【異色】中国武術のジュニア世界チャンピオンから女優に転身の山本千尋さん。「アクションだけでなく、お芝居で人に影響を与えたい」と語る“今”

三谷幸喜さん脚本・演出、香取慎吾さん主演の「誰かが、見ている」が、9月18日からAmazon Prime Videoで配信が開始されます。この作品はシットコム(シチュエーションコメディー)といわれるジャンル。出演する女優の山本千尋さん(24)は幼い頃から中国武術を習い、ジュニアで世界チャンピオンになった後、アクション女優に転身したという異色の経歴です。三谷作品の印象や、女優になった理由などをうかがいました。

初の三谷作品「とにかくやらなきゃ!」

――初めての三谷作品です。不安はありましたか。

山本千尋(以下山本): 三谷さんの作品といえば、お芝居のスキルが高いベテランの俳優さんたちがつくり上げているイメージでした。実は、出演が決まってから撮影まで2週間もなくて……。そのおかげで「不安を感じている場合じゃない、とにかくやらなきゃ!」という気持ちの切り替えができました。

――失敗を繰り返す主人公・舎人真一(香取さん)と、書斎の壁に偶然発見した“穴”から、そんな真一の生活をのぞき見する佐藤二朗さんが演じる隣人・粕谷次郎を中心にしたドタバタ劇。山本さんは次郎の天真爛漫な娘・あかね役です。

山本: 自分の中の最大限のテンションの高さであかねを演じました。プライベートでも若干、テンションが高くなっていました。三谷さんらの現場が楽し過ぎて、「明日は遠足だ」みたいな、子どものようなワクワク感が常にありましたしね。「お芝居って楽しいんだな」と気づくこともできました。

――あかねとご自身の共通点はありますか。

山本: お父さんと仲がいいところですかね。私は反抗期もお父さん嫌いもなかったんです。
今回の「誰かが、見ている」ではたくさんの家族が出てくるので、私も自分の家族が恋しくなりました。

これまで演じてきたのはアクションが多かったり、黙々と人を殺したりと感情がない役ばかりだった。あかねは喜怒哀楽が激しいので、アクションするより体力を使いました。人の感情ってこんなに豊かなんだというのを、あかねと三谷さんに教えてもらいましたね。

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佐藤二朗さんと、本当の親子みたいな関係になれていたら――

――あかねの父親役の二朗さん、母親役の長野里美さんから感じたことは。

山本: 1番掛け合いが多い二朗さんは、最初に「千尋」と呼んでくれ、常に寄り添ってくれました。ただ、二朗さんからは「インタビューされたときに、オレがアドバイスしたとか、オレに助けてもらったとか、絶対に話すなよ」って言われていたので、裏切ることになる(笑)。二朗さんとは、本当の親子みたいな関係になれていたら嬉しいなと思います。

個人的には二朗さんがお母さんで、長野さんがお父さんのようなイメージ。二朗さんが事細かく言って、長野さんがどっしりしている、という感じ。よく3人でスタジオの食堂でご飯を食べていましたね。

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――香取さんの印象は。

山本: 香取さんはクールで、あまり見せないけど本当に優しい方。細やかな気遣いをずっとしてくれるし、差し入れもしょっちゅう。そっと見守ってくれていて、安心感を与えてくれる方でした。

「ありがたい」シットコムだからこその経験…

――常に同じ舞台、ほぼノーカットで主要キャストがコメディーを繰り広げられるシットコム。しかも観客も入っています。三谷さんと香取さんはフジテレビ系「HR」でも同様の試みをしていました。

山本: 一つのシチュエーションでずっとお芝居。しかも、お客さんが見ているし、カメラも何台もある。どこを一番意識したらいいんだろう、って迷いました。舞台の経験はほとんどないですが、三谷さんの方針でナチュラルな姿をお客さんに見せるようにしました。楽しくて、新鮮だったし、勉強になりました。

ただ、映像や客席からは、一つのお芝居しか見えないですが、私たちは舞台から姿が見えなくなったときもサイレントでアドリブのお芝居をしていたんです。意外と難しかったですが、シットコムだからこそできる経験で、ありがたかったです。

「中国武術で培った技術を使い、アクションができる女優に!」

――山本さんは3歳から中国武術を習い、ジュニアオリンピックで3連覇。お芝居の世界に飛び込んだ理由を教えてください。

山本: 中国武術は大好きなんですけど、なかなか理解してもらえない競技で、どこかもやもやとした感情を抱えていました。でも、世界チャンピオンになってメディアに取り上げていただくようになり、「カッコいいね」と言ってもらえることが増えました。自分が好きなスポーツだからこそ「もっと知ってもらいたいな」と思ったんです。そこで、中国武術で培った技術を使い、アクションができる女優になりたいと思ったのが、きっかけでした。

ただ、最近は役者さんの生き様を間近で見て、半端な気持ちではいけないと痛感もしましたし、アクションだけではなく、お芝居で人に影響を与えたりしたいという気持ちも芽生えています。
今回の作品では三谷さんから、「中国武術の世界チャンピオンのスキルがあるのに、まったく活かせない役でごめんね」と冗談で言われましたけどね(笑)。

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――「誰かが、見ている」の見どころをお願いします。

山本: 三谷さんは撮影前に「アメリカのシットコムは、長い年月にわたってシリーズ化されているけど、あんまり時間が経っていないように見える」とおっしゃっていました。でも「『誰かが、見ている』は、みんなが成長するなど時間の経過を感じる作品だ」と。
その言葉が私は、とても印象的に残っています。見ているみなさんにも伝わると嬉しいです。

●山本千尋(やまもと ちひろ)さんのプロフィール
1996年、兵庫県生まれ。世界ジュニア武術選手権大会などでの優勝歴多数。2013年に女優デビュー。映画初出演の『太秦ライムライト』で、2015年ジャパンアクションアワードベストアクション女優賞を受賞。2016年「キングダム」10周年特別動画でのキョウカイ役や「ウルトラマンジード」のヒロインを務めるなど、ドラマ、映画など幅広いジャンルで活躍中。

■「誰かが、見ている」
2020年9月18日(金)より配信開始
脚本・演出/三谷幸喜
出演/香取慎吾、佐藤二朗、山本千尋、長野里美、宮澤エマ、夏木マリ
ゲスト出演/くっきー!(野性爆弾)、西田敏行、髙嶋政宏、寺島進、稲垣吾郎、山谷花純、近藤芳正、松岡茉優、橋本マナミ、八嶋智人、さとうほなみ、小日向文世、大竹しのぶ、新川優愛、小池栄子(登場順)

20~30代の女性の多様な生き方、価値観を伝え、これからの生き方をともに考えるメディアを目指しています。

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