FP fumicoの“Live colorfully”#9 意外と知らない「資産運用」の“入口”
流動性・安全性・収益性のバランスを全体で!
資産運用では使い道や時期によって優先する特徴が異なります。
たとえばマイカーを数年後に購入するために資産運用するといった場合は安全性を重視した方がいい。減るリスクを避ける必要がありますから。
一方、長期にわたる資産運用は、収益性を優先させても構いません。リタイア後のために資産運用するなどのケースでは、一時的に○○ショックなどでマイナスになったとしても、長期で見ればプラスになる可能性が高いです。
つまり、近い将来・用途が固まっている場合と、そうでない場合で優先する特徴は異なるということ。目的に合わせて様々な特徴の金融商品を組み合わせ、全体で流動性・安全性・収益性のバランスを取ることをオススメします。
流動性が×にはいい面も。現金に交換しにくいことは、裏を返せば貯めやすい。自然に貯めるのが難しい方は、流動性が×を利用するのも「手」ですね。
預金も資産運用の一つ、それでも…
あまりに当たり前にしているので、預金は資産運用にあたらない、と考えている方もおられるかと思います。しかし、一定程度はプラスになるので、預金はれっきとした資産運用。この点がタンス預金とは明確に違います。しかも、新興国のように銀行が潰れたり、預金が引き出せなくなったりは日本では起こりにくいので、安全性・流動性の面でも優れています。
それでも、バブル期と違って低金利の今の日本。預金だけで資産運用をすることは難しい現状があることは強調しておきます。
浪費しがちな人には別の“選択肢”も
資産運用のための商品はノートにある以外にも財形貯蓄などがあります。財形貯蓄は全体では流動性が×、安全性が○、収益性は×か△です。
種類は3つあり、一般財形の収益性は、ほぼ×、財形住宅と財形年金は非課税のメリットがあるので、少し収益性が上がります。これら財形貯蓄は毎月の給与から一定額が天引きされるので、貯めやすい代表格。
解約に手続きが必要なので前述したように、ついつい浪費してしまう人には十分に選択肢になり得ます。
「果報は寝て待て」が有効な資産運用とは?
個別株や投資信託を購入するにあたり、損をしたくない場合に大事なのは、“マイルール”を設定すること。「許容できる損失額」「納得できる勉強代」の範囲でトライしてみるのです。個人的には“夜、寝られなくなったらやめる”ことをオススメします。「これ以上減ったらどうしよう」とドキドキして寝られない場合は、許容できるリスク範囲を超えているということですから。
資産運用初心者の方は、「とにかく損をしたくない」という方もいらっしゃると思います。そんな方は特徴が「安全性が○」のモノか、積み立て投資から始めてください。投資が短期間なら「○○ショック」などの影響を受ける可能性がありますが、その際に「損をした!」とやめるとマイナスが大きいと言われています。長く行えば平準化され、プラスになる可能性が高い。だから、いったんスタートしたら後は何もしない「果報は寝て待て」がいいですね。
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FP fumicoの“Live colorfully”は、第2・第4金曜に公開の予定です。