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「目の前の小さな目標をクリアしていくことでしか、大きな目標は達成できない」森トラスト株式会社代表取締役社長/伊達美和子

2016年に父からバトンを受け継ぎ、森トラスト株式会社の代表取締役社長に就任した伊達美和子さん。創業家に生まれたことから、さぞかし厳格な帝王学を伝授されながら育ったのかと思いきや、意外にも「自由な環境でした」と笑って話します。そんな伊達さんが大企業の陣頭指揮をとるまでの経緯、そして大切にしている経営スタイルとは。

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性差を感じることのない環境で育った

わが家の教育方針は基本的に自主性、自立性を重んじるものでした。何かを強制されるようなことはなく、非常に自由な環境だったと思います。「男性だから、女性だから」といった性差を感じたこともありませんでした。ただまわりを見回せば、父をはじめ一族の誰もが事業に携わっていたり、大学で教えていたりと、何かの専門分野を持っている人たちばかり。自由ではあるものの、目的をもって行動しなければ自分を磨き上げることはできないということを、小さい頃から肌で感じていました。

振り返って考えると、女子校で育ったことも人生のプラスになったように感じています。女子校は「女性らしい」人を育てる場所だと思われがちなのですが、そもそも男性がいないので、性差のない教育を受けることができるのです。だからこそ「性別を意識しない」という自分のベースを築くことができたのかもしれません。また、大学までの一貫教育で受験勉強をせずにすんだことも私にはプラスでした。受験にかける時間と労力を、「自分は何をするべきか」と考える時間にあてることができましたから。その答えは簡単には出ませんでしたが、父が起業した事業には興味がありました。私の中で漠然と「手伝えればいいな」と考えていて、当時はビジネス書を読み漁っていました。

自分の「テリトリー」外に挑むことで能力は拡大する

大学卒業後は、大学院で本格的に都市計画や建築について学び、卒業後は父が経営する森トラストとは別の企業に就職。コンサル業だったので、様々な会社に触れることができ、その後につながる良い経験を積めたと思います。その後、森トラストに転職したのですが、当時は社長になるなんて考えてもいませんでした。自分が任されている業務をどうマネジメントすべきかで常に頭がいっぱい。ただ、どんなプロジェクトにもかならず前後左右の関係があるので、自分の業務の範囲に収まることはまずありません。テリトリー外のことであっても、会社のために必要だと考えれば実行する、これを繰り返す日々でした。

一方で都市開発をして、もう一方でホテルの運営をしていたことがあります。最初その2つはつながっておらず、「二足のわらじ」で別々の仕事をしている感覚でした。それがやがて、線として面として、つながっていったんです。自分にできる業務の範囲が広がって、「引き出しの中のパーツがそろってきたな」という手応えがありました。これが2016年のこと。つまり私が森トラストの社長に就任した年です。次にやらなければならないこととして描いたイメージとマッチしていたこともあり、私のなかではごく自然な流れでした。

ロールモデルがいないことが自分の強みになった

社長に就任して、ことさら“女性経営者”と強調されるのが不思議なんです。他のどの業界でも幹部の女性比率は少ないですから。「女性経営者のロールモデルがない」なんて言葉も耳にします。私はいろいろな方の個性や手法を部分的には参考にはしますが、完全にコピーすることはありません。その対象が男性であろうと女性であろうと、年輩であろうと、若い人であろうとまったく関係がないんです。

もしかしたらロールモデルがいないニッチな立場だったからこそ、すべてにおいてゼロから始めることができたのかも、とは思います。毎回、ホテルでもオフィスでも一通り「世の中はこうしているらしい」ということは調べるんです。それで、私は「そうか」と思うだけ(笑)。あくまでも自分はどうしたいのか、事業として成立させるにはどうしたらいいのか、基本的にこれしか考えない。自分が目指す世界観を作る“デザイン思考”を最初から貫くことができたのは、誰のマネもする必要がなかった私の強みなのでしょう。もし自分が男性だったら社会の流れを少しは気にしたかもしれません。

「スモールステップアップ」を大切に

男性だろうと女性だろうと、何をやっても社長というのはいろいろ言われる立場なんです。それならば私は、自分のやりかたでやり切るほうがいいと思っています。いきなり高い目標を持つのではなく、自分がやりたいことを一つひとつ、時間をかけながらでも実現できれば成功体験になりますし、まわりも認めてくれるのかなと思いながらここまでやってきました。

このスモールステップアップできっちり抑えていくことは、私の経営スタイルの一つです。目の前の1つをクリアしたからといって、それは次のステップのための一歩でしかありません。「良かった」で終わらせず、つねに先の目標を意識していることが重要だと考えています。
たとえば最近「仕事の効率化」が言われますが、大事なのは「効率化してどうしたいの?」という目的の部分でしょう。おそらくそれは、さらに生産性の高いところに投資することだと思うのですが、次に考えておくべきは、「じゃあ何に投資するの?」ということ。先の、先の、ずっと先まで目標を決めておけば、途中で自分の軸がぶれることはないと思います。

●伊達 美和子さんプロフィール
慶應義塾大学大学院修了後、総合コンサルティング会社勤務を経て、1998年に森トラスト株式会社入社。2016年6月に当社代表取締役社長に就任。多数の都心部での大型不動産開発を統括する傍ら、ホテル&リゾート事業では、昨今のインバウンドブームに先がけて、コンラッド東京、シャングリ・ラホテル東京、翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都をはじめとしたインターナショナルラグジュアリーブランドの誘致をいち早く主導しており、2020年には東京エディション虎ノ門、JWマリオット・ホテル奈良を新たにオープンさせる。そのほか、『Create the Future』のコーポレートスローガンの下、イノベーション創出を目指して、スタートアップ企業への出資や海外投資なども精力的に推進させる。

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