佐野勇斗

佐野勇斗さん「挑戦を続けた人にしか見えない景色がある」 劇場版『トリリオンゲーム』で“ハルガク”のバディ再び

俳優の佐野勇斗さんが出演する劇場版『トリリオンゲーム』が、2月14日から公開されます。稲垣理一郎原作、池上遼一作画の人気漫画をもとに、TBSでドラマ化された作品が、映画としてスケールアップ。佐野さんが演じる“凄腕エンジニア”のガク(平学)が、主演・目黒蓮さん扮する “世界一のワガママ男”ハル(天王寺陽)とともに描く、新たなロードマップとは? 佐野さんに作品への思いや、夢を叶えるために大切なことを聞きました。
佐野勇斗さん「自分の幸せのために“わがまま”になってもいい」 【画像】佐野勇斗さんの撮り下ろし写真

ガクの眼鏡に注目!

――ハルとガクは、1兆ドルを稼いでこの世のすべてを手に入れようと、ドラマ版ではトリリオンゲーム社を立ち上げ、巨大企業「ドラゴンバンク」と覇権を争いながら、さまざまな事業で成功を収めました。劇場版では、“世界一のカジノ王”を相手に、日本初のカジノリゾート開発に乗り出します。今回、オファーを受けた時の思いはいかがでしたか?

佐野勇斗さん(以下、佐野): ドラマの撮影時から、目黒くんをはじめ、キャストの方々と仲良くさせていただき、スタッフも含めてとてもいいチーム感でした。映画としてあらためて作品を作ることが出来て本当にうれしかったです。

劇場版の脚本は、原作にはないストーリー。ボロボロのアパートの一室で起業し、成り上がっていった“ハルガク”が、今度は世界に挑むので、「二人でここまでたどり着いたんだ」と、感慨深かったです。

佐野勇斗

――ガクは、卓越したIT技術と優しい心を持つ青年です。再び役を演じるにあたって、意識したことは?

佐野: 見た目の変化でいえば、眼鏡のフレームです。これまで、ガクが社長を演じる場面では、いつもの黒縁から銀縁の眼鏡に変えていましたが、映画では、「やっぱり黒縁の方がガクっぽいよね」と、元に戻しました。

彼の内面を演じる上では、全く変わっていないですね。「社長として威厳を持たせたほうがいいかな」とも思いましたが、ハルたちと再会すると、まるで地元の友達に会った時のように、昔に戻った感覚がありました。

ハルは努力も重ねている

――まさに “バディ”とも言える、ガクとハルの固い友情も印象的です。ハルはコミュニケーション能力にたけていて、ガクと正反対の性格ですが、ガクには圧倒的な信頼を寄せています。

佐野: ハルとガクは、普通に考えたら仲良くならない二人かもしれませんが、ハルはガクにいろいろなパワーを与えてくれます。ガクもそれに応えるようにハルのことを信じていて、とてもいい関係です。

――ガクにとって、ハルの一番の魅力は?

佐野: 挑戦する姿です。ハルは、ドラマでも映画でも、無謀なことを次々成し遂げていきますが、おそらく、とんでもない数のトライをして、たくさん失敗もしているんじゃないかな。彼は、器用だけれど、きっと努力も重ねている。その歩みで培われたことを物語として描いているようにも思います。

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――ハルを演じる目黒さんとは、息もぴったり。どんな芝居をするか、二人で話し合うことはありましたか?

佐野: 今回は、アドリブがすごく多かったんです。あえて打ち合わせをしない方が、リアルさが出るので、事前に細かく決めることはあまりなかったです。僕は、テストと本番で違うアクションをすることがしょっちゅうだったし、どっちがアドリブで笑いを取れるか、二人で勝負したこともありました。

ドラマのワンクール後の映画なので、気持ちの面では、目黒くんも僕も挑む姿勢を持ち続け、撮影中は、「今日も頑張ろうな」と励まし合っていました。地方ロケでは、何度も一緒にご飯を食べに行きました。

目黒くんは“ライバル”

――俳優であり、それぞれのグループでも活躍するお二人です。佐野さんにとって、目黒さんはどんな存在ですか?

佐野: 「尊敬する人」と、一言で片付けたくはないです。目黒くんは、僕のことをライバルと捉えてくれているようで、「音楽番組に出たら、M!LKとSnow Manで共演して、闘おう」って、声をかけてくれます。何を闘うのか、僕はよく分からないんですが(笑)。自分の中では憧れの気持ちも強いけれど、彼がそう言ってくれる以上、「憧れているようでは、ライバルには勝てないな」という気持ちがあります。

いつも僕の気持ちを奮い立たせてくれますし、彼と出会っていなかったら、僕の芸能界での方向性も変わっていたかもしれない。人生を左右したと言ってもいいくらいだし、彼には本当に感謝の言葉しか思いつかないです。そういった関係性があるからこそ、ハルとの出会いが転機になったガクを演じやすかったのかもしれません。

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――ハルとガクは、困難にも果敢にチャレンジし、「ロードマップ」を実現していきます。夢を叶えるためには、どんなことが必要でしょうか。

佐野: 諦めないことが大切。自分の中で「もうやめよう」と思った瞬間に、歩んでいた道が閉ざされてしまうし、最後まで挑戦し続ける人にしか見えない景色があるんじゃないかな。

たとえ、失敗し続けたとしても、自分で扉をこじ開けるまではやめないこと。その扉がいつ開くかは誰にも分からないし、自分自身が行動するしかないと思います。この映画を通じて、若い人たちにも夢へのチャレンジを届けたいです。

佐野勇斗さん「自分の幸せのために“わがまま”になってもいい」 【画像】佐野勇斗さんの撮り下ろし写真

●佐野勇斗(さの・はやと)さんのプロフィール

1998年生まれ、愛知県出身。2015年に映画『くちびるに歌を』で俳優デビュー。近年の出演作は、劇場版 『TOKYO MER~走る緊急救命室~』、『六人の嘘つきな大学生』、NHK連続テレビ小説『おむすび』、ドラマ『マイダイアリー』など。ダンスボーカルグループ「M!LK」のメンバーとしても活動中。

■劇場版『トリリオンゲーム』

出演:目黒蓮、佐野勇斗、今田美桜、福本莉子、鈴木浩介、竹財輝之助、あかせあかり、原嘉孝、津田健次郎、シシド・カフカ、田辺誠一、石橋凌、吉川晃司、國村隼ほか
原作:稲垣理一郎/作画:池上遼 『トリリオンゲーム』(小学館 ビッグコミックスペリオール 連載)
監督:村尾嘉昭
脚本:羽原大介
音楽:木村秀彬
主題歌:Snow Man「SBY」(MENT RECORDING)
2月14日(金)公開
製作幹事:TBSテレビ
制作プロダクション:TBSスパークル
配給:東宝
©2025 劇場版『トリリオンゲーム』製作委員会 ©稲垣理一郎・池上遼一/小学館

神奈川県出身。早稲田大学商学部卒業。新聞社のウェブを中心に編集、ライター、デザイン、ディレクションを経験。学生時代にマーケティングを学び、小学校の教員免許と保育士の資格を持つ。音楽ライブ、銭湯、サードプレイスに興味がある、悩み多き行動派。
2007年来日。芸術学部写真学科卒業後、出版社カメラマンとして勤務。2014年からフリーランス。