telling,編集部コラム

「良いお嫁さんになりそう」って久々に聞いたよ

久しぶりに合コンに行ったら、えーバリバリ令和のこの時代に「そ、そんなー?」というフレーズを男性陣から聞いちゃった。

●telling,編集部コラム

合コンで飛び出した時代遅れなほめ言葉

先日、初対面の男女が人数を合わせて食事や酒を囲み出会いを模索する会こと合コンに数年ぶりに行ってきた。

ある女性が「私は家計簿や帳簿ももちろん付けつつ、常に自分がいまどれぐらいお金を使ったかをすぐに見られるメモを持ち歩いている」と言うと、男性陣が「良いお嫁さんになりそう!」と称賛した。

ピピピピー!コチラ女性蔑視警察です!「良いお嫁さん」って、女性蔑視ですよー!!
と、激しく憤る……ことはなかったものの、「はて、この令和の時代に“良いお嫁さん”とな……」と、そこからコースのデザートが出てくるまでの1時間半、上の空で考え込んでしまうほどには引っかかった。

「良いお嫁」って、なに?「お嫁になれそう」なことは良いことなの?

「良いお嫁さんになりそう」には地雷がいっぱいだ。
「良い旦那さん」がいなくてもすでに自立してめちゃめちゃかっこよく生きてるその女性が、それでも「良いお嫁さん」になることでようやく完成形になるようなその言い回し、相手の男性にそのつもりがなくても、気持ちの良いものではないよなぁ。

ほめ言葉にはきっともう、あんまりふさわしくない(言われて嬉しいひとも、いるだろうけど)。

I want を聞かせて

自分の中に生まれた感動や感心を、一般論に落とし込まないでほしいなぁ。
金銭感覚のしっかりしたその女性をステキだと思ったのなら「良いお嫁」なんて世間の物差しを取り出したりしないで「僕はそういう女性をステキだと思う」と言ってくれたら嬉しいね。

さらに魅力を感じたならば「僕はそういう人とパートナーになりたい」という、I wantを語り合いたい(Everyone saysなんてごめんです)。

「毎日美味しいお味噌汁を」「1000万以上稼いでなきゃ」それらの理想は誰でも持ってる。あんまり大きな声じゃ言えない本音もあるかもしれない。でもそれは「良いお嫁さん」とか「出来の悪い旦那」とかじゃなくって、やっぱりその人の心の中にだけある哲学でしょう?

その昔、万能だった「良いお嫁さんになりそうだね」という適当な言葉は捨てて、オリジナルの、包み隠さない、素直なほめ言葉を送り合いたいね。特に、合コンなんていう男女が出会う場なら、なおさらさぁ。

なんてことを思いながら、いやいやそれは私たち女性にも言えることだよね。と、自分のほめ言葉のボキャブラリーの少なさも、顧みる。

次にハッと心惹かれる人が登場した時に、スッと魅力を言葉に出来るように、日々ポジティブな敏感さをもっていたいなと思う。

大学卒業後、芸能事務所のマネージャーとして俳優・アイドル・漫画家や作家などのマネージメントを行う。その後、未経験からフリーライターの道へ。
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