編集部コラム

たった2時間で数千万円の物件オーナーに。不動産投資に潜む甘い罠

「不動産投資なんて関係ない」「まったく興味がない」と思っていても、油断は禁物。上記のように婚活パーティーや異業種交流会、マネーセミナーなどで、出会った彼が「騙しのプロ」ということもあるかもしれません。この話を教えてくれたのは、不動産コンサルタントの前田浩司さん。30年以上不動産業界の第一線で活躍し続けてきた方で、『元営業部長だから知っている 不動産投資 騙しの手口』(秀和システム)の著者でもあります。

●編集部コラム

婚活パーティーで出会った彼は“優良物件”?

もしも婚活パーティーで知り合ったステキな男性から、ふとした話の流れで「将来、一緒になったらどんな家に住みたい?」なんて言われたら、一瞬胸がときめいてしまうかも。さらに、
「君はお金に対しての知識もあるし、賢いから不動産投資とかできそうだね」
「もし、僕のマンションに一緒に住むことになったら、君の物件は人に貸せば収入も増えるよね」なんて言われたら……。

「彼氏ができるだけじゃなく、不動産での収入も手に入る。今の仕事は体力的にきついからいつまで続けられるかわからない。マンション販売に詳しい専門家の彼の知識を使えば、収入が増えて将来は不動産収入だけで生活できるかも」なんて、これから歩むであろう“現実”を夢見てしまうのです。
とくに、上場企業に勤めている、看護師をしているなど、安定した一定額の収入を得られる女性には、1軒目の購入から1カ月もしないうちに2軒目の物件、下手したら3軒目の物件も勧めてくるかもしれません。

彼との悠々自適な生活を夢見て次々と物件を購入、そして「もうこれ以上は不動産投資ローンの融資が下りないだろう」というところまで彼経由で物件を買ったら最後。
「君みたいなステキな人を僕は幸せにする自信がない」などといい、フェイドアウトしていくのです。

騙されたことに気づいて不動産会社を訴えたところで、後の祭り。そのような不動産会社は、早々に倒産するかもしれません。その不動産会社が倒産したとしても、会社名を変えてまた別のところで同じ手口を繰り返す人は存在するのです。

不動産投資を独身・既婚女性が行うメリットは?

「不動産投資、こわっ!」と思う人もいるかも?

不動産投資コンサルタントの前田さんによると
「連日、ニュースでレオパレス21の違法建築が騒がれていたり、2018年には女性用シェアハウス「かぼちゃの馬車」問題で、自己破産する人もいました。不動産投資に対してマイナスのニュースを耳にした人も多いと思います。しかし、不動産投資は、正しく行えば安心・安全な人生を手に入れられる素晴らしいものです。また、いざというときに自分や家族の生活を守ることにもつながります」とのこと。

たしかに、不動産投資をすることで、給料以外の収入が得られるのは魅力的。とくに働く女性の場合、これから先病気になったり、親の介護で離職することになる可能性だってある。
そのときに不動産投資をしていたら、毎月家賃収入が得られるわけです。

ついでにいうと、結婚した場合、妊娠、出産などで仕事をやめてしまうと、収入が途絶えてしまうことに。毎月安定した収入があったら、子どもを育てるために無理して働きにいかなくてもいいし。万が一、離婚となった場合、専業主婦だったら決断するのをためらうかもしれないけど、収入があれば別れる選択肢もあり。これはちょっと極端な例ですが、なきにしもあらず、です。

プラスの面を見ればメリットいっぱい。ただし、騙しの手口は要注意

とはいえ、上記のように騙す営業マンがいるのも事実。
スゴ腕営業マンになると、わずか2時間たらずで、まったく買う気がない人に「数千万円の契約書にサインをさせることもできる」といいます。

「ハンコもその場で用意され、貯金もないのに、気づいたら契約書に判を押していた――」。そんなことにならないように、『元営業部長だから知っている 不動産投資 騙しの手口』を読んで、不動産投資に対する基礎知識をつけておくことをおすすめします。それだけでこれから起こるかもしれない被害を防ぐことにつながるのです。

『元営業部長だから知っている 不動産投資 騙しの手口』

『元営業部長だから知っている 不動産投資 騙しの手口』
著者/前田浩司
出版社/秀和システム

明治大学サービス創新研究所客員研究員。ミリオネアとの偶然の出会いをキッカケに、お金と時間、行動について真剣に考え直すことに。オンライン学習講座Schooにて『文章アレルギーのあなたに贈るライティングテクニック』講座を開講中。
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