会社を休む上司へのイライラを掘り下げてみたら見えてきたもの
●telling, Diary ―私たちの心の中。
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「部長なのに9連休ってどうなの?」と思ってしまい……
「私は来週1週間お休みをいただきます」。上司がそう宣言した時、一瞬耳を疑いました。ウチの会社はお盆も通常通り営業していますが、連休前進行のため、前倒された締め切りにみんな忙殺されていた時でした。
今ある仕事をなんとかこなして、世間がお休みしている間に手付かずのアレもコレも進めようと思っていたのに、部長が休みとなるとそうもいきません。会社の決まりで社用メールや社内チャットに外からアクセスすることができないため、お休みの間は連絡手段がありません。あらゆるプロジェクトの最終決定者なのに、9連休!?ちょっと責任感足りないんじゃないのと憤りました。
それと同時に、「他人が休むことを疎ましく思ってはいけない」という気持ちもあり、なんだかモヤモヤしてしまいました。
いつしか「モンスター部下」になっていた
私が新卒時に入った会社では「休みなく働くことは正義」という空気が漂っていたため、たとえ土日であっても連続で休むことに罪悪感がありました。有給をくっつけて3連休なんてしようものなら「お前は休めていいな。俺なんて○連勤なのに……」という上司の小言を聞かされる。その時本当に嫌な気持ちになったので、他人の休みにはとやかく言うまいと思っていたのに……。
いつしか「自分が休まないのだから上司も出てくるべき」というハラスメント思考の部下になっていました。
そんな自分に気づけたのは良いのですが、やはり部長が休んだ期間は業務が滞りまくり、翌週にしわ寄せがやってくるのが確定的になりました。あれもこれも「部長のGOが出たら進めようか〜」で止まるからです。ふと思い立ち、保留になった案件を一つずつ検証してみると、どうにも部長がいなければ手がつけられないものから、「念のため許可をとっておこう」みたいなものまで様々でした。根底にあるのは「問題が起きたら怖いから部長の言質を取っておこう」という発想です。
問題の本質は「部下が育っていない」ということ
基本的に部下である私たちに決裁権はありません。答えが一つしかないような問いにも、上長の許可が必要です。かといって上司への権力集中が部下にとってデメリットだらけかというとそうでもなく、責任を負わされないというメリットもあります。そう、責任感が足りていないのは私たち部下の方でした。
解決策としては「現場にも決裁権を持たせる」けれど「責任は役職者が負う」。この二つがきちんとルール化することだと思います。決裁権をもつことで現場は仕事に重みを感じられるし、上司も部下の決定に責任を持つとなれば指導をきちんと行うでしょう。結局のところ「上司が休むと仕事が滞るからムカつく」の背景には、マネジメント不足からくる組織の機能不全があるのではないかと思います。
休み明け、部長からはあれやこれやとダメ出しの嵐がありました。思いきって「休み前に詳細な指示がいただけないなら、普段から考え方を指導して下さい」と言いました。すると上司は少しハッとして、そうだね、と言ってくれました。そうしないと自分も休めないし、と。自分が休むために、教育をしっかりする。「お盆事件」をきっかけに、我が社のマネジメントが少しだけ強化されたように思います。
次に待ち受ける大型連休までに、権力が分散されたらいいなと思いつつ、いま上司から指導を受けています。
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