Ruru Ruriko ピンク 49

年を重ねるってどういうこと? 私の理想の50年後

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は「年を重ねるということ」。最近服装の趣味に変化があったというRurikoさん。あなたにとって理想のおばあちゃんはどんな人ですか?

●Ruru Ruriko ピンク 49

服装は成長過程で変わるもの。

歳を重ねる、歳相応の服装、どんな風に歳を取っていきたいか、そんなことについて最近考えさせられるきっかけが何度かありました。

みなさんは、どんな風に歳を取っていきたいですか?

この質問、私は今まであまり考えたことがなかったですし、これを書いている今もそこまでピンと来ていません。計画性のない性格なので、数カ月や1年後ならともかく、何十年後、どんな人になり、どのように生活していたいか、遠い未来は想像するのが難しいです。

26歳の今でもスッピンでピンクのファーコートを着ているせいか大学生に間違われますが、ここ数年で以前よりいわゆるきれい目な格好が増え、ミニスカートや以前は好きだったレースのついた甘い服はもう似合わないと感じるようになりました。でもこれは、成長過程で今の私にはしっくりこなく、「私らしい」と感じなくなったので着なくなっただけで、もう26歳だから、大人だからミニスカートなんて、と思っているわけではありません。
もしかしたら40歳になった頃には、やっぱり私はミニスカもレースも大好きだし、また着よう!と思うかもしれないです。

Tim Walker が撮る素敵なおばあちゃん

将来どんなおばあちゃんになりたい?

将来どんなおばあちゃんになりたいか、と考えて私が最初に思い出したのは、イギリスの写真家Tim Walker (ティム・ウォーカー)の撮るおばあちゃんたち。パステルカラーのカーディガンに合わせたパンツ、自然がいっぱいのなか、素敵なインテリアに囲まれて、でも気取っていない遊び心があるお茶目なおばあちゃん。
タトゥーをもっと入れて、髪の毛はピンクか紫、かわいいお花柄のワンピースを着て街を歩く、そうなれたら楽しそうだな、と思います。イギリスの女性は歳を重ねても、背中が大きく開いたセクシーなドレスでパーティーに行ったり、夏はカラフルでおしゃれなワンピースをさらりと着ていたり、いつまでもおしゃれを楽しんでいて、素敵だなという印象があります。私もいつまでもピンクや花柄のワンピースを着ていきたいです。

アメリカの園芸家で絵本作家のTasha Tudor(ターシャ・テューダー)も憧れの女性。幼い頃から自然が好きだった彼女は、50代になってから田舎に土地を持ち、そこで美しい庭を作り、絵本作家として活動しました。お花があると部屋が明るくなりますし、朝起きてこんな風景が広がっていたらと考えるだけで幸せな気持ちになります。彼女のドキュメンタリー映画も素敵なので、オススメです。

守られるだけではなく周りも守っていきたい

あと、ここ数年ずっとやりたいと思っているのは、体を鍛えること!
元々体が弱く、運動が好きではない&得意ではないのですが、自分の身を守れないことが不安ですし、実際に日常生活では夜道を歩いたりする時に怖いと感じているので、自分に自信をつけ安心するためにも最近エクササイズを少しずつ始めました。
性差別や人種差別に直面した時、どんなに心の中では怒り狂っていたとしても、結局は言い返すのが怖くてヘラヘラ笑って流してしまったこが何度もあります。
一度言い返して、相手の男性と大げんかになったことがありますが、「お前が男だったら殴り飛ばしてたぞ、女だからって調子乗んなよ!」と罵倒され、その場では我慢し立ち去りましたが、その後は怖くて部屋で泣いたことも。身体的に強くなれば解決するわけではないですし、多くの女性は身体が強くても、怖いと感じることは日々あるでしょう。自分だけでなく友達や大切な人に何かあった時も助けてあげられるような力が欲しいなと思っています。守られるだけじゃなく、自分自身や周りの人を守っていけるような女性になりたいです。

歳を重ねておばあちゃんになった時、今の私だったら花柄のお洋服を着て、田舎に住んでお庭でゆっくり朝食を食べるような人になりたいと思っていますが、実際にその時になってみたら全然変わっているかもしれません。
もしかしたらタバコを吸ってショットを決めてクラブで踊りたいと思っているかもしれないし、いやいやまた大学に行って勉強したいと思っているかもしれません。どんな形でも、その時にしたいことをして、着たい服を着て、楽しんでいけたらいいなと思います。

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。