ダンサー・仲宗根梨乃「前に進む秘訣は行動がすべて」
私はマイケルになる!と決めた
――ダンスを始めたきっかけは?また、ずばり、どうしてジャネット・ジャクソンやブリトニー・スピアーズなど、超一流の方々と一緒にダンサーとして活躍できたのでしょうか。
仲宗根さん: はじめからそこを狙っていたわけではなく、好きなことを毎日続けていたら繋がった感じです。
小学5年生のときに、マイケル・ジャクソンを知ってファンになり、私もエンターテイナーになる!マイケルになる!って決めたんです。それからビデオテープが擦り切れるまで練習しました。
――その後、19歳で渡米。不安や迷いはありませんでしたか?マイケル・ジャクソンという存在が大きすぎて、架空の人物にすら感じてしまいそうです……。
仲宗根さん: ゼロ!不安なんてゼロですよ!私の中ではマイケルは架空ではなく目標だし、マイケルになることしか考えていなかった。なりたいんじゃなくて「なる!」と決めていたから、ダメだったらどうしようなんて一切考えない。もうワクワクしかなかったです。初めて飛行機の上からロサンゼルスが見えた瞬間は嬉し泣きでした。
実際アメリカではマイケルのバックダンサーから直接指導してもらえたり、ディテールの違いを発見したりと刺激の連続でした。本場のエネルギーって全然違うんですよね。
英語も学びたかったし、自分が行きたかった国でやりたいことができている。もう何をしても楽しくて、毎日がディズニーランドみたいでしたよ。
本当にやりたかったらやってます!
――素晴らしい。そうやって仲宗根さんみたいに前向きに進みたいと思いつつ、勇気がなくて足踏みしてしまう人もいそうです。前に進む秘訣やモチベーションはありますか?
仲宗根さん: もう行動するのみ!です。行動がすべて。怖くても、やりたくなくても、行動したら結果はついてきます。
私思うんです。本当にやりたかったら、やっています。だから、「やっていない」ということは、そこまでなんですよ。恋愛もそうじゃないですか、友だちがこの人とは付き合うなと言ったって、好きだったら付き合うでしょう?親に止められようが反対されようが、突き進みますよね。好きなことは誰にも止められないんです。だからこそ、本気かどうか試されるのだと思います。
――まわりのダンサーも相当なハイレベル集団だと思います。焦ったり不安になることは無かったですか?
仲宗根さん: もちろん、プロになるには並大抵のことではないし、努力あるのみだと言う人もいます。
でも、私は何より好きだからやっていた。何回もオーディションを受けたし、ジャネット・ジャクソンのオーディションも初回はすぐに落ちました。それでも悲しくなかったし、諦めない。落ちても経験の一つと思えば落ちていないし、その積み重ねです。落ちても次がありますから。
そもそもオーディションはタダですし(笑)、トップの振付師の方が直々に教えてくれるなんて、そんな機会があるだけでもありがたい!と。
トップダンサーの世界に足を踏み入れると、自分も上がるしかないんです。ハイレベルな環境にいれば、そこから下がることはない。私は影響を受けやすいし、今関わっているアートも影響を受けて自分なりに演出しています。
ポジティブな人を友だちに持つことも大切ですね。どの環境に自分が身を置くか、「スキルはベストから学ぶ」、そうマイケルも言っていました。
仕事も自分に合ったタイミングで縁があると思っています。人と比べることより、自分がどうなのか。私は負けず嫌いなので、「絶対勝つ!」と思ってやっていたし、それがモチベーションでもありました。
だからと言って、自分が落ちても受かった人にはおめでとう!って思っていたし、助け合い、支え合い、愛を与えるというメンタルで臨んでいましたね。
自分自身を退屈させない
――なるほど。自分だけではなく、まわりと共に上がっていく感じですね。日々心がけていることはありますか?
仲宗根さん: 自分の感覚を大切にすることです。プロジェクトにもよりますが、アーティストさんを演出するのだったら、そのアーティストがベストに見えることは何だろうと考えるし、関わるみんなの意見も聞く。そこはオープンマインドでいきたいですね。でも自分の感覚には常に真っ直ぐでありたいと思っています。
ずっと同じことはしたくない。新しいことにチャレンジしながら、自分を退屈させないよう、次はどんな面白いことをしようかっていつも考えてます。日々、変化を楽しんでいますよ。
●仲宗根梨乃(なかそね・りの)さん プロフィール
ダンスエンターテイナー。1979年生まれ沖縄県出身。ダンサー・振付師としてブリトニー・スピアーズ、グウェン・ステファニー、ジャネットジャクソンやジャスティン・ビーバーら数々ののライブやミュージックビデオに出演している。K-POPの振り付けや、BoA、少女時代、SHINee2008、NCT127の演出家として、また近年では、映画「ジーマーミ豆腐」「ココロ、オドル」などにも出演し、女優業でも活躍中。
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