世界の女性たち@ノルウェー

私が向かう先。HSP(ハイリーセンシティブパーソン)と向き合う

毎回ドキッとさせるフォト&エッセイを連載中のRuru Ruriko さん。今回は友人であるノルウェー女性のイザベルさんのエッセイを、Rurikoさんの翻訳でお送りします。彼女が抱える「HSP(ハイリーセンシティブパーソン)」という特性と、それを受け入れながら生きていく人生とは、どんなものなのでしょうか。

●世界の女性たち@ノルウェー

日常生活の中で、簡単にストレスに気づいてしまう自分

多くの人が人生においてゴールを持ったり、明確な人生計画を立てることを大事だと考えているようだけど、明確なものもなくただ人生を何となく、その時の興味や流れに任せて歩む人たちもいるよね?

私は昔からずっとクリエイティブなことが好きで、イラスト、写真、映画などをやってきた。でもそれを仕事にしたいのか、それとも趣味としてやっていきたいのかがずっとわからなかった。
これまでも私なりに色々なことに挑戦してきたつもり。

2012~14年、私は地元ノルウェーの芸術系の専門学校に2年通って、ビジュアルアーツを学んだ。それからイギリスの芸術大学のファインアート学部に合格して、そこでは特に写真を中心に勉強したの。

イギリスでは沢山の素敵な人に出会えて良い経験になったけれど、学部自体にはあんまり満足が行かなくて、結局1年で大学を辞めてノルウェーに帰った。

その後はずっと映像に関する仕事に興味があったから、去年デンマークのフィルムスクールを受験して、結果は合格。でもその時に、どれだけ自分が毎日の日常生活の中で簡単にストレスを受けやすくて、それが自分に影響してしまうか気づいたの。

ハイリーセンシティブパーソンである自分

心理学者エレイン・N.アーロンの著作『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』。この本は、刺激や変化などにとても繊細な、HSP(ハイリーセンシティブパーソン)の特性を持った人たちについて書かれている。例えば、世の中には他人と交流することで元気になる人と、私のように他人と関わることに自分のエネルギーを使ってしまって疲れてしまう人がいる。他の人が見逃してしまうような身の回りの小さなことが気になったりするそう。

«多くの人は部屋に入ると家具に目が行ってそれだけだが、HSPの人は自分が部屋のどこに行くべきか、どんな雰囲気か、誰が友達で誰が敵か、部屋の空気はどうか、飾られている花はどのような感じかなど細かいところまで気にしてしまう。»(エレイン・N. アーロン『ささいなこともすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』より)

このような特性がある人は内向的な人だと思われがちだけれど、HSPのうち30%の人は外向的な人だ

そう。HSPのことがもっと一般的に知られたら、職場や学校などでより良い環境を作っていけるんじゃないかと思う。

自分の向き不向きを知る

私は自分には向かないことがあるってわかったの。自分には何ができて、必要で、何が難しいかって。

それでデンマークの学校へは入学せず、ノルウェーに残ることにした。せっかく合格したのに、また最初からやり直しだって少し落ち込んだけど、安心したような気持ちにもなった。

このことがきっかけで、自分がどうアートと関わっていきたいかわかったと思う。キャリアとしてではなく、趣味として、個人で自分がやりたいと思ったことをやっていくほうがいいかもしれない、って。

もし他に安定した仕事を見つけられたら、暇な時間に自分の好きなようにアート活動ができるし、それがもしかしたらいつか何かに繋がるかもしれないでしょう?

最近自分で空いた時間にSkillshareというオンラインで勉強できるプラットフォームを使って勉強し始めたの。今はPhotoshop, Illustrator, After Effectsのスキルアップを目指してる。

ノルウェーに残るって決めたこともあって、今は自分と向き合う時間も沢山ある。

5年後私はどうしてたい?って自分に問いかけてるの。

日本についてもよく考える。いつか住むのが夢。

将来仕事にできるようなことを勉強する場合、どんなことならずっとやりたいって思えるだろうと考えた時、最初に頭に浮かんだのは、環境問題と日本の文化や言語についてだった。

日本には一度旅行で行ったことがあって、今でもよく日本について考える。また行きたいなって、もっと日本の文化や歴史、自然を知りたいなって思ってる。それもあって今はオスロにある大学の日本語学科を受験したいって考えてるんだ。いつか日本に住んでみたいってずっと思ってたから、その夢につながるといいな。ノルウェーは私のホームだけれど、昔からノルウェーの文化や人々に馴染めないような居心地の悪さがあったし、将来ずっとノルウェーに住むのは嫌だと思ってた。でもそれと同時に、ノルウェーの大自然は私を安心させるし、ここがホームだって思わされる。

これから先どこにいくかはわからないけれど、自然はどこに行っても私の心のホームになると思う。

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18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。