「飲まずに酔える」ノンアルバーで、普段は話せないような話をした夜。
「映え」るけど、誰にも教えたくない。秘密のバー
「先輩、話したいことがあるんですけど……、普通の飲み屋さんじゃ話しづらくて」
学生時代の後輩に呼び出され向かったのは六本木にあるノンアルコールバー「0%」。
お酒でも、ソフトドリンクでもない新感覚のノンアルコールドリンクが楽しめるお店だそう。
店内はなんだか宇宙空間のような不思議な感じ。ステンレス調の壁に反射するネオンの光が幻想的で、店内のどこもいちいち「映え」るけど、今夜はスマホで写真を撮る手を止めて、ゆっくりと空間に酔いしれたい……。
さっそく店内オリジナルカクテルを一杯。20種類以上あるドリンクメニューの中で一番人気だという「A Real Pleasure ゼロになる」1,500円(税別)というカクテルを注文した。
「0」を基調としたおしゃれなボトルに入ったカクテル。これが香水瓶のようでもう眺めているだけでかわいい。リンゴ、バジル、べチバーなどが入った複雑な香りと味わい。特にバジルのさわやかさがふわっと口に広がっておいしかったなぁ。
ちなみに素敵なカクテルを片手に、後輩から受けた相談はバリバリの「禁断の恋」の話だった。暗い空間でワイングラス片手に話を聞く……いつもなら説教モードに入りがちになる話題も、ノンアルコールのおかげで頭はクリアに、そして心もリラックスモードで、「うんうん」と切ない恋の話に耳を傾けられたのであった。
つづいて注文したドリンクは「Iceland Bubble アイスランドバブル」1,200円(税別)
カクテルグラスの上にぷるんと乗ったこれ、食用のシャボン玉。
指でプチンと弾くともわもわと煙が出てくる、目にもおいしい仕掛けが。
ジンジャーとジャスミン、店内で絞っているフレッシュパイナップルに、ベルジュというブドウのシロップと、こちらもさまざまな味がブレンドされていて飲むたびに口の中が賑やかに。
上品な味わいなのでソフトドリンクのようにゴクゴクと飲む感じではなく、まさにカクテルのように、一口ひと口、舌になじませながらゆっくりと過ぎる時間と一緒に楽しめるのが気持ち良い。
空間にもさまざまな「酔える」仕掛けが
カウンター席から望める大きな鏡が店外の六本木の街をゆがんで映していて、これがなんだか「深酔い」した時のような気分になって、計算しつくされた空間にもうっとりする。
そして名物であるオールヴィーガンのフードメニューも注文。オススメされた「アボカドフライケサディーヤ」(1,200円/税別)も、目の前のバーテンさんが焼いてくれます。
……んもう、驚きのおいしさ!
「ヴィーガンって、いかにも『動物性の食材は使いませんでした』という味気ないものというイメージがあったけど、まったり感やコクがここまで感じられるのはすごい!」と、後輩。
サクサクのトルティーヤの食感も最高だったし、乳製品不使用のはずがほのかに感じられるチーズのような味わいは、ココナッツオイルや豆乳で再現しているというこだわりよう。
「おいしいフードを楽しめない」というのもバーの課題のひとつだとは思うのだけれど、ノンアルバーでここまでのクオリティーのものをいただけるなんてちょっと感動だった。
トイレにも遊びゴコロ
「0%」のお楽しみポイントはこんなところにも。
トイレに入ると、だんだんと変わっていく照明が酔った時のように頭を混乱させてくれる。
パープルから……
ピンク、そして……
オレンジへ。これも「飲まずに酔える」の遊び心なんだと店員さんからうかがいました。
最後のお酒はASMR(咀嚼音やタッピング音など脳をゾクゾクさせる心地よい音のこと)と一緒に楽しめるということで手渡されたのはスピーカー付きサングラス。
スピーカーからながれる「シャクシャク」とした音に脳をくすぐられながら飲むカクテルは、もうこれ、お酒じゃないのに頭がフワフワして!
ついつい後輩からの相談も上の空に。でもお酒を飲んでないから、お互い次の日には忘れちゃうような適当なアドバイスにはならないよ。
昼間の打ち合わせにも
営業時間は午前10:00から午後10:00まで。現在は新型コロナ対策で少人数の90分完全予約制。お昼の早い時間から打ち合わせで利用したりしてもおもしろいと思う。クリエイティヴな空間の中で新しいアイディアもひらめくかも!
カウンター席にはコンセントも完備されていて、ノマドしながらひとりカクテル片手に作業に集中!なんていうのもいいなぁと。
普段は呑ん兵衛な女子ふたり、「飲まなきゃ本音は話せない」なんてウソねって言いながら、お店を後にしました。
「0% NON-ALCOHOL EXPERIENCE」
住所:東京都港区六本木5-2-4 ANB Tokyo 1F
営業時間:10:00~22:00(90分時間制限/完全予約制)
※現在はランチ営業10:00~14:00(L.O 14:45)、バー営業16:00~22:00(L.O 21:30)
公式サイト:http://0pct.tokyo/
公式インスタグラム:@0pct_tokyo