Sponsored by 東京都
Sponsored
my経営スタイル

「チャンスを決して逃さない姿勢で切り開いたキャリア」日本マクドナルドホールディングス株式会社 代表取締役社長兼CEO/サラ・L・カサノバ

サラ L. カサノバさんが母国カナダでマクドナルドに入社してから28年。現在では日本マクドナルドホールディングス株式会社の代表取締役兼CEOと日本マクドナルド株式会社の代表取締役会長を務めるカサノバさんは、どのようにして経営者にステップアップしてきたのでしょう。ピンチを逆手にマクドナルドを復活に導いたカサノバさんの経営者像とは?

●my経営スタイル

諦めずに挑み続けた結果、たどり着いたポジション

28年前、新卒の私が就職したい会社は、マクドナルドだけでした。理由は明快です。マクドナルドの商品が大好きだったから。ですから、就職活動をしたのは一社だけでした。ところが結果は不採用。そこでわたしはCEO宛に手紙を書きました。「就職試験の結果は不採用でした。でも、これこれこういう理由で、どうしてもマクドナルドで働きたいのです」と。そうして、晴れて採用となりました。学んだのは、粘り強く挑戦し続けることの大切さです。決して諦めてはいけません。

働き始めた当初の目標は、カナダ・オンタリオ州のマーケティングマネージャーになることでした。最初から経営者になろうと思っていたわけではありません。ところが、入社してみると次々とチャンスが訪れました。与えられたすべての機会に対して、「Yes, I will.(はい、やります)」と挑んでいった結果、気付いたら経営者の立場にいました。大切なのは、与えられたチャンスを逃さないこと。「Yes, I will. (はい、やります)」と答えて、常に前に進むことです。

20年前、当時のマクドナルドのグローバルのCEOに会う機会があった際に、どうやってCEOになったのか、聞いてみたことがあります。彼は、毎日一つずつ、会社について新しいことを学んできたと答えました。経営者を目指す人にはぜひ実践してみてほしいと思います。

海外勤務を経て身につけた経営者としての力

私にとって最初の大きなターニングポイントは、マーケティング責任者としてロシアに赴任したことです。初めての海外勤務であることはもちろん、ロシアに行ったことさえありませんでした。当時、ロシア国内にマクドナルドは1店舗のみ。お客様の好みもカナダとは違いますし、初めてづくしの中で、現地のお客様の声を丁寧に拾うことを学びました。

6年間のロシア勤務を終えてカナダに戻ると、今度はフランチャイズが何店舗もある複雑なシステムの中で事業者たちにマーケティング戦略を理解させ、浸透させるというミッションに向き合いました。

2007年にマーケティングの責任者として来日。その後マレーシアで初めて経営職を任されました。それまではすべてのことをマーケティング視点から見ていたのに対し、経営者として全体を見渡すようになりました。一つ一つのピースがどう組み合わさって機能しているかを理解し、全員の力を引き出して成果を最大化する方法を考えるのが経営者です。

2013年、わたしはマレーシアから再び日本へ、今度は経営者の立場で戻ってきました。このとき、日本支社ではすでに業績不振が始まっていました。しかも就任直後に品質問題に直面。お客様の信頼を回復して、業績を回復させるには、まずはお客様の声に耳を傾けなければならないと思い、47都道府県すべてを訪ねました。「マクドナルドらしさを取り戻してほしい」という意見を何度も耳にしたので、それをベースに改革案を練り上げ、全員が同じ方向を向いて実行した結果、ピンチを成長につなげることができました。

カウンターの外のお客様だけでなく、中の従業員との関わり方も大切

カウンターの外で商品を待っているお客様の生の声を聞くことはとても大切ですし、日本国内の約15万人の従業員との接点を持つためにも、できるだけ店舗に足を運ぶようにしています。お店に行くと従業員一人ひとりに話しかけます。

当社で働き始めて数年目の若い社員が、わたしに直接メールを送ってきたことがあります。「上司に話そうとしても時間がないと言われてしまうので、社長に直接意見を伝えたい」という内容でした。ぜひ来てくださいと返信すると、彼女はわたしを訪ねてきて言いました。「本社の意思決定が遅く、店舗の支援ができていません。社内の一体感が足りません。若手の同僚たちと一緒に変革したい。ワークショップを企画し、全従業員で店舗のためにできることを話し合いたい」すばらしいアイデアだと思ったので、なんでも協力すると約束しました。その後、役職に関係なく社員全員が参加して、店舗を支援するためのアイデアや、店舗に対する従業員のコミットメントの醸成法について話し合う会合が開かれました。

経営をしていると、業績不振や不祥事など、危機に直面する場面はあります。しかしそれをきっかけにお客様が求めているものを突き止め、全員のちからを合わせることで、成長につなげることができるはずなのです。

●サラ・L・カサノバさんプロフィール
カサノバ氏のリーダーシップのもと、日本マクドナルドは2016年よりビジネス基盤を強化、2017年度の一店舗当たりの平均月商は上場以来最高の水準となり、2019年上半期は上場以来過去最高の経常利益を達成。1991年マクドナルド・カナダに入社、マクドナルドには28年の在籍。内22年はカナダ国外で要職を歴任している。ロシアで最初のマーケティング・ディレクターに就任、その後トルコ、ウクライナ、ベラルーシ、カナダ、マレーシア、日本で勤務。日本には2004年から2009年CMOとして勤務。その後、2009年にマレーシアのマネージング・ディレクターに就任、2013年より日本マクドナルドの社長。2019年より現職。カナダ国籍でカナダ・オンタリオ州マックマスター大学でMBA取得。

女性経営者の成長を応援します

Sponsored link by 東京都

my経営スタイル