【ナリ心理学ナリくん】少しだけ想像してみよう
●意識、どんどん下げてこう。by ナリくん37
人間は想像力がない。
今まさに起きたことなんですが。エルサでもいんのか?ってくらいあまりにもエアコン効きすぎてる7階のカフェから出て、エレベーターに乗って降りようとしてました。僕が乗ったエレベーターの中にはリュックを背負った30代の180センチくらいある大柄の男性と、70代後半くらいのちっちゃいおばあちゃんが乗っていました。
チーン。エレベーターが到着した音。ぼくはイヤホンで、広末涼子のMajiでKoiする5秒前を聴いていたら、エレベーターが到着するなり大柄の男性が急いで降りていった。途中そのおばあちゃんの肩にぶつかって、おばあちゃんがよろけた。
僕は一瞬「なにやってんだ?」と思ってしまった。なんだこいつと思ったのでその男性を目で追いかけていたら、その足早に去っていく男性のリュックの後ろに、赤色で、そこに白い十字のマークが書いてある「ヘルプマーク」がついているのに気づいた。
その人は、何かしらの障害や病気を持っている人だったらしいのです。
それが何なのかはわかりませんでしたが、もしかしたらその障害や病気の関係ですごく急いでいたのかもしれませんし、周りが見えていなかったのかもしれない。想像でしかないが。
そして「なんだこいつ」と思ってしまった自分を反省しました。僕は何も知らずただただその状況だけを見て決めつけたのです。何も知らないのに決めつけたのです。反省しました。
あるのはただの無知だけ
僕が小学生のころから仲よかった友達にMくんがいます。Mくんは吃音症なのですが、当時僕は「吃音」という言葉は聞いたこともありませんでしたから知りませんでした。
Mくんから我が家に遊びの電話がくると、その電話を受け取った父親も「かっかっか、かーずなりくんいますか?ってMくんから電話がきたぞ。笑」とからかうように言ってきてました。(父親がただの無知だということは大人になりわかりました。)大人になり吃音症というものを知るまで、僕はMくんて喋り方おかしいなとずっと思っていました。
僕の地元は長野県の北部にあります。高校時代に友達と電車に乗るとたまに、ずっと「いいいいいいいいいい」と独り言をしゃべっているおばあちゃんに出会います。僕らは元気な高校生でしたから、その人のことを「いいいいいおばあちゃん」と言って笑っていました。
東京に出てきてからも、たまに電車の中で、大きな声で独り言を言っているおじさんやおばさんに出会います。すこし怖かったので、この前ふと、「なんでこの人は独りでしゃべってるんだろう?」と思い、「電車 独り言」で検索してみました。すると、それは「独語」という統合失調症の方などに見られる症状の1つだということがわかりました。それから、電車で独り言を話してる人が気にならなくなりました。
最初の男性がどんな障害や病気だったのはわかりませんが、友達のMくんは吃音症でした。電車で独り言を言う人は、統合失調症かもしれません。
沢山の人から相談を受けていると、障害や病気がある方からの「周りの人に理解されません」という内容の相談が結構あります。近年、鬱病や発達障害に対する社会の理解度は年々増しているように感じますが、まだまだマイナーな障害や病気は沢山あります。
そして、周りの人達は基本的に「びっくり」すると注目してしまいますし、その障害や病気を「知らない」と、何やってるんだろう?と思ってしまうこともあります。ただ、悪気はないのです(擁護するつもりはないですが)。あるのは、ただの無知だと思ってます。うちの親父のように40代になっても吃音症を知らないような人もいます。
最近は、HSPというのもネットやテレビでよく聞くようになってきました。今までだったら「ただ神経質な人」で終わっていたものが、「神経質な理由がある」というところまで理解できるようになっていくことは素晴らしいことだと思います。
僕自身、まだまだ知らないことがたくさんあると思ってますし、これからも知っていきたいなと思っています。そして当事者の方にお願いしたいのは、出来るだけ周りの人に自分のことを説明してほしい、ってことです。
僕も知らないとびっくりしますし、注目してしまうことがまだまだあります。
お互いで理解し合えるように行動できたら素敵だなと思っています。
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