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わたしと未来のつなぎ方

ダンスで社会課題に挑戦 「ライフル アルトリズム」の活動とは?

独特の世界観とストーリー性のあるパフォーマンス作品で人気を博しているダンスチーム「LIFULL ALT-RHYTHM(ライフル アルトリズム)」。楽しい、カッコいいだけではなく、環境問題や多様性といった社会課題を想起させる深みのあるダンスがファンの心をつかんでいます。多様なルーツをもつダンサーたちがめざしているものとは? メンバーのSu-yangさん、CHIHIROさんにうかがいました。

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●わたしと未来のつなぎ方 48

多様性を表現する、年齢もルーツもバラバラのダンサー

日本発のプロダンスリーグ「Dリーグ」に参加しているチームのなかで、独特の世界観とストーリー性のある作品で注目を集めている のが、「ライフル アルトリズム」、通称「アルトリ」。2021年7月に結成されたチームで、自らを「多様な個性・表現を通じて、ファンや観客だけでなく、パフォーマンスを支える“あらゆる人”のために活動するプロダンスチーム」と定義づけている。

「アルトリ」のオーナー企業である「ライフル」は、事業を通じて社会課題の解決に取り組んでいる。その姿勢をダンスという形で表現するものとして誕生したのが「アルトリ」だ。メンバーは性別もルーツもバラバラ。年代も20代から50代までと幅広い。作品のテーマもさまざまだが、社会的弱者、LGBTQ、異文化といった多様性を尊重する内容や、環境問題など社会課題を扱ったものが目立つ。

メンバーは現在12人。おおまかな作品の構成は、著名なダンスグループ「無名(ウーミン)」「WORLD ORDER」の元メンバーであり、「アルトリ」でディレクター(監督)を務める振付師・演出家の野口量氏と、コンテンポラリーダンサーとして国内外で活躍する「アルトリ」のアシスタントディレクター森井淳氏が中心となって決めていくが、本格的に作品づくりに入る前には、ダンサー全員が集まるミーティングを開き、作品のテーマについて話し合うようにしている。

「ライフル アルトリズム」のメンバー。後列右はディレクターの野口量さん。左はアシスタントディレクターの森井淳さん。アルトリズムとは「アルトルイズム(利他主義)」と「リズム」から生まれた造語

社会課題に触れ、メンバーの意識にも変化

「メンバーのバックグラウンドはさまざまで、価値観や考え方も違います。作品のテーマについて自分はどう思うのか、社会課題の解決に向けて自分に何ができるのかなど、ミーティングの場で意見を交わしながら、テーマに対する自分の理解を深めていきます」。そう語るのは、ダンサーのSu-yangさん。ヒップホップを主軸に、全身を使って力強く踊るクランプや筋肉を弾くポップを織り交ぜた独自のダンススタイルで人気のメンバーだ。

「僕は正直、『アルトリ』に入るまで、社会課題に対する興味関心が特に強いタイプではありませんでした。ですが、『アルトリ』はダンスを通じて社会課題に向き合うチーム。まずは自分たちが社会課題について学ぶ必要があり、それにはミーティングが欠かせません」(Su-yangさん)

毎回のミーティングが社会課題を知るきっかけになり、その結果、ダンサーとしての厚みが増すだけでなく、日常生活の行動にも変化が表れたそう。

「例えば、ペットボトルの水を買わなくなったこと。以前はリハーサルに行くたびに買っていたのですが、環境問題について学んでからは、水道水を浄化するウオーターサーバーを自宅に購入し、そのサーバーの水を水筒に入れて持ち歩くようになりました」(Su-yangさん)

腕をムチのように振り回す動きが特徴のワックダンスを得意とするチームのムードメーカーCHIHIROさんも、自身の変化を感じているという。

「もともとダンスは、見て楽しむもの、見せて楽しませるもの、というイメージが強かったのですが、『アルトリ』に入ってからは、ダンスのもつ意味を深く考えるようになりました。一つひとつの動きにどういう意味があり、何を伝えたいのか。表現者としての意識と責任感が高まったように思います」(CHIHIROさん)

左から「ライフル アルトリズム」のダンサーのSu-yangさんとCHIHIROさん

作品から影響、自由研究につなげた小学生も

「アルトリ」がダンスを通して観客やファンに伝えたいのは、何かを感じたり、考えたりするための「きっかけづくり」。多様性を大切にするチームだけに、メッセージを押しつけるようなことはせず、受け取り方もさまざまで良いというスタンスを貫いている。そんな彼らの思いは確実に世の中に届いており、ファンが増え続けているのはもちろん、SNSなどには作品から影響を受けたという人の声も寄せられる。なかには、自ら考え、新たな行動を起こした人もいる。

「去年は海洋プラスチック問題を扱った『Daydream』という作品を観てくれた小学生がこの問題に興味をもち、夏休みの自由研究の課題として調べて発表してくれたそうです。こういう声をいただくと、僕たちの存在意義をすごく感じます」(Su-yangさん)

「私たちが想像している以上に、ファンのみなさんはいろんな課題について深く考えてくださっている。そのおかげで、私たちのほうがむしろ考えさせられることも多いですし、常にパワーをいただいています」(CHIHIROさん)

「アルトリ」が参加する「Dリーグ」は毎年約9カ月にわたって開催されるが、その合間やオフシーズンには福祉や教育関連の活動にも取り組んでいる。

福祉とダンスをつなぐ活動などに取り組む「SOCIAL WORKEEERZ(ソーシャル ワーカーズ)」主催のイベント「チョイワルナイト」への参加もそのひとつ。障がいの有無にかかわらず、子どもも大人も一緒になってダンスの楽しさを分かち合う機会を盛り上げている。さらに教育関連では、学校のダンスの授業向けにレッスン動画をオリジナル教材として提供したり、実際に学校に出向いてダンス指導をしたりしている。

「義務教育では2012年からダンスの授業が必修となりましたが、体育の先生にダンスの経験がなく、教えられなくて困っているケースは多いんです。そんな学校を私たちがサポートすることも、社会課題の解決のひとつだと思っています」(CHIHIROさん)

「Dリーグ」には「21-22シーズン」より参画。衣装には、天然素材、再利用できる素材、過去の衣装、廃棄されてしまうものなど、サステナビリティに配慮した素材を使っている 写真提供=株式会社Dリーグ

正解はない。ダンスにも、世の中にも

今年3月には、新たな試みとしてファッションショーに参加した。国内最大級のファッションとデザインの祭典「東京クリエイティブサロン2024」に参加したルミネ有楽町とコラボレーションし、この春のルミネのテーマ「Charging Creativity ‐クリエイティブの扉を開く‐」に合わせた衣装を着てランウエーに登場。特別なダンスパフォーマンスを披露した。

「僕はファッションが大好きで、ときにはモデルの仕事をすることも。いつかダンスとファッションをかけ合わせた活動をしたいと思っていたので、念願かなってうれしかったです」(Su-yangさん)

ランウエーというと、長身のモデルが無表情で歩いているイメージがあるだろう。そこには「顔よりも服に集中してほしい」という意図がある。一方、この日、春服をまとった「アルトリ」のメンバーたちは、それぞれ豊かな表情と動きで観客にアピール。舞台で踊りながら衣装を替えるなど、通常とはひと味違うショーを見せた。そんな「アルトリ」流のファッションショーに、会場は大いに盛り上がった。

2024年3月、ルミネ有楽町で披露した「SPRING RUNWAY×LIFULL ALT-RHYTHMダンスパフォーマンス」の様子

「ダンスに正解はありません。それと同じように、世の中に正解はないと思っています。自分と違う考えの人を受け入れながら、人生をより豊かにしていく。そんなあり方のヒントになるような活動をこれからも続けていきたいですね」(Su-yangさん)

「私が大好きなワックダンスは、ジャンルとしてはまだまだメジャーではありません。『こんなダンスもあるんだ』と知ってもらえれば、それは多様な個性を認め合うことにもつながります。そんなふうに、これからも『アルトリ』の一員として世の中にさまざまなきっかけを提供していきたいです」(CHIHIROさん)

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Text: Kaori Shimura, Photograph: Takehiro Goto, Edit: Sayuri Kobayashi

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