世界の女性たち@ロンドン

理解されづらいからこそ話しておきたい、メンタルヘルスのこと

いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、メンタルヘルスについて。登場するのは、Ruru Rurikoさんとイギリスの大学で同級生だったロンドン出身のホリーさん(25)。うつ病や不安障害を抱える彼女が、精神面の健康、いわゆるメンタルヘルスについて思うことを書いてもらいました。

●世界の女性たち@ロンドン

抗うつ剤の薬を飲んだら感情もなくなってしまった

私はティーンエイジャーの頃から不安障害とうつに悩まされていて、うつは軽くなったけど、今もまだ不安障害の方は深刻な状態なの。

メンタルヘルスについて人と話すのは、大事なことだと思う。実際に私はそれで気持ちが軽くなるし、助けられてる。プロのセラピストだけじゃなくて、家族や友達のサポートもとても大切だと思う。他人とシェアすることで周りからの理解も得られるし、誰にも話さないで1人で悲しくなってると、更にきつくなってしまうんじゃないかな。

18歳から22歳の時の時に抗うつ剤を飲んでたけど、私にはあんまり合っていなかったからやめたんだ。抗うつ剤でうつ症状は軽くなったけど、楽しかったりする気持ちもなくなってしまったの。感情がなくなって、何にも感じなくなってしまった。当時はお酒も沢山飲んでいて、同時に抗うつ剤も飲んでいたからとても不安定だった。

かかりつけのお医者さんから、一旦抗うつ剤をはやめた方がいいと言われ、自分でも一回全部ストップしてクリアにしたいと思った。

薬を飲むのをやめた最初の一週間は、なんだか訳がわからないように感じて毎日つらかった。今は薬関係はできるだけ摂りたくなくて、できるだけナチュラルな身体の状態でいたいと思ってる。

ティーンエイジャーの時にセラピーに通ってたこともあるんだけど、それは親に行かされていたからあんまり好きじゃなかった。今なら自分の意思でセッションにも積極的に参加できると思うからそのうちまた行きたいなと思ってる。でも、きちんと信用できてリラックスして話せる相手を見つけるのはなかなか難しいなって思うからまだ行けてないんだ。セラピーって安くないしね。

逃げ出したくなることもある

数年前にどこかで、脳は筋肉と同じだから使いたいところはエクササイズしなきゃいけないって読んだの。腕を強くしたかったら腕を鍛えなきゃいけないのと一緒で、ポジティブになりたかったら意識的にポジティブに考えるようにしてると、脳にそこの部分が強くなって色んなことにポジティブに反応できるようになるんだって。うつの時って全部ネガティブに捉えちゃうから普段からそうやって気にするのは良いことだなって思って意識するようにしてるよ。

今の私は、自分に自信がある日もあるけど、全部怖くなって逃げ出したくなることもある。そういう時は誰とも話せなくなっちゃうし、他人からの連絡も返せない。そうすると今度は「返信してないどうしよう」「みんなどう思ってるんだろう」って更に怖くなって閉じこもってしまう。本当に日常の小さくてくだらないことなんだけど、不安になっちゃうんだよね。

不安障害やメンタルヘルスといっても人によって症状や重度は様々なので他人に説明したり理解してもらうのは難しいと感じる。
1人になりたい時間や、落ち着こうとするために他人を避けてしまうこともあるけど、不安障害は見た目じゃわからないから、人によってはただ単に私が失礼な人だと思うかもしれない。あとは不安だったり、自分にイライラしている時に、そんなつもりはないのに他人にもきつい言い方をしてしまったり。

私は今、フォトグラファーとして働いてるのだけど、知らない人に声をかけて写真を撮らなきゃいけなかったりするのは、本当に私にとっては難しいこと。話しかける前に考えずぎて「あーもう無理」ってなっちゃたり。でも今は考えすぎないようにしてる。逃げ出して隠れたいような気分になるけど、仕事中はそんなことできないから、とりあえずトイレに行って落ち着いてみたり工夫してるよ。

最近は誰かに話したくなったらよく部屋の観葉植物に話しかけてるんだ(笑)。

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。