telling,Diary 私たちの心の中。

猫の生き方に学ぶ「今を生きる」マインドフルネス

なまめかしく妖艶な表現力で性別問わず見る者の目を釘づけにするポールダンスのダンサーであり、注目のブロガー、ライターでもある“まなつ”さん。彼女が問いかけるのは、「フツー」って、「アタリマエ」って、なに? ってこと。 telling,世代のライター、クリエイター、アーティストが綴る「telling, Diary」としてお届けします。

●telling, Diary ―私たちの心の中。

猫の盗み食いは生命力?

我が家の猫が、盗み食いを覚えてしまいました……。
愛猫は3匹いるのですが、盗み食いをするのはそのうち1匹のみ。
野良猫だったのを保護したのですが、次にいつご飯が食べられるかわからない野良の習性なのか、いつでもご飯を狙っています。
ごそごそ音がするな~と思ったら、こっそりエサの袋を噛みちぎって夢中で食べていました。

もちろん、エサは十分与えています。
それでも彼女(の本能)としては、今、エサを食べなければいけない。
私と妻にとても懐いていますが、彼女にとって「今後もまたエサをくれる人かどうか」は別物なんでしょうね。

猫がエサくれ~!今くれ~!と甘えて擦り寄ってくるのを見ると、微笑ましい気持ちになります。
猫には過去も未来もなく、今しかありません。
昔のことを気にしすぎたり、先のことを心配に思ったりは多分してないでしょう。
今、エサが食べられるかどうか。今、飼い主に撫でてもらえるか。
眠ければ眠る。撫でられたかったら擦り寄る。嫌だったらカーテンの裏に隠れる。
猫の生き方はマインドフルネスそのものです。

過去も未来も気にせず、今を生きる

私の大好きな椎名林檎さんの曲「月に負け犬」の歌詞に共感します。
明日は我が身、ポールダンスをしていると、いつ怪我をして踊れなくなるかもわからないなあと常に感じます。お店が突然潰れる可能性も高い。
明日をも知れない身なので、この言葉をいつも胸に、日々を過ごしています。
来るかもわからない未来に思いを馳せ、不安になるよりも、今日を全力で生きる。

とはいえ、わかっていてもやっぱりどうでもいいことでくよくよしたりするものです。
いつまで踊れるのかな。もっと素敵なダンサーもたくさんいるしなあ。
年金もらえるかわかんないし、投資信託でもするか?とか。
そういう時は食い意地の張った猫を撫で、「月に負け犬」を聴きます。
いつか、そのうちと思わずやりたいことは即実行に移す。
猫のように、今やりたいことを常に自分に問いかける。
過去も未来も気にせず生きることは、振り子のように揺れる情緒をできる限り中庸に近づけるライフハックなんだと思います。

明日が本当に来るかもわからないからね。
今日を全力でやりましょう。

『おっぱいが大きかったので会社員を辞めてポールダンサーになった話』

著:まなつ

発行:株式会社ZINE

ポールダンサー・文筆家。水商売をするレズビアンで機能不全家庭に生まれ育つ、 という数え役満みたいな人生を送りながらもどうにか生き延びて毎日飯を食っているアラサー。 この世はノールール・バーリトゥードで他人を気にせず楽しく生きるがモットー。
まなつ