仕事200%だった30代「仕事と出産、どちらも全力でやると決めた」【スターバックス コーヒー ジャパンCMO】
● ○歳のわたしへ07
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「仕事も出産も。どちらかを選ばなきゃいけないなんてない」
35歳のわたしへ
35歳は結婚と出産を同時に決断した時。当時は別の外資系企業でマーケティングの仕事をしていました。楽しくてやりがいもあったので、ずっと仕事200%。結婚して母親になる 選択肢は全く考えていませんでした。
ただ 30歳を過ぎた頃、妹が先に結婚・出産をしてから、少しずつ「あれ?どうしよう?」という気持ちを抱えていたのも事実です。そんなモヤモヤを忘れるぐらい仕事が楽しくて、突っ走っていたさなかに妊娠が発覚しました。
当時はマーケティングダイレクターに昇進したばかりで、複数ブランドを任されていました。 仕事と結婚・出産のどちらかを選ばなきゃいけないなんておかしいと思い、ORではなくANDでいこうと決意しました。
どちらも思い切りやるために、産休は3カ月間と決めて、マタニティーエアロビクスに通い体力作り。会社にも「ポジションを開けて待っていてほしい」と伝えました。
私は決めたら絶対に後悔しないタイプ。もちろん失敗したら反省して軌道修正をしますが、落ち込んで悩んでいる時間はあまりとりません。何も生み出せない時間を過ごすよりも、前に進むことが大切。ちょうど35歳頃から外部のビジネスコーチをつけて、仕事、プライベートどちらも相談していました。ビジネスコーチには今でも月1回相談に乗ってもらっています。
「家族全員を連れて海外へ。この決断が今につながっている」
40歳のわたしへ
前職で海外赴任の話をもらったのが40歳の頃。日本のマーケティング部門ではディレクター以上のポジションはないので、これから何年か先を考えてキャリアをどうすべきか悩んでいたところでした。海外赴任の話は光栄で、とにかく行ってみたいという気持ちがありました。
ところが、子どもたちは2歳と5歳。夫はテレビ制作会社で忙しく働いていて、物理的にどうやって赴任できるのか……1、2日すごく悩みました。
そこで、夫に思い切って「何年間かキャリアブレイクを取ってみない?」と提案をしてみたんです。夫もかなり悩んでいましたが、私の提案を受け入れてくれて、中国とタイに3 年間滞在することができました。
運命を切り開くには、自分に対して嘘をつかないことが大切です。仕事が「楽しいか」「やりたいか」ということを私の中で判断基準にしています。だからすごく好きなスターバックスで働けることは運命だったし、やってみたい、働いてみたいと強く思いました。
「キャリアを見直し、地に足をつけて実績を積もうと決めた」
telling,世代のあなたへ
31歳の頃も私のターニングポイントのひとつ。この頃は前職で東アジア諸国のマーケットを担当しているリージョナルチームに所属していました。毎月2、3回は海外を飛び回る毎日。現地に赴いて、マーケティングについて助言する立場で、何となく核心をつかめていない中途半端な感覚を持ちながら、死にものぐるいで働いていました。
このままだと私は使い物にならないし、マーケットの人たちの役に立っているんだろうか、と疑問を覚えて、31歳の頃に日本のマーケット担当に戻りたいと会社に伝えました。その頃は日本がベースだったので、地に足をつけて実績を積みたいと思ったんです。
多忙な毎日で、プライベートが全くなかったので、友だちとも会いたいし、飲み会にも旅行にも行きたいという気持ちが大きくなったのも理由のひとつだったかもしれません。ここでキャリアを転換したことで、心身ともにバランスが取れて、結果的にはいい決断だったと思っています。
とはいえ今でもモヤモヤ、グルグルする悩むことばかり。まだできていないこともたくさんありますし、最近は健康も気にかけないといけないという年齢的な悩みも増えましたね(笑)
●森井久恵さんのプロフィール
国際基督教大学(ICU)卒業。約20年間グローバル企業にてマーケティングに従事し、ユニリーバでは日本・中国・タイ市場のマーケティングヘッドを15年に渡り歴任。お客様に直接笑顔を届ける仕事がしたく、2018年8月より現職。マーケティング・商品・デジタル戦略部門の3本部を統括。年間約12あるプロモーションや、店舗およびデジタルチャネルを通じ、店内外での顧客体験の価値向上をリード。家族は夫と小学生の娘2人がおり、趣味は家族旅行。私生活では子供の教育について関心があり、タイのNPO活動やガールスカウトのイベントに参加していた。
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