ヘナタトゥーアーティスト 30歳

ヘナタトゥーアーティスト「結婚子育て=キャリアや好きな事の停止とは絶対考えたくない」

ヘナタトゥーアーティスト。(30歳) ヘナという植物の染料でペイントすることで短期間だけタトゥーを楽しむことができる「ヘナタトゥー」。休日の代々木公園で行われていたタイフェアの露店の一角でこのヘナタトゥーのお店を構えていた彼女。施術を受けながら、お話を伺いました。

会社を辞めたタイミングで独学ではじめたヘナタトゥー

夏の野外イベント繁忙期に週末だけ、ヘナタトゥーのペインティングのお店をやるようになって8年になります。平日は通信系の企業で会社員をしています。
この時期は平日は会社に行き、土日はフェスでこうして絵を描くという日々で、ゆっくりした休みはあまりありません。多い日は1日4,50人ぐらい施術することもあります。何度もいらしてくれる常連さんもいて、たわいのない会話をするのも楽しいですね。

会社の人にはあんまりこの活動については話していません。会社員の自分とは違う顔なのでちょっと恥ずかしくて。普段は会社では淡々と仕事をしている方だと思います。ONとOFFの切り替えははっきりしていて、割り切っているというか。

ヘナタトゥーの世界に興味を持ったのは、元々はインドが好きだから。インドでは結婚式などのお祝い事のときにヘナタトゥーをする文化があるんです。
8年前、当時勤めていた会社を辞めたタイミングで、インドに関係した何かを新しくはじめてみたいと思って、ヘナタトゥーにチャレンジしました。美大やデザインの学校などは出ていません。完全な独学。絵を描いたりすることは好きだったので、できるんじゃないかって。

インドには「地元の友達」もいる

インドへは学生の頃に行って以来、数えきれないぐらい渡航しています。バックパッカーとして時には2、3ヵ月現地に滞在することもありました。物価が安いので、長期間いられるんですよね。国全体が遺産だらけで、散歩しているだけで日常を忘れられる。なんでも許されているような感覚になれるところが好きです。

長くいるのでレストランなどで顔を覚えられて「まだ日本に帰らないのか」って話しかけられたりなんかして(笑)。今では現地に行く時には必ず会うような”地元の友達”みたいな人たちもできました。そのほとんどが男性です。インドって、女性はシャイなんですよ。それに、女性は昼間働きに出ていて、その間男性はなんとなくぷらぷらとしている、そういう文化がまだあるので。観光客である私みたいな日本人に話しかけてくるのは男性が多いですね。

タトゥーのデザインは見本を用意しているのでそれを見てもらうこともあるし、おまかせでというオーダーも多いです。その方の雰囲気を見て、インスピレーションで描くんです。ふわふわした印象の方なら、可愛らしくまとめてみる、とか。
今描いているこの花のモチーフは「出会い・縁」のメッセージが込められています。結婚式では定番の柄。お花と、あとは富の象徴である孔雀のモチーフは「花嫁が人の縁とお金に困らないように」っていう意味を込めて、結婚式のときによく描かれるんですよ。

結婚や出産は、好きなことへのブレーキにはならない

どこかにお店を構えて、予約のスケジュールで動くよりは、こんな風に夏フェスの日に限定でお店を出して色々な方と触れ合うスタイルをこれからも続けていきたいです。

今は結婚していませんが、この先結婚したり出産したとしても、それがきっかけでこの仕事をやめる、ということはないと思います。同じように夏フェスに出店している方の中には小さなお子さんがいるママもいるけど、そういう方のたくましい背中を見ていても、活動に支障があるようには見えませんし。結婚・子育て=キャリアや好きな事の停止だとは絶対考えたくないんです。

結婚願望については、月並みですが機会があればすぐにでも。ただ、こういうものはタイミングだと思っているので、自分のライフスタイルをガラッと変える必要はないかなと思っています。

代々木公園にて。

大学卒業後、芸能事務所のマネージャーとして俳優・アイドル・漫画家や作家などのマネージメントを行う。その後、未経験からフリーライターの道へ。
フォトグラファー。岡山県出身。東京工芸大学工学部写真工学科卒業後スタジオエビス入社、稲越功一氏に師事。2003年フリーランスに。 ライフワークとして毎日写真を撮り続ける。
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