新木優子

新木優子さん「頼れる人がいるから強くなれる」 映画『キングダム 大将軍の帰還』に出演

俳優の新木優子さん(30)が出演する映画『キングダム 大将軍の帰還』が7月12日から公開されます。原泰久さんの人気漫画「キングダム」を山﨑賢人さん主演で映画化したシリーズの第4弾。新木さんが演じたのは、原作ファンからも「誰が演じるの?」と注目されていた秦の六大将軍の1人・摎(きょう)。天下にその名を響かせながらも、素性が知られることはない女将軍を演じた新木さんに、演じた役を通して感じたことや、摎にとって大きな存在であった王騎への思いについてお聞きしました。
新木優子さん「歳を重ねるごとにレベルアップしたと思えたら」 【画像】新木優子さんの撮り下ろし写真

緊張やプレッシャーも武器に変えて

――原作ファンから「誰が摎を演じるのか」と注目されていましたが、プレッシャーはありませんでしたか?

新木優子さん(以下、新木): 「キングダム」は原作ファンの方が多いのはもちろん、映像のファンの方、どちらも大好きな方もたくさんいて、様々な角度から愛されている作品ということは知っていました。それだけ多くの皆さんに愛されている作品の中で、キーとなる存在の摎という役のオファーをいただいたことには、もちろん緊張やプレッシャーはありました。

でも、お話をうかがって、佐藤(信介)監督やプロデューサーさんが私を信頼してくださっていることがすごく伝わってきたので、「しっかり役を全うしたい」という気持ちの方が勝ったんです。緊張も武器に変えて「やるぞ!」という気持ちになりました。

新木優子

――新木さんが摎に共感したところはどんなところでしょう。

新木: 気持ちのまっすぐさや、愛の強さはとても共感できるところでした。王騎に対しての一途な思いや、自分を信頼してくれた人たちに返す愛、そして自分の信念がきっと人一倍強かった人なんだろうなと思います。そうでないと、六大将軍の中でも1番といわれる王騎と同じ立場に立って人を動かしたり、戦場で先頭に立つことはできなかったと思うんです。

私が摎の本当にすごいなと思うところは、強さと才能ですね。特に「戦う才能」というのは彼女が持って生まれた部分だと思うので、そういう「才能」はとてもマネできないので尊敬しますし、すごいなと思います。

初共演のシーンだから起こせた「化学反応」

――摎が幼い頃にした口約束を王騎が憶えていたシーンは、原作でも印象的でした。映画では、2人が鎧を脱いで「人対人」として話している空気感が素敵でしたが、王騎を演じた大沢たかおさんとはどのようにしてあの雰囲気を作られたのでしょうか?

新木: 大沢さんと「こうしよう」と相談したり話し合ったりしたことは実はありません。確か、そのシーンが大沢さんと初めて共演したシーンだったと思うのですが、お会いした瞬間に「王騎がここに存在している」という感動と、純粋に「王騎に会えて嬉しい」という気持ちが溢れました。

薬を塗る手順などは多少相談しましたが、その場で感じたことを感じたままに動いてみたら、それがすごくしっくりきたんです。王騎に薬を塗ってもらって、ちょっと恥ずかしがる表情や仕草はきっとあの空気感だから出てきたものだし、自然とああいう表情が出てきたのは、大沢さんがずっと「王騎」として存在して、体現してくださったおかげだなと思います。

新木優子

――初共演のシーンで、あの雰囲気を自然と出せたのはすごいですね。

新木: あのシーンが最初だったことが、すごくいい化学反応になったんだろうなと思います。私が感じたファーストインスピレーションをそのまま役に活かせたし、大沢さんも「いつこのシーンを撮影するんだろう」と、王騎を演じられると決まった時から摎とのシーンを意識されていて、ずっと気にかけてくださっていたようで、撮影の前日も「ドキドキしていた」と仰っていました。私にとっても思い出深いシーンになりましたね。

自分を「守ってほしい」と思う唯一の人

――改めて、摎にとって王騎はどんな存在だと思いますか?

新木: 摎の人生において大切な存在であることはもちろんですが、自分のことを「守ってほしい」と思う唯一の人だったのかなと思います。六大将軍という立場上、常に戦いの腕や自分の強さがどれほどのものなのかを試される日々だったと思うけど、摎は少しずつ強くなって、自分の実績を積んできました。そんな強い女性でも、甘えたい部分を出せる存在が王騎だったんじゃないかな。

昌文君(しょうぶんくん/演:髙嶋政宏さん)にもちょっと生意気なことを言っていますが、それってすごく心を許しているからなんですよね。原作や脚本を読んでいて、摎は頼れる人をすごく大切にしているなという印象があったんです。少し甘えたところを見せるのはちょっと恥ずかしいけど、それを見せることができる存在がいるというのは、摎にとって大きな心の支えだったと思います。

新木優子

――支えてくれる、甘えさせてくれる人が1人でもいると、それが自分にとっての励みであり、頑張れる力になりますよね。

新木: 本当にそうですよね。頼れる人がいることで、強くいられることは私もよく分かるので、きっと摎もそうだったんじゃないかなと感じています。

チュールトップス/MARGE(mail: info@marge-tokyo.jp)、中に着たトップス/Ameri VINTAGE(TEL:03-6712-7965) 、スカート/NOUNLESS(IMNK株式会社 TEL:03-6277-0378)、 その他スタイリスト私物

新木優子さん「歳を重ねるごとにレベルアップしたと思えたら」 【画像】新木優子さんの撮り下ろし写真

●新木優子(あらき・ゆうこ)さんのプロフィール

1993年生まれ。東京都出身。俳優・モデル。ドラマや映画など多くの話題作に出演。最近の出演作に『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS系)、『SEE HEAR LOVE見えなくても聞こえなくても愛してる』(Prime Video)、『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う』(Netflix)などがある。

■映画「キングダム 大将軍の帰還」

監督:佐藤信介
原作:原泰久「キングダム」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
出演:山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、山田裕貴、岡山天音、三浦貴大、新木優子、吉川晃司、髙嶋政宏、要潤、加藤雅也、高橋光臣、平山祐介、山本耕史、草刈正雄、長澤まさみ、玉木宏、佐藤浩市、小栗旬、大沢たかお
7月12日(金) より公開

ライター。雑誌編集部のアシスタントや新聞記事の編集・執筆を経て、フリーランスに。学生時代、入院中に読んだインタビュー記事に胸が震え、ライターを志す。幼いころから美味しそうな食べものの本を読んでは「これはどんな味がするんだろう?」と想像するのが好き。
1993年生まれ。大学卒業後、出版社写真部に所属した後、フリーランスとして活動中。