皆川玲奈の人生S字クランク

【皆川玲奈の人生S字クランク#05】アナウンサーに必要なものとは?

TBSアナウンサーの皆川玲奈さんの好評連載「皆川玲奈の人生S字クランク」。ミレニアル世代のリアルな思いを読者のみなさんに向けて語ります。今回は、子どもの頃を振り返りつつ、アナウンサーに必要な意外なものについて教えてもらいました。

●皆川玲奈の人生S字クランク #05

アナウンサーになって思う、大事なこと

アナウンサーを目指している方から「アナウンサーは入社前から滑舌がいいんですか?」「アナウンサーになるためにどんなことをすればいいですか?」とよく聞かれます。

たしかに滑舌の練習は必要ですし、ほかにもいろいろな知識や経験も自分の引き出しに入れて持っておいた方がいいと思います。私は何もしないまま就活時期に入ってしまったので、大学時代にやってきたことのエピソードを話すことしか自分の武器になるものがありませんでした。アナウンサー試験での原稿読みの時も、どんな風に読んだらいいのかわからなかったですし、読み間違いをしたことも帰宅してから気が付くという、今思うとよくそんな身ひとつで戦ったなと恐ろしくなります。

でも実際はそれだけではなく、アナウンサーになって思うのは「体力」が大事ということです。

朝型の日、夜型の日……環境の変化に適応するために

私たちは毎日同じ時間に起きて生活をすることがありません。入社してからは、夕方の番組、夜の番組、早朝の番組と担当番組が2、3年で変わり、それにより生活時間ががらっと変わってきました。

ほかにも取材やラジオなどの仕事が入ると、朝型の日もあれば夜型の日も出てきます。最近のスケジュールで言うと、夜11時に起きる日もあれば、朝5時に起きて取材に行く日もあります。何時に寝るという考え方よりも、起床時間から逆算して睡眠が4時間とれるのか、7時間もあるのか決めていきます。

そんな環境の変化に適応するためには、「体力」がないと続けられないのかなと思っています。

小さい頃はすぐに疲れてしまい、体を動かすのが苦手な子どもでした。休み時間に校庭で走り回るのも好きではなく、うさぎ小屋や図書室にずっといるような過ごし方をしていました。

子どもの頃の経験から得たもの

そんな私でも唯一、得意と言えるものが「縄跳びの二重跳び」です。
私が通っていた小学校では、二重跳びにかなり力を入れていたようで、運動会ではひとつの競技になっていました。1学年全員、「せーの」で跳び始め、引っかかってしまったら脱落。一番長く飛び続けた人が表彰されます。

体育の授業でも練習し、運動会前になると開門と同時に登校し、体育館にある縄跳び用のジャンプ台に列ができるほどでした。

最初平地では跳べなかったものの、このジャンプ台で弾みがつくと魔法にかかったように跳べるようになるのです。体を動かすのが苦手な私でも、これはできそうだと思い、毎朝ジャンプ台を独占するほど練習をし、運動会では最後の10人に残ることができました。
大人になった今でも、この時の飛ぶ感覚が残っていて、調子がいいと70回くらい飛べます。

また中学校の臨海学校では、沼津の海3キロを泳ぐ合宿がありました。水泳は好きでしたが、平泳ぎの古式泳法で泳ぐのがすごく大変でした。

波がある中で、顔をあげ上半身を起こしながら、足は平泳ぎのように掻くのですが、泳いでいるのになかなか前に進まず……。隊列で泳ぐので、間隔が詰まると立ち泳ぎで調整したりするのです。

もう本当に泳げない!と思っても海の中で、誰も助けてくれない。何度海水を飲んでも顔を上げ続けなければならず、忍耐力がついたと思う行事です。
心底疲れてクタクタになったのは、人生でこれが初めてかもしれません。

頭の中のブレーキを解放してみたら……

最近はジョギングや筋力トレーニングをして基礎体力をつけています。
昔からマラソンは大の苦手で、50メートル以上は走る気力が湧かないと思っていました。
ですが、小中学校の縄跳びや遠泳の経験から、”できっこない”と最初から思ってしまうのは、私が勝手に頭の中でブレーキをかけているだけだと気がつきました。この経験があったから、挑戦して続ければできるようになるかもしれないと思えたのです。

大切なのは早く走ること、長く走ることではなくて、「なーんだ、今日もやればできた!」と小さなことでも自分一人だけの達成感を噛みしめられたら、苦手意識から解放されました。
ジョギングを続けている今の目標は、自分なりにできるようになること。15分でも外の空気を感じながら走っていると、仕事のアイディアが湧いたりこんがらがった頭の中がすっきり整理されるのでそこも気持ちよくて、続けられるポイントです。

報道特集を担当するようになって取材もハードになり、心身が疲れやすくなっているなと感じているので、すごくいい気分転換になっています。
無理はしないようにして、機動力を高めたいと思っています。

【皆川玲奈の人生S字クランク#04】マニュアル車は手がかかるからこそ、愛おしい
TBSアナウンサー。2014年入社。青山学院大学卒。 大学時代に体育会自動車部に所属。中古車をルール内で改造し、サーキット場でレースに出場。 関東大会1位、全国大会3位という実績があり、国内A級ライセンスも所持している。 趣味は、ゴルフやテニスをして体を動かした後に温泉に入ること、パン屋めぐりなど。 出演は、テレビ「報道特集」「はやドキ!」「東大王」、ラジオ「ドライバーズ・リクエスト」「週刊自動車批評」など。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。
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