「SJX W」が提案する「ラボグロウンダイヤモンド」という新たな価値
●わたしと未来のつなぎ方 20
驚きの品質と高い純度をもつ、ラボグロウンダイヤモンド
「ラボグロウンダイヤモンド」……聞き慣れない言葉かもしれない。これはその名のとおり、ラボ(研究所)で育てられた合成ダイヤモンドのこと。鉱山から採掘された天然ダイヤモンドと完全に同じ条件でつくられるもので、化学式から結晶の構造、硬度、密度、光の屈折率まで、すべてが天然ダイヤモンドと同じという画期的なダイヤモンドだ。もちろん、あの美しい輝きも天然ダイヤモンドとまったく一緒。熟練の鑑定士であっても、特殊な機械を使わない限り、違いを判別できないという。
このラボグロウンダイヤモンドを日本の大手ジュエリーブランドとして先駆けて取り入れたのが「SJX W(エスジェイエックス ダブリュー)」。ジュエリーブランド「SJX(エスジェイエックス)」から派生したコンセプトストアで、2020年夏にニュウマン横浜にオープンした。
ジェンダーレスに自分らしく楽しめる「SJX W」のジュエリー
スタージュエリーが立ち上げた「SJX」は、存在感のあるモチーフや地金使いで人気のメンズ/ユニセックス・ジュエリーブランド。今までにありそうでなかった個性的なデザインとメイドインジャパンの丁寧な手仕事で、アスリートやアーティストを中心に多くのファンを獲得している。
「SJX」からスピンアウトした「SJX W」では、よりジェンダーレスでつけこなしの自由度が高いジュエリーをラインナップ。ニュウマン横浜の店舗で商品を見てみると、どれもモダンで洗練されたデザインで、心がときめくものばかり! ネックレスやブレスレットにイニシャルチャームをカスタマイズしたり、筆跡をそのままジュエリーにできたり、アイデア次第で自分ならではの楽しみ方ができるのがうれしい。
ラボグロウンダイヤモンドが地球にも人にも優しい理由
そんな「SJX W」がラボグロウンダイヤモンドをいち早く取り入れたのは、できるだけ環境に配慮したものづくりを進めていきたいという思いから。ラボグロウンダイヤモンドを扱うことがサステナビリティにつながる理由を、「SJX W」立ち上げメンバーのひとりである広報の梅次紫穂さんはこう教えてくれた。
「天然ダイヤモンドは私たちに幸福感や喜びを与えてくれる特別なものですが、その一方で、採掘する際に自然環境へ少なからず影響を及ぼしているという側面があります。地域によっては労働環境が過酷であることも。また、アフリカなどの内戦地域から産出され、非合法な取り引きによる収益が内戦の財源になっているという『紛争ダイヤモンド』の問題もあります。こういった課題とは無縁のラボグロウンダイヤモンドは、地球にも人にも優しいダイヤモンドといえます」
未来のことを考えて、今、何を買うかを選ぶ
ラボグロウンダイヤモンドは日本ではまだ知名度が高くなく、「SJX W」の店頭で初めて知った、という人も。店舗がオープンした当初は、天然ダイヤモンドに比べると安価という理由で興味をもつ人が主流だったものの、最近はエシカルな選択肢としてラボグロウンダイヤモンドを購入する人が増えてきたという。
「天然ダイヤモンドには先程お話ししたような課題もありますが、時代の流れを受けて、トレーサビリティを確立させようという動きが顕著になっています。弊社では、扱うダイヤモンドが紛争ダイヤモンドではないことを証明する制度を遵守するのはもちろん、信頼のおける限られた権利会社としか取り引きをしていません。天然ダイヤモンドには地球の奥深くから生まれ、ひとつとして同じものがないという神聖さがありますし、ブライダルリングにはやはり天然のものを、という方が圧倒的に多いです」
天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンド。「どちらがいい、悪いということではなく、選択肢を提供することが大切だと考えています」と梅次さん。そう、何より重要なのは、トレンドや感情に振り回されて衝動買いをするのではなく、自分の頭できちんと考えて、よいと思ったものを買うことなのだ。
「『SJX W』のお客さまには、まさにそういった意識を持っている方が多いですね。みなさん、自分の身の回りのことだけでなく、地球の未来のことも考えていて、エシカルなものにアンテナを張っていらっしゃいます。私たちも今後も『SJX W』を通して、楽しみながら消費すること、そして、環境に配慮しながらも、自分が心地よいと思える暮らし方で丁寧に生きていくことを伝えていきたいと考えています」
“いま”という時代を生きる女性の思いに応えるため
ルミネは持続可能な人々の生き方や社会のあり方に
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https://www.lumine.ne.jp/
Text: Kaori Shimura Photograph: Ittetsu Matsuoka Edit: Sayuri Kobayashi
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