外出自粛は美肌チャンス。メーカー研究員も推す「手作り化粧水」

新型コロナウイルス感染症拡大により外出自粛の日々が続いています。家にいる時間が増えて、今までゆっくり取り組めなかったことにチャレンジしている人も多いのでは?今回は、telling,でもおなじみの工学博士であり生粋の理系男子である“尾池博士”が美肌に近づく手作り化粧水の作り方を教えてくれました。

化粧水は腐りやすい

自宅待機は美肌になるチャンスです。それは紫外線や乾燥が少ない室内時間が多いからですが、さらに踏み込んで手作りコスメにも手を出してほしいと思います。

特に化粧水は必ず自作した方がいいと思っていまして、化粧品メーカー所属の私でさえそう思ってしまう理由があります。

洗顔後の肌は防腐剤・低分子アレルゲン・アルコールを吸収しやすくなっているのですが、化粧水はその防腐剤の配合量が最も多くなるのです。

美容液はジャムのように濃度を高くして腐りにくくしています。クリーム(エマルジョン)も本来は防腐技術です。しかし化粧水は水分率が高くて一番腐りやすいため、防腐剤の配合量も多くなります。中には「フェノキシエタノール」のにおいしかしない化粧水もあるほどです。(フェノキシエタノールは信頼のおける防腐剤ですが、多すぎると当然刺激性があります)

ですから化粧水だけは手作りするルーティンを、月に2回ほど取り入れるのが美肌には最も近道です。

前回の手作りハンドジェル作りでほとんどの道具は揃っていますので、手作り化粧水を習慣にする環境づくりについても考えてみたいと思います。

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水分補給に割り切ると続けられる

基礎化粧品は化粧水、美容液、美容クリームの基本ステップがありますが、化粧水は保湿、美容液は肌質改善、美容クリームは仕上げという風に何となく理解されています。そのため化粧水を手作りする時、ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分を加えたくなります。

しかしその場合エタノールやBG(ブチレングリコール)などの防腐効果を持つ成分も必要になります。日本人はエタノールアレルギーを持つ人が少なくありません。BGは保湿というより実質は防腐成分として配合されるケースがほとんどです。先ほど触れた通り、洗顔後の吸収しやすい肌にそれらを突入させるべきではありません。保湿成分は化粧水後の美容液と美容クリームに任せます。

化粧水の目的は信頼のおける美容家が口を揃えるように水分補給だけに割り切るべきで、しかもふんだんに使えるようにすべきです。できるだけシンプルレシピにしてコストと手間を省き、「買いに行くより作った方がはやい&安い」手作りを目指します。

バシャバシャ使える手作り化粧水レシピ

レシピはシンプルなので手作りノウハウのほとんどは「雑菌の混入の防ぎ方」になります。今回のコロナ禍でも話題になる通り、微生物の混入ルートは飛沫と手汚れです。したがって手作り化粧水もこの二つのルートをイメージして作ります。菌は上から落ちてくるので空気の動きの少ない静かな時間を選び、手袋マスク着用、数分で素早く作ります。

今回作る量は約100mLです。化粧水の理想的な1回の使用量は5mL(手の平のくぼみにたまる程度)ですので100mLだと1~2週間で使い切る量です。実際の使用量は2~3mLであることが多いので、ちょっと多いかな、というくらい使いましょう。無くなるペースがはやい場合も安易に使用量は減らさず作る量を増やします。使用期限は冷蔵保存で2週間ですので一度に2本作っても良いかもしれません。

使う水は煮沸殺菌した水道水で十分です。ミネラルが適度に入っているので精製水よりもベターです。医療で必要な方のため精製水は使わないようにしましょう。基本的には水とグリセリンだけでも十分ですが、好みに応じてビタミンC誘導体か尿素を加えてもOKです。ビタミンC誘導体(リン酸-L-アスコルビン酸ナトリウム)は抗酸化作用があり20gで2,500円程度、尿素は保湿作用に優れ50gが500円くらいです。どちらも粉末で長期保存でき、オンラインショップで手軽に手に入ります。精油などでの香り付けは刺激の元になるので避けます。香りは最後のクリームに任せます。

ボトルはスプレーがおすすめです。ドロップボトルは空気中の雑菌が混入しやすいので避けます。

【レシピ】
煮沸殺菌水道水90mL、グリセリン3mL
(好みに応じて)ビタミンC誘導体小さじ1(3g)、あるいは尿素一つまみ(0.5g)

【作り方】
道具:100mLスプレーボトル

1. 空気の動きの少ない静かな時間を選び、沸騰させて冷ました水道水とスプレーボトルのフタは閉じておきます。しっかり手袋とマスク(できればキャップ)をして、手袋をエタノールでしっかり消毒します。手早く作業するため、あらかじめ以下の手順を読み、イメージトレーニングしておきます。

2. スプレーボトルのフタを開け、水を肩の位置(90mLくらい)まで入れます。少なめに入れるのはボトルを振って混ぜるためです。

3. 好みに応じてビタミンC誘導体小さじ1(3g)、あるいは尿素一つまみ(0.5g)を入れてフタをし、良く振って混ぜます。

4. グリセリン3mLを入れて、さらに良く振って混ぜます。冷蔵庫で一日置いてさらによく溶かします。翌日再度良く振って完成です。

【注意】
・冷蔵保管で2週間以内がおおよその保存期間です。
・かならずラベリングして小さな子供の手の届かない所に保管します。
・ひじの内側など目立たない部分でパッチテストをして使用してください。
・赤み、刺激など違和感を感じた際には必ず使用を中止してください。

手作り化粧水は洗顔直後に使用します。顔全体から首筋にかけてたっぷり手の平で温めながら伸ばします。もの足りなさを感じる場合もしばらくはそのまま続けてみてください。肌が元の健全な新陳代謝を取り戻すきっかけになります。それでも肌のつっぱりなどが気になる場合はグリセリンを増やしてみますが、多くても5mLまでにします。手作り化粧水の後に肌に合う市販の化粧水を少し追いかけて使うのも良いです。

肌にとって基礎化粧品は食事そのもの。手作りの習慣が健康の近道であることは間違いありません。化粧水の手作り、ぜひお試しください。

工学博士/1972年生まれ。九州工業大学卒。FILTOM研究所長。FLOWRATE代表。2007年、ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞受賞。2009年、PD膜分離技術開発に参画。2014年、北九州学術研究都市にてFILTOM設立。2018年、常温常圧海水淡水化技術開発のためFLOWRATE.org設立。
イラストレーター・エディター。新潟県生まれ。緩いイラストと「プロの初心者」をモットーに記事を書くライターも。情緒的でありつつ詳細な旅ブログが口コミで広がり、カナダ観光局オーロラ王国ブロガー観光大使、チェコ親善アンバサダー2018を務める。神社検定3級、日本酒ナビゲーター、日本旅のペンクラブ会員。