Presented by ルミネ
Sponsored
わたしと未来のつなぎ方

デッドストック品を手仕事で一点ものへとリメイク。「ビームス クチュール」が放つ、アップサイクルという魔法

ビームスのオリジナル商品のデッドストックアイテムなどに、一つひとつ丁寧に手作業でリメイクを施し、スタイリッシュな一点ものとして再生させるアップサイクルブランド「ビームス クチュール」。その誕生の背景から、あのブランドとの最新コラボ情報まで、魅力的なものづくりの裏側に迫ります。

●わたしと未来のつなぎ方 06

倉庫に眠るデッドストックを、新たな価値あるものへと再生

リボン使いが愛らしいTシャツや、華やかなレースがあしらわれたジャケット、個性的なペイントが施されたパンツ。どれもスタイリッシュで、気分が上がるアイテムばかり! これらは、ビームスの倉庫に眠っているオリジナル商品を手仕事でリメイクし、一点ものとして蘇(よみがえ)らせるブランド「ビームス クチュール」のもの。「最近はマスクもとても人気で、生産が追いつかないほどなんです」と語るのは、同ブランドのデザイナーであり、生みの親でもある、水上路美さんだ。ビームス クチュールが2017年秋に誕生するまでを、こう振り返る。

「『レイ ビームス』のデザインを10年以上担当していたのですが、その間も、会社のなかで何か新しいことにチャレンジしてみたいという気持ちはずっと持ち続けていました。いざ何をしようかと考え始めたときに、私が学生時代にアシスタントを務め、今もずっと尊敬している『ケイスケカンダ』のデザイナー、神田恵介さんに相談したところ、『ビームスのデッドストックってどうなってるの?』というヒントをいただいたのが、ブランドコンセプトを描く大きなきっかけとなりました」

ビームス クチュールのデザイナー、水上路美さん。レイ ビームスのデザインを10年以上担当し、過去にはレイ ビームスから派生したブランド「RBS」の立ち上げのほか、タレントの中川翔子さんがプロデュースする「mmts(マミタス)」のデザインを手がけるなどの経験も

元の服のデザインを生かし、ブランドタグもあえて残す

その後、ビームスの倉庫に出向いてデッドストックの状況を確認した水上さんは、もともと手縫いによるリメイクを軸に活動してきた神田恵介さんをクリエイティブ・ディレクターに迎え、自社のデッドストックを活用したアップサイクルブランドの立ち上げを決意。社内の上層部にプレゼンし、準備期間を経て、2017年10月、ビームス クチュールをローンチした。アップサイクルという考え方がまだまだ浸透していなかった当時としては、先進的だったといえる。

「アイテムづくりのこだわりは、リメイクの元となる服を作ったデザイナーへのリスペクトを込めて、元の服の魅力を生かしながら、手を加えること。元の服についているブランドタグもあえてそのまま残し、隣にビームス クチュールのタグを縫い付けるようにしています」

この秋の新作のニット。デッドストックのクルーネックセーターの身頃が、リボンつきの可愛いセーターに変身

あっという間に完売してしまう、人気のコラボアイテムも

可愛くて、ちょっとセクシーにも着こなせる。そんな、いままでビームスにありそうでなかったテイストのビームス クチュールのレディースアイテムは、幅広い年齢層からの支持を獲得。ユニセックスに着られるアイテムも人気だ。話題のブランドとのコラボレーションも積極的に行っており、特にフリーザーバッグでおなじみのジップロック®とのタッグには熱狂的なファンも多い。

「ジップロック®とのコラボレーションは、実は、ブランドを立ち上げる前から計画していたもの。当時、PVC素材が流行していたこともあり、ジップロック®のあの透明な袋をリメイクしてバッグや帽子を作れたら、ということで、まずは旭化成さんのお客さまセンターに問い合わせて(笑)、サンプルを作って提案したところ、予想以上の好反応をいただき、協働が始まりました」

2018年夏に第一弾をリリースしたところ、人気がアメリカにまで飛び火し、翌年3月にはアメリカで販売することに。この夏は、ビームス クチュール、ジップロック®、ディーン&デルーカのトリプルコラボレーションによるクーラーバッグが発売となり、あっという間に完売になった。今年の9月には、駅やショッピングビルなどにスポットを置く傘のシェアリングサービス「アイカサ」に、使用済みのジップロック®を溶かして仕立てたビームス クチュール監修の傘が仲間入りする予定だ。

自社のデッドストックは行き届いた商品管理ゆえか多くなく、古着を買い付けてリメイクすることも

服を長く、愛着をもって着てほしいという願いを込めて

昨今はファッション系だけでなく経済系のメディアなどで取り上げられる機会も増え、世の中のサステナブルやアップサイクルに対する注目度が上がっているのを実感する、と水上さん。売れ行きも好調で、一時期のファストファッションブームの反動か、一点ものに興味をもつ20代や30代が増えているのを肌で感じているという。

「私は作り手として、服はできれば長く着てほしいと思っているんです。すぐに飽きてしまうのではなく、これだけは手放したくない!と愛着を感じていただけるような、着る人が“思いを込められる服”を作っていきたい。ビームス クチュールはあくまでファッションとして気軽に楽しんでいただきたいと思っていますが、アップサイクルや一点ものというブランドの特性から、私の『長く着てほしい』『愛着をもってほしい』という思いが伝わるならば、とてもうれしいですね」

一点もののマスクも人気のアイテム。「アップサイクルを通した地球への思いやり」と「マスクを着用することでかなう他者への思いやり」の意味を込めて、「思いやりマスク」と名付けられている

 

Text: Kaori Shimura Photograph: Ittetsu Matsuoka Edit: Sayuri Kobayashi

わたしと未来のつなぎ方