女子アナの立ち位置。

ラジオで実現したファッショントーク番組。「いまほしい」を詰め込んだお洋服もつくりました【古谷有美】

ミレニアル世代ど真ん中のアナウンサー・TBS古谷有美さんによる、テレビとはひと味違う本音トーク。古谷アナの私服ファンの方、お待たせしました!みんみん画伯が思う存分ファッションについて語る番組が放送されます!

●女子アナの立ち位置。

落ち着かない日々が続きますが、気候はずいぶんよくなってきました。みなさん、春服の準備はもうお済みですか?

先ごろ、TBSラジオでファッションにまつわるトーク番組を制作しました。お相手はわたくし古谷有美と、いつもお世話になっているスタイリストの百々千晴(どどちはる)さん。「女子アナとして、でも個性を活かすスタイリングをするにはどうすればいいのか?」などをお話しています。

そして、その放送を記念して百貨店の伊勢丹とコラボし、オリジナルのお洋服をつくらせていただきました。3月25日より販売を開始します。

そもそものはじまりは、友人に「なにかコラボアイテムをつくるとしたら、どんなことがやりたい?」と尋ねられて、ざっくばらんに「こんなアイテムがあったらいいな」「こんなお洋服をデザインしてみたい」なんてお話をしていたこと。

しばらくして、TBSラジオでファッションにまつわるトーク番組を制作することが決定。その記念に私のオリジナルアイテムをつくらせていただけると聞いたときは、本当に驚きました。

だって、友人と軽い気持ちで話していたことが、まさか伊勢丹さんとのコラボで実現するなんて……そんな機会に恵まれるなんて、全く思ってもいなかったんです。だから「私でいいんでしょうか?」「本当に大丈夫ですか?」と、何度も確認してしまいました。

サンプルのお洋服に、自分なりの工夫をくわえて、カスタマイズする

コラボしたブランドは『ELENDEEK(エレンディーク)』と『N.O.R.C(ノーク)』。
年始から本格的に打ち合わせをはじめて、3月末の発売に間に合わせるのは、とってもタイトなスケジュールです。だけど、さまざまなこだわりを詰め込んで、“みんみん”らしいお洋服が出来上がったと感じています。

ブランドさんが用意してくださったベースのお洋服に、私のエッセンスをくわえていく。それはすごく難しいけれど、同時にとっても楽しい作業でした。

たとえば、シャツ1枚とっても、カスタマイズは無限大です。「もうちょっと身幅を詰めたい」「ポケットの縫い目のカーブ、変えられませんか?」「カフスはもっと長くしたいんです」――そんな細かいことを、大人たちが集まって真剣に話します。かたちや縫い目を調整したい部分には、サンプルの白いシャツに、黒いテープで直接デザインを貼りつけていくんですよ。なんだか工作みたいで、面白かったです。
プロたちの仕事ぶりに、この場で同じ空気を吸えていることだけでもう幸せで、叫び出したいくらいでした!

シャツの前身頃と後身頃をつなぐ裾に、補強するための布がついているのなんて、知ってます? 「ここに布をつけたいんです!」とお願いしたら「はい、ガジェットですね」と、すぐにその部分の名称が出てきます。そんな意味でも、とても勉強になりました。

「自分が着たいお洋服」をつくらなくちゃ意味がない

いちばん苦労したのは、ワンピース。私の定番ワードローブでもあるAラインのワンピースを基本に、細部をアレンジしていきます。

私が好きなのは、首元が詰まっているノースリーブで、丈が長くて、きれいに裾が広がるデザイン。でも、ノースリーブだと、着る人を限定してしまうかもしれない……。

なので、最初は短い袖がついているデザインを考えはじめたのですが、どうにもしっくりこないのです。やっぱり自分が普段から着るかたち、心から愛せるお洋服を追求しないと、いいものがつくれないと感じました。

最終的に仕上がったのは、ノースリーブでボートネックのワンピース。潔いデザインなので、これまで二の腕を出すことに抵抗のあった人にも、ぜひ試してみていただきたいと思っています。

それにしても、お洋服づくりって、本当に「わかる人にしかわからない」こだわりの連続! 毎日そこに向き合っていらっしゃるプロの方々とやりとりするのは、本当にしびれました。いつも自分がお洋服を買うとき気にしているポイントを、すべてつぎこみました。

時間がないからこそ遠慮せず、意見をかわしあう

スケジュールがタイトななかで、納得いくものをつくるために、ひとつだけ心掛けていたことがあります。それは、遠慮をしないこと。

「はじめまして」の打ち合わせでは、デザインよりも先に生地と色を選びました。それからすぐにデザインを話し合い、翌月にはもう最終調整。驚くほどのスピード感で、しっかりものごとを決めていくには、はっきり意見を言わなければならないのですが、実は私の苦手分野。

だから「こういうかたちは好きじゃないんです」「このステッチがあと一歩納得いっていないのですが、いかがでしょうか?」など、気になる部分はすべて率直にお伝えしました。細かいことを言いすぎて面倒くさいかもしれない……とも思ったけれど、変に遠慮をして中途半端なものができてしまったら、それこそすべての方に失礼です。

でも、制作チームの方々は、私のような素人のこだわりを全部受け止めてくださいました。さらに、その上を行く素敵なアドバイスまで! お互いに忌憚のないコミュニケーションのおかげで、自信を持ってご紹介できるアイテムが仕上がりました。

学校帰り、働く母の仕事が終わるのをオフィスの空いている席で待ちながら、デスクでなんとなくデザイン画らしきものを描いて遊んでいた、幼い私に教えてあげたい。大人になったら、本当に自分でお洋服をデザインできるんだよ、って。

大好きなブローチばかり、100点も集めていただきました

今回のポップアップストアには、オリジナルのお洋服以外にも、とても素敵なアイテムが並びます。

たとえば、ネットショップ「CHIROL VINTAGE(チロルヴィンテージ)」は、ヴィンテージのジュエリーを通販しているブランド。もともと大好きで、よくSNSもチェックしていたそのお店に、ブローチのバイイングをお願いしました。私のスタイリングの要ともいえるブローチを、信頼できる方のセンスで、100点近くも集めていただいたわけです。

どのブローチも私があらかじめデザインを拝見して、心から「いい!」と思ったものばかり。自宅でブローチを100点選ぶ作業中は、「これ、私が買いたい……でもお客様に届けたい」この小さな闘いが常に繰り広げられていたほどです。
いままであまり使ったことのない方にも、ぜひマイ・ファースト・ブローチに出会っていただきたいです。

TBSラジオ「古谷有美の新宿三丁目レディオ~服を捨てよ、春を着よう~」の放送は3月29日(日)おひる12時から。おしゃれを楽しむエッセンスも満載に、春らしく明るいファッショントークをお届けします!ぜひお楽しみくださいませ。

1988年3月23日生まれ。北海道出身。上智大学卒業後、2011年にTBSテレビ入社。報道や情報など多岐にわたる番組に出演中。特技は絵を描くことと、子どもと仲良くなること。両親の遺伝子からかビールとファッションをこよなく愛す。みんみん画伯として、イラストレーターとしての活動も行う。
ライター・編集者 1987年の早生まれ。雑誌『走るひと』副編集長など。パーソナルなインタビューが得意。紙やWeb、媒体やクライアントワークを問わず、取材記事やコピーを執筆しています。趣味はバカンス。好きなバンドはBUMP OF CHICKENです。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。