自分の「楽しい」が誰かの「欲しい」につながるものづくり。―今日のminne―
tsumuguyaさん
minne(ミンネ)で活躍するハンドメイド作家さんへのインタビュー企画「今日のminne」。今回は、ふんわりとした独特の世界観をもつtsumuguyaさんにインタビューします。
――tsumuguyaさんが制作されている作品について教えてください。
手刺繍のアクセサリーやブローチ、ポーチやブックカバーなどの雑貨を制作販売しています。また、絵本の1ページのようなストーリー性のあるオリジナルイラストを、ポストカードにして販売もしています。
ご依頼があればウェディングのリングピローやハンカチの刺繍、ウェルカムボードなどオリジナルのイラストも承っています。
―ーminneはどういったきっかけで始められたのですか。
もともと美容師をしていたのですが、子育て中に独学で刺繍を学び、インスタに作品をアップしていました。それが人の目に止まり、tsumuguyaとして販売を始めることになりました。
当初は刺繍の作品だけを販売していたのですが、作品の発送用の封筒やお手紙にイラストを添えていたところ「ポストカードが欲しい」とのお声をいただき、イラスト作品の販売も開始しました。
――お客様の声が新しい領域を開いてくれたんですね。
はい、minneのハンドメイド大賞に応募した作品「ブタにコットンパール刺繍ブローチ」もそういった作品です。販売を始めて、どうしても“売れるものを”と考えてしまって自分の作りたいものじゃない作品になりそうになることがあって。だから、ハンドメイド大賞では“自分が作りたい物にしよう”と決めて作りました。
残念ながら入賞はできませんでしたが、その後イベントに出展したときにネットのブース紹介に載せたら、すごく反響をいただいて。「ブタさん買いに来ました」とおっしゃって下さった方が何人かいらっしゃいました。その後、人気作品になりました。
“売れるものを”と考えることも大切かもしれませんが、“作っていて楽しい”と作り手が自由に感じて作った作品は、見る方にも伝わるのではないかな…と教えてもらった作品です。
――ほかにお客様とのエピソードで印象に残っているものはありますか。
昨年のminneのイベント、ハンドメイドマーケットでお客様が花柄クジラさん刺繍ブローチをとても気に入ってくれたのですが、所持金が足りずに泣く泣くあきらめて帰ってしまいました。しばらくしたら戻ってきて、「帰りの電車賃削ります!」と購入してくださって。「そのまま付けて帰りますー!」と、とても喜んで帰っていかれました。
電車賃を削ってまで欲しいと思って下さったことにまず嬉しい気持ちになったのですが、なんだか申し訳ない気持ちにもなりました。お友だちと一緒にいらしていたので、お金を借りて帰れていたらといいなと思います。
――もともと美容師だったとのことですが、今も続けていらっしゃるんですか。
現在は週に2日程度美容師の仕事をしていて、その他の日は主人の会社の事務の手伝いをしています。美容師以外では自宅で仕事をしているので、比較的、時間は自由に割けていると思います。
作品については、空いた時間や夜に制作をすることが多いです。息子が小さいので、休みの日はなるべく息子との時間を優先するようにしています。イベント前は睡眠時間を削って制作することもあります。
――最後にメッセージをお願いいたします。
刺繍は息子の洋服にオリジナリティーが欲しくて始めました。完全に私の趣味全開のワッペンに「かわいい!そんなの欲しい!」と言ってくれる人が、たくさんいてくれたことがtsumuguyaのすべての原点です。人間関係で悩んでいたときに救ってくれたのも刺繍でした。夢中でハンドメイドに没頭できる時間が、当時あの時にはかけがえのないものだったと思います。
minneを通して、新しい出会いや経験をたくさんもらいました。大人になってもこんなにドキドキワクワクする経験をもらえるなんて思ってもみませんでした。tsumuguyaはまだまだ伸びしろがあると考えているので、柔軟な発想を持って努力していきたいと思っています。
――ありがとうございました!
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