編集部コラム

南の島からのあまーいあまい、贈り物

楽しい、うれしい、おいしいプレゼントが南の島から編集部に届きました。なんだと思いますか? 沖縄県・宮古島のメロンです。

●編集部コラム

宮古島は近年観光客が激増しています。2015年度は約52万人だった観光客は、今年度は100万人を軽く突破したそうです。都会からの移住者も増えており、島はいま移住ラッシュでも沸いています。

絵具を溶いたようなオーシャンブルーの海で知られる宮古島ですが、島はおいしいものの宝庫です。宮古牛もあるし、マンゴーもある。サンゴ礁が隆起してできた島の土はミネラル分がたっぷり。その土で栽培される島の野菜はすべて「ジャパニーズ・ハーブ」。味も香りも濃くて驚きます。

その宮古島が新たなブランド品として売り出そうとしているのが、「島メロン」。お正月でも蚊に刺されることがあるという、温かい南の島の立地を生かし、冬から春に向けて出荷されています。

日本最南端のメロン産地、宮古島

「島メロン」を栽培する農家は約20戸。品質管理が徹底されていて、農家の方は毎日、ビニールハウスを回って、ちょっとでも葉っぱにゴミがついていれば取り除く。1つの苗から収穫するメロンは1個だけ。それはもう、わが子を愛おしむように、丁寧に、丁寧に、育てているそうです。

その「箱入り娘」ならぬ「箱入りメロン」を贈ってくださったのは塩の専門店「塩屋(まーすやー)」を展開、宮古島の海水から作る塩「雪塩」の販売で知られる株式会社パラダイスプランの社長、西里長治さん。宮古島出身で誰よりも島を愛する西里さんは、熱心に地域おこしに取り組んでいる社長さんです。
若いとき事業に失敗。負債を抱え失意の中、海を眺めていた西里さんは「なんにもないけど海があるじゃないか!」と気づいて、海水から塩を作り始めたそうです。ブランディングに成功した「雪塩」はいま、海外でも人気です。その西里さんが、応援しているのが日本最南端のメロン産地、宮古島のメロンなのです。

……と、語ればつきない社長の話はここらへんで。さっそく、宮古島メロン、いただきましょう。

いざ、実食!

まず、包丁をタテから入れて、メロンを真っ二つに割ってみると……。わぁ!鮮やかなオレンジ色の果肉から、地下水のように果汁がじわじわ、染み出てきました。

そして、八等分に……。おっとー!みずみずしい果肉がプルプルふるえています。ふ、ふ、フルーチェみたい?それにしても香りがいい。「ぷうん」と文字に書いたように匂います。メロンってこんなに甘く香るものでしたっけ?

さらに、みんなで食べられるように一口大に切りましょう……といっても、もったいなくて、小さく小さく切っている自分がいました。ニンゲン、ちいせぇなー、私。くぅ……(と泣く)

で、食べてみます……。えっ! ええっ! 果肉をお肉にたとえるのはヘンですが、極上の霜降り牛の、霜降り部分のような果肉のやわらかさ。甘味が「わっ!」と広がり、すっと消えていきます。これぞ「口福」。桃源郷と化した口の中で、舌が童(わらべ)となって喜びはねております。

「島メロン」にメロンメロン

こ、これはマジでおいしい。ガマンできません。言っていいですか? もう「島メロン」にメロンメロン(メロメロ、の意)でーす!ゴージャス好きの部員には「生ハムと一緒に食べたい」という者もおりました。
この「島メロン」、食通の間でも「美味」として知られつつあるそうですが、出荷量も限られており、島外の人が入手するのはなかなか難しい。西里社長経営の島の食材店「島の駅みやこ」の通販で買えますが、高級品です。でも食べてみる価値はあるかも……。

宮古島はこの春、第2空港がオープンする予定で、島内は観光客を見込んで建設ラッシュが続いています。でも、と西里社長が島の将来をこう語っていたのを思い出しました。「大勢の方に来てもらえるのはうれしいけど、島の環境を壊さないように開発しないと、失うものもあるんじゃないかと心配しています……」。

西里社長、たんでぃがたんでぃ~!(宮古島の方言で「ありがとう!」)                       

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