吉瀬美智子さん、七人の秘書 THE MOVIEに出演。「“待つ”のも大事なのかな」

秘書たちが、困った人を窮状から救い、巨悪を成敗するドラマ「7人の秘書」(テレ朝系)の映画版「七人の秘書 THE MOVIE」が10月7日から全国東宝系にて公開されます。今回、秘書らのターゲットになるのは、信州一帯を牛耳る「九十九ファミリー」。この九十九家の養女で弁護士の九十九美都子を演じるのは吉瀬美智子さんです。ドラマのファンでもある吉瀬さんに映画版の見どころなどを聞きました。
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――人気ドラマ初の映画化です。

吉瀬美智子さん(以下、吉瀬): ドラマも大好きで秘書らの「名乗るほどの者ではございません」や「懲らしめてやりましょう」といった決めゼリフも面白く見ていました。痛快ですし、悪が成敗されるのは水戸黄門的でもある。

――ドラマ版もそうですが、登場人物も秘書7人含めて非常に多い作品です。

吉瀬: 好きな作品だけに関わらない方が……という葛藤もあったのですが、ほかのゲストに九十九ファミリーのドン・九十九道山を演じた笑福亭鶴瓶さんや、今回秘書たちに依頼をした緒方航一を演じる玉木宏君など以前から知っている方もいらしたので、“ドンと乗っかっちゃえ”みたいな感じでやらせていただきました。

寒い現場、会話で暖めてくれた

――連続ドラマとしての放送が2020年。既に関係ができあがった出演者の中に入っていくというのは?

吉瀬: みなさん大変、和気藹々と仲がよろしいので、そこにお邪魔させていただいた感じ。気も遣ってもらいました。今回の舞台は雪深い信州。現場が寒い中、秘書役の大島優子さんや菜々緒さんが会話で盛り上げて、暖めてくれました。

――鶴瓶さん演じる道山が率いる九十九ファミリーは「アルプス雷鳥リゾート」を経営して信州一帯を牛耳り、私腹を肥やすために手段を選ばない一家。今回は弁護士を演じられましたが、九十九ファミリーの顧問弁護士という特別な立場です。

吉瀬: 様々な事情があって、九十九家の養女になり、九十九美都子になった弁護士の役です。本来は弁護士として違うことをしたり、色んな人を助けたかったりしたかったかもしれませんが、九十九家を守らないといけないという立場になった。そして思いと相反するような感じで“悪”に引っ張られていく……。切なかったですよね、江口洋介さん演じる旧知の萬敬太郎との恋愛的な部分も含めて。江口さんもご一緒したことがあって、再びお会いして楽しかったです。

“想定外”が起き、変わった考え

――見どころはたくさんあると思いますが、あえて挙げるとすれば?

吉瀬: 私が演じた美都子で言うならば、萬さんとの関係を含めて、過去を引きずっているところですかね。ほかのみなさんで言うならば、女性秘書6人のドラマ版よりスケールアップしたアクションシーンがすごい。さらに雪の中でのシーンも綺麗ですし、(広瀬)アリスちゃんのウエディングドレス姿も、とてもかわいかったです。
もちろんストーリー自体も大変面白く、今回は二転三転もあります。映画版ですから少し大人向けの内容になっていますが、ドラマと同様、楽しんで見られると思いますよ。

――「7人の秘書」は、様々なスキルや情報、ネットワークを駆使して、女性の秘書らが弱者を救い、悪を駆逐するストーリーです。telling,も活躍する秘書らと、ほぼ同じ年代の女性がメインの読者です。中には自身も、そんな秘書らのように立ち向かいたいと思いつつも、「やりたいことがわからない」「やりたいことがあるけど、一歩踏み出せない」という人もいます。

吉瀬: 実は私がその年齢の頃に思っていたことと現在、感じていることが違うんですよね。
この数年で、コロナや戦争など予期しないことが起きてしまって。私はこれまでは目標を事前に立てて、5年後は○○、10年後には●●というように生きてきたんですけど、それは想定外のことが起こってないとき。
だから今の私は、問題が起こっていないことをハッピーに感じたり、毎日が楽しければいいや、と思ったりと変わってしまいました。

前提条件が違うから、以前なら言ってた「やってみればいいじゃん」みたいなことを気軽に口にできなくなって……。
その人のタイミングなど色々とあると思うので、私が言えるとすれば、「流れにあんまり逆らわないで」ということかな。「こうしなきゃ」がストレスになるんだったら、自然に任せることも大事です。逆に言えばそうすることで、「やりたいこと」が、ふと見つかるかもしれない。お気に入りの洋服も、探しているときは見つからなかったのに、ふいに入った店で出会うこともあるじゃないですか。だから時には“がむしゃら”よりも“待つ”のも大事なのかな、と思います。

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●吉瀬美智子(きちせ・みちこ)さんのプロフィール

1975年福岡県生まれ。1999年からファッション誌『Domani』(小学館)の専属モデルとして活動し2007年、本格的に俳優デビュー。10年に「ハガネの女」(テレ朝系)で連続ドラマ初主演を務めるなど、俳優やモデルとして幅広く活動する。主な出演作に、ドラマ「ブラッディ・マンデイ」(TBS系)、「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(フジ系)、「NICE FLIGHT!」(テレ朝系)など。

「7人の秘書」

脚本:中園ミホ 監督:田村直己 音楽:沢田完 製作総指揮:早河洋
出演:木村文乃 広瀬アリス 菜々緒 シム・ウンギョン 大島優子 室井滋 江口洋介 玉木宏 濱田岳 吉瀬美智子 笑福亭鶴瓶ほか
主題歌:「Final Call」milet Sony Music Labels

ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。
1983年生まれ。出版社勤務を経て、2008年 フリーランスフォトグラファーに。「温度が伝わる写真」を目指し、主に雑誌・書籍・web媒体での撮影を行う。