意識、どんどん下げてこう。by ナリくん

【ナリ心理学ナリくん】不安でたまらない時は、その状態に「名前」をつけてみよう

心理学や哲学について、笑いを交えながら教えてくれる「ナリ心理学」ナリくんのエッセイ&お悩み相談。今回は、学んですぐに役立ちそうな不安解消法です。古来から物事に「名前をつける」習性がある人類は「名前がないもの」に強い恐怖を感じます。ということは、黒雲のようにぼんやりとした不安に無理やりにでも名前をつけてみたら、どんな変化が起きるのでしょうか――。

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謎な「しきたり」の由来は、人類の「不安」

人って「何か分からないもの」「理由の分からないもの」をすごく怖がりますよね。想像力があるからでしょうかね。何か分からないものは怖いものです。老後とか。笑。

老後がなぜ怖いのか、そりゃどうなるかわからんからでしょうなー。あとあれかもしれません。いつ死ぬのかも分からないからってのもあると思うんですよね。

80歳の3日目に寿命迎えます!って決まってたらすんごく不安感って減る気がするんですよね。人生っていつまで続くかわからないから、それに対応しようとして不安が大きくなるのかもしれないですね。

死後の世界も「何かわからないから」怖いのかもしれませんね。だから人類は頑張って天国と地獄っていう、なんとなくこういう感じだよ!みたいなのを作って安心したのかもしれません(地獄は安心にならんか)。

大昔の人が「なんで空から水落ちてきたあとに空がピカって光るんや!光ったあとに山燃えて、木の実取れなくなったぞ!困る!」って現象に出会った時に、なんでそんなことになるんや!怖いぞ!よーし!この現象に解釈をつけよう。空には神様がいて、神様が泣くと水が落ちてきて、神様が怒るとピカッと光る。
ピカッと光ると、山が燃えて木の実や動物がとれなくなるから、神様を怒らせないようにしよう。

神様はきっと成人男性だから(なぜに)、彼を怒らせないようにするために、村の若い娘を捧げればきっと神様は怒らないはずだ。あー、安心。

昔からある謎の行事や、しきたりの始まりってたぶんこんな感じなんだと思う。これのいろんなバリエーションだと思う。

途中から、その行事やしきたりがなぜあるのか忘れ去られて、行事をやること、しきたりをやることそのものに意味が置かれてることはたくさんあるはずだ。葬式だって、今じゃそうなっていることがほとんどだろう。やるものだからやる。以上。みたいな。

名前のない不安より、名前のある不安がいい

「人は何かわからないものに出会うと、それに名前をつけて安心しようとする」という習性がある。名前をつけるのは、分類することで記憶しておきやすいってメリットもあるけれども。

これは僕も何人かに確認してみたんですが、精神的な疾患や障害を持っている人は、その病名をお医者さんに教えてもらった時にすごく「ほっとする」らしい。

例えば風邪ひいてだるいなって、思ってる時に病院に行って「風邪じゃないですよ」と言われたらすごくモヤモヤする。笑。風邪だと言ってほしい。実際、この何かわからないダルさの正体を知りたいのだから、風邪だと言ってほしい!病名をつけてほしい。病名つくと安心するから。

何かわからない苦しい状態より、何かわかる苦しい状態の方が、心が楽になるということだ。それに、何かわかれば今後の対応もしやすくなるしね。

生きてると苦しい時期ってあると思うけど、そういう時にオススメなのが、そういう時期に自分で勝手に名前をつけることだ。例えばナリ心理学には「ショック状態」という時期がある。

この時期は、落ち込むのが当たり前、凹んでるの当たり前、正論は聞かなくていい、アドバイスは聞けない、慰めてもらって落ち着く以外しちゃダメという時期がある。

あ、今私ショック状態だわ。と自覚できたら「今の自分」を無理に責めなくなる。
例えば、やる気が出ないときのことを「充電中」とか名前作ってしまえばいい。眠れないときのことは「スクリーンセイバー」とかね。勝手に名前つける。
そうすると、よくわからないけど辛い状態から、「あーはいはい。またこれね。」と、冷静になれたりする。

おススメである。名前のない不安より、名前のある不安。

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月間400万PVのブログを運営する株式会社ナリ心理学を主宰。Amebaオフィシャルブロガー。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。