おいしくヘルシーな“コムギ食”で目指そう、健康美人!
健康のためにも身につけたい「糖質選択」という考え方
健康につながる成分が豊富な小麦
イベントの第1部は、名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科の下方浩史教授が「糖質選択でヘルシー・ライフ」というテーマで講演しました。
「『食べたいけれど、太るのはイヤだからパンやパスタは控えなきゃ』と、考える人が最近多いようですが、小麦や米などの穀物から得られるのはカロリーだけではありません。穀物には食物繊維やたんぱく質、筋肉を生成するときに必要なロイシンなど身体にとって大切な役割を果たす成分も多く含まれています」と話す下方教授。
野菜や果物に食物繊維が多いことはよく知られていますが、実は穀物から摂取する食物繊維の方が身体にはいい、という研究もあるそうです。
「特にオリゴ糖や難消化性でんぷんが多く含まれる小麦は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えるのにも役立つ健康食品だと言えるでしょう」
誤解されている「糖質」という言葉
「小麦や米などの穀物に含まれる炭水化物、糖質を摂るのを避ける『糖質制限食』という言葉が定着していますが、糖質=炭水化物、穀物だと誤解している人が多いのでしょう」
糖質を含まない肉や魚、卵、脂だけで必要カロリーを摂取する『糖質制限食』を長期間続けると、便秘になったり、体臭が強くなったり、骨量や筋肉が減ったり、情緒不安定になったりすることもある、と指摘する下方教授。
「そもそも糖質とは炭水化物から食物繊維を除いたものであり、いろいろな種類があります。小麦や米などの穀物に多いでんぷんもその一つです。でんぷんはゆっくり消化されて少しずつ血糖になるため、すぐに吸収されて血糖になるブドウ糖やショ糖(砂糖)などの糖質に比べて身体に負担がかかりにくいことがわかっています。健康を損なわずにキレイになりたいなら、ブドウ糖や砂糖を多く含んだ甘いお菓子やソフトドリンクを控え、糖質だけでなく食物繊維やビタミン、ミネラルなどを含んだ穀物、野菜、果実を適量摂るようにしましょう」
まずは朝昼晩3食きちんと摂る
「食事を摂るタイミングも重要です。まずは、朝昼晩1日3回の食事をきちんと摂ること。1食抜くと栄養バランスが偏ったり、血糖値の変動が急激になったり、食欲抑制ホルモンの働きが鈍くなったり、と身体に良くない影響が出てくるので注意しましょう」
特に、朝はパンやごはんなどの穀類に含まれる糖質を適量摂るようにします。糖質にはエネルギー源として身体を動かし、脳を働かせる役割があるため、朝一定量の炭水化物を摂ることはとても大事だそうです。
「糖質だけでなくたんぱく質と脂質をバランス良く摂ることも健康な食生活のためには大切です。そのためにはどんな食材を一緒に食べるかも考えなければなりません。例えば、パンやパスタは食後の血糖値上昇のスピードを表す指標であるGI値が高いですが、野菜を先に食べ、後でパンを食べるとぐっと低くなる。つまり、食べ合わせによってGI値は変わるということ。炭水化物は決して悪者ではないのです」
選択&適量の糖質でヘルシーに!
下方教授は「小麦は人類の文明とともにあり、人類を支えてきたもの。私たち人間の栄養の根幹です」と語ります。
「健康のためにも糖質を摂るときに大切なのは、選択をすること。そして、1日3食をきちんと食べることです。もちろん食べ過ぎは禁物ですよ。野菜や果物などの食材と組み合わせながら、適量を摂るようにしましょう。『糖質選択』という考え方は新しいかもしれませんが、しっかりと身につけて毎日の食生活に役立ててください」と、締めくくりました。
インスタ映え間違いなし! 3つの「糖質選択」レシピ
人気デリスタグラマー3人と一緒に、Let’s Cook!
第2部では、3人の人気インスタグラマーが「糖質選択」という考え方を踏まえて考案した3つのオリジナル“コムギ食”レシピを紹介しました。(レシピはこちらをご覧ください)
元パティシエでスイーツやカフェ飯が得意なyuka_cm_cafeさん、食パンアートで注目を集め、最近レシピ本も出版されたestyle1010さん、8カ月の息子さんの子育てに奮闘しながらも簡単に作れる家庭料理が人気のponkotsu_0141さんは、いずれもおしゃれな料理写真に定評のあるデリスタグラマーさんです。この日のオリジナルレシピも インスタ映え間違いなしのものばかり。
レシピの監修を務めた同志社女子大学生活科学部の今井具子教授も参加者と一緒に見守る中、3人は順番にそれぞれのレシピをデモンストレーションしました。その後、参加者は3つの班に分かれて調理・実食を楽しみました。
自分が作った料理の写真をスマートフォンで撮影したり、料理に舌つづみを打ちながら「簡単だから真似できそう!」「ヘルシーなのにおいしい!」などと感想を語り合ったり……。“コムギ食”を介しながら楽しい時間を過ごす参加者たち。
最後に今井教授が「食事は糖質を上手に選択することと合わせて、たんぱく質や脂質、炭水化物をバランスよく摂るようにしてください。炭水化物を摂るときは、食物繊維の多い野菜や果物を一緒に摂るなど、食材の選び方や組み合わせを考える習慣をつけましょう」と呼びかけイベントは終了。講演会と“コムギ食”レシピの調理・実食を通して、参加者は「糖質選択」という考え方を楽しく、おいしく学べた様子でした。
見た目も爽やかでヘルシーな「レモンクリームパスタ」
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クリームパスタの生クリームを牛乳、そしてバターと小麦粉に変えてヘルシーに。レモン果汁とパプリカは、香りや色が残るようにパスタをフライパンのソースに加えてから入れるのがコツです。
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たんぱく質、脂質、炭水化物のバランスがとてもいいですね。エネルギーは633kcalと多めですが、具材がたっぷり入っているのでパスタの量を控え目にしても満足感が得られます。
【レモンクリームパスタのレシピはこちら】
「カラフル・フルーツサンド」はカフェ風の盛り付けに
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食パンの全面にまんべんなく塗ったクリームは最後、真ん中に小山を作るように集めるとフルーツがのせやすくなります。“映える”断面になるようにフルーツの置き方を工夫しましょう。
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生クリームの代わりに使ったクリームチーズは、たんぱく質やカルシウムもしっかり摂れるのでおすすめです。今回は栄養バランスを考えてサラダをたっぷり添えてもらっています。
【カラフル・フルーツサンドのレシピはこちら】
パパッと完成!「ほろほろブロッコリーとしらすのオリーブオイルうどん」
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レンジを使った時短メニュー。ブロッコリーは細かく刻むとソースのようになって、うどんとよく馴染みます。味付けのめんつゆは醤油に変えてもOK。しらすは最後にふわっとのせると立体感が出ます。
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ブロッコリー60gを使っているので、これ一品でしっかり野菜が摂れるレシピです。383kalとエネルギーは控え目。塩分が気になる人は、しらすをツナやアサリに変えてもいいでしょう。
【ほろほろブロッコリーとしらすのオリーブオイルうどんのレシピはこちら】
イベントで登場した料理のレシピはこちら
【レシピ】レモンクリームパスタ
(材料:1人分)パスタ75g、牛乳100ml、バター10g、薄力粉3g、パルミジャーノ・レッジャーノすりおろし大2、レモンの皮1/2個分、レモンの果汁1/4個分、鮭1/2切れ(50g)、アスパラ1本(15g)、パプリカ1/8個(25g)、エリンギ小1本(20g)、レモン薄切り5枚ほど、塩適量、黒こしょう適量
①鮭は一口大、アスパラは斜め切り、パプリカは細切り、エリンギはスライス、レモンの皮はすりおろしておく。
②塩を入れたたっぷりのお湯でパスタを茹ではじめる(残り1分でアスパラを投入)。
③フライパンにバターを入れ火をつける。塩コショウした鮭とエリンギを炒め、薄力粉を入れ弱火で優しく粉っぽさがなくなるまで混ぜ、少しづつ牛乳を加えダマにならないように混ぜていき、パルミジャーノを加え沸騰しないように温める。
④パスタとアスパラが茹で上がったらフライパンに加え、パプリカとレモンの皮とレモン果汁も加え、サッと和えて黒こしょうを入れる。
⑤器に盛り、出来るだけ薄くスライスしたレモンを飾る。
〈ポイント〉
・レモン果汁を加えてから火を通しすぎると分離してしまうので、パスタと絡める時に加え手早く仕上げます。
【レシピ】カラフル・フルーツサンド
(材料:1人分)6枚切角食パン2枚、クリームチーズ40g、はちみつ10g、無糖ヨーグルト小さじ1、フルーツ(いちご1個/20g、バナナ3cm/20g、小玉ハウスみかん1個/35g、キウィ1/4個 /25g)、サラダ(フリルレタス3枚、パプリカ30g、パセリ5g、紫キャベツ15g、ノンオイル和風ドレッシング大さじ2/3、生ハム10g)
①ボウルにクリームチーズを入れヘラでやわからくなるまで練る。はちみつ、ヨーグルトを入れその都度よく混ぜて滑らかにする。
②食パン1枚に①のクリームの半量をのせ塗り広げる。真ん中を少し高めにすると良い。もう1枚も同じように塗る。
③片方の食パンの真ん中にフルーツを並べ、もう1枚の食パンを重ねる。
④ラップでぴっちりと包み冷蔵庫で冷やしてから真ん中を包丁でスパッと切る。
⑤フルーツサンドの横にサラダの材料をカットして盛りつけドレッシングを添える。
〈ポイント〉
・映えた断面になるようフルーツの置き方を工夫しましょう。
・サンドが完成したら冷蔵庫でしっかり冷やします。クリームと果物がまとまって切りやすくなります。
・包丁はよく切れるもの、長さのあるものを使って切ると美しい断面に仕上がります。
【レシピ】ほろほろブロッコリーとしらすのオリーブオイルうどん
(材料:1人分)ゆでうどん1玉、ブロッコリー60g、しらす15g、★オリーブオイル小さじ2、★めんつゆ(3倍濃縮)大さじ1、★レモン汁小さじ1、★おろしにんにく少々、トッピング(ブラックペッパー適量)
①ブロッコリーはよく洗って耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをかけてレンジ600Wで1分30秒加熱して粗熱を取ります。
②粗熱が取れたら包丁で細かく刻んでボウルに入れ、★の調味料を全て入れてよく混ぜておきます。
③ゆでうどんは、袋を包丁やハサミで小さく穴を開け、レンジ600Wで2分加熱します。
④③を②のボウルに入れてよく和え、皿に盛り付けます。しらすをふんわりと乗せ、ブラックペッパーをかけて完成です。
<ポイント>
・ブロッコリーは細かく刻むとソースのようになり、麺とよく絡みます。
・めんつゆはお好みでしょうゆに変えてもおいしく作れます。
レシピ開発協力:フーディーテーブル