物の曲線や色みに関心があります。憧れは桑田佳祐・原由子さん夫妻。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。