思っていたのと全然違う、素敵じゃない会社創業の日。
●ロマンチックに起業してみた 07
誕生日起業の夢は儚く消えていった...
3月生まれの私、先日29歳の誕生日を迎えました。
起業の準備を始めたちょうど去年の秋頃に、「どうせなら誕生日プレゼントとして自分自身に会社を贈ろう」と決めて、誕生日当日の登記を目指したんです。誕生日に会社を贈るってなんだかとてもロマンチックな気がして。
が、起業直前の2月、ここで一番悲しい出来事が訪れました。
法務局は平日のみの営業で土日の登記が出来ないとのこと。
私の29回目の誕生日。
よりにもよって、がっつり日曜日でした。
以前、起業にもマリッジブルーのように起業ブルーがあるという話をしましたが、このタイミングが正直一番面食らいました。誕生日を目標に頑張ってきたのに、そりゃないよーって。
これからもしも起業しようとしている方がいたら、ぜひ気をつけてください。どれだけ思いを伝えても、土日の法務局は創業を受理してくれません。
落ち込む自分を必死に盛り上げ、2019年2月27日(株)MISSION ROMANTICの登記は無事完了。
なんでもないただの日に起業してしまいました、非ロマンチック。
創業日には納得がいかないままではありますが、こうして、ひとまず、なんとか、おかげさまで、「起業家」になれました。
創業日の帰り道は、無味無臭
通常のスタートアップ企業は、創業期ってあれこれサービスローンチの準備が大変で、税理士さんやその道のプロに起業の手続きをお願いすることが多いそうです。
私の場合は、初めてのことだしきっと一生にそう何度もあることではないしと思い、節約も兼ねた「ライフイベント」のつもりで全部自分でやってみたのですが、創業は想像以上にあっけないものでした。
感想は、無。
苦手なドキュメントワークを繰り返し、大好きな会社名を世の中に生み出す瞬間が、あまりにも無でした。
法務局の方も淡々としていて、
「これで特別連絡なければ登記は完了です。はい、ありがとうございました」
ものの3分!
ほんの一ミリだけ期待していた、婚姻届を出す時のような祝福や記念撮影のご提案も、当然ながらありませんでした、笑。
それこそ「ロマンチックに起業してみた」なんて連載書き始めちゃったし、起業のプロセスでは書きたい気持ちがどんどん出てきていたので、この創業日のあっけなさにはだいぶ肩透かしを食いました。
何者かになりたい、それは何者?
起業家、CEO、アントレプレナー。
白状します。今流行りのかっこいい肩書きをもらったら自分をもっと好きになれるものだと、ほんの少しだけ思っていました。いつか何者かになりたくて、その得体の知れない欲望は、肩書きが解決してくれると思っていたんです。
でも今、起業したって結局何者にもなれていない。
人生は進むし、私は私で、日常は何も変わらない。
何者かになることは、結果私の人生においてはそこまで重要ではないようです。プロセスを楽しんでいる私の方が、私自身を好きでいてあげられる大切な秘訣であることを知りました。
やばい、私すごい女っぽいかもしれない
男性は結論を急ぎ、女性はプロセスに価値を見出すという一般論があります。
プロセスなんてすっ飛ばして、ハンサムにさらりと駆け抜ける女性の方が今っぽいし、自分もそうなりたいと願っていたのですが、最短1カ月もあれば誰でもできちゃう起業に半年かけたり、起業と結婚と重ね合わせてうっとりしたり……。
プロセス重視、結果めちゃくちゃ女でした私(笑)。
ストーリーとロマンチックはいつも隣り合わせ
自分のやりたいことがぐちゃぐちゃしたので、まずは一番難しそうなものから始めよう。
そう思い立って、まずは起業を「ゴール」に定めた、私にとっての起業。
登記が完了して「無」を感じた今、やっぱり一番心に残っているのは起業の「プロセス」がとても愛おしかったということです。プロセスとは、ストーリー。そして私にとってのロマンチックは、いつもストーリーと隣り合わせの関係です。
事務手続きが続く「起業」にもストーリーを見出せた私は、あまりに女っぽすぎて笑っちゃう反面、(株)MISSION ROMANTICの代表的にはまずまずな気がします。