ふかわりょうの連載エッセイ「プリズム」38

【ふかわりょう】週休3日になる前に

人気情報番組「5時に夢中!」(TOKYO MX)のMCや、DJとしても活躍するふかわりょうさん。ふかわさん自身が日々感じたことを、綴ります。光の乱反射のように、読む人ごとに異なる“心のツボ”に刺さるはず。隔週金曜にお届けします。

●ふかわりょうの連載エッセイ「プリズム」38

週休3日になる前に

 私が学生の頃は週休1日。「週休」にまつわる議論すらない時代。日曜日が休みで土曜日は午前授業。週休2日が当たり前の人からしたら魅力を感じないかもしれませんが、これはこれで嬉しいもので、日曜日よりも好きでした。
 なんせ日曜日は、休みだけど翌日は月曜日という憂鬱な気分が拭えず、何もやることがないと子どもにとってはあまりに長く退屈。おまけに父が在宅だとテレビが午後からゴルフ中継になり、いまだにあれを見ると体が拒否反応を起こすほどです。その点、土曜日は学校に行かなくてはならないものの、午前で終わるし、次の日は休みという開放感とともに午後を有意義に過ごせます。そんな高揚感の中で見る「ひょうきん族」は至福のときでした。

 それから「週休2日」というものを耳にしたのは大人になってから。隔週を経て完全週休2日制になり、さらにはハッピーマンデーまで。ここまでしないといけないくらい、日本人は休み方が不器用だと実感した頃。

 そして令和になり、ついに「週休3日制」を謳う声がちらほらと聞こえてきました。ここには様々な要素があるらしいのですが、多く見られるのは、働いたってなんの見返りもないのだから、もう週休3日でいい、というもの。「働く喜び」とか、そんなものは通用しません。その分給料が減るのかわかりませんが、こういった言葉が聞こえてくること自体、昔は考えられませんでした。
 ただ、ちょっと待ってください。週休3日の前に、やってみたいことがあるのです。サマー・タイムのように、私の一言で変えられるなら。「もしもボックス」があるのなら試したいこと。それは、7拍子から5拍子に、です。

 ピンと来た方いるでしょうか。そうです、週7日ではなく、週5日。一週間の定義を変えるのです。つまり、2曜日がリストラされます。私のオススメは、月曜と金曜。結果、「火水木土日」となり、週休2日はキープされます。さぁ、イメージしましょう。5拍子です。3日働いて2日休む。3歩進んで2歩下がるじゃありませんが、これが「リズムとして気持ちいい」のです。
 我々の体に7拍子は無理があったのです。「TAKE 5」という5拍子の曲がありますが、大抵123、12と分割してカウントします。「火水木・土日」のリズム。これによって、同じ時間の流れでも、軽快でアップテンポに感じることができるのです。これはDJ的見解。5拍子の生活になることで、多くのストレスから解放され、それに起因する病気は軽減されると思います。

 ちなみに、一週間に対する労働の割合は、週7日で3日休むと0.57。週5日で2日休むと0.6。現行だと0.71。グローバル社会の今、日本だけが5拍子に変えたら大変なことになりますが、どこかの国で実施されたら是非とも体験したいこと。5拍子の生活。7拍子から5拍子にすることで、人生も社会も軽やかになるのです。

     

タイトル写真:坂脇卓也  

1974年8月19日生まれ、神奈川県出身。テレビ・ラジオのほか、ROCKETMANとしてDJや楽曲制作など、好きなことをやり続けている。
ふかわりょう

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