Ruru Ruriko「ピンク」

感受性が強い、HSP(ハイリーセンシティブパーソン)とは?

ノルウェーの友人イザベルさんとメッセージのやりとりをしていた時、偶然にもお互い、自身をHSP(ハイリーセンシティブパーソン)だと認識していることがわかったRuru Rurikoさん。ここ1年ほど考えていたという「HSPと自分」について、綴ってもらいました。

周りに驚かれるほど敏感だったりストレスを感じたりしていた

HSP(ハイリーセンシティブパーソン)とはその名の通り、通常より物事のささやかな変化に対して他の人より傷つきやすかったり、ストレスなどを感じやすい人たちのこと。病気ではなく特性なので、はっきりと判断するのは難しいですが、私は数年前に初めてHSPについて知り、記事を読んだり、オンライン診断などをして自分をHSPだなと認識しました(オンライン診断は調べたらすぐ出てきます)。

私が特にストレスに感じるのは聴覚。音や他人の話し声が聞こえるのが気になってイライラしてしまったり、周りにも「そんなに驚く?」と言われるほどの小さな物音などで、すごく驚いてしまいます。

最近、イギリスに留学していた頃はどうしてあんなにストレスフリーだったのか考えてみたのですが、自分のペースとプライバシーをきちんと守れる環境にいたからだと思いました。日本では実家に住んでいたので、自分のペースのみで生きることは難しいです。特に子どもの頃は。
イギリスではやらなければいけないことはあっても、周りからの騒音で起こされたりすることもなく、人と会いたくないときは会わなくてよかったし、自分の部屋には絶対的な安心があったように感じます。

誰も入ってこられない、1人の空間

日本で実家暮らしをしていた中高生の頃から、そして今も、外で不安な気持ちになると私が向かう先はトイレです。なぜなら鍵をかけられるから。誰も入ってこられない、1人の空間を作ることが私にはとても大切。ちなみにイギリスでは常に自分の部屋に鍵がついていました。

日本の大学で、トイレでお昼を食べる人がいるというニュースを見て、周りの人が「え〜なんで?そんな人いるの?」と言っていましたが、それ、私です。

昔から、落ち着きたい時は、よくとりあえずトイレに行って座っていました。外で食べるのが嫌でトイレで食べたこともあります。ニュースになった人たちがどうしてトイレで食べていたのかは人によって理由があると思いますが、私は昔からグループ、団体というものがとにかく苦手で、1人だと学校などで安心して食事ができなかったのです。
もちろん飲み会や打ち上げなんていうものも苦手。それもあって成人式は出なかったし。反対に、全く知り合いがいないであろうところで1人でカフェに行ったり、食事をしたりすることは全然できます。

HSPの自分をリラックスさせてくれるもの

今もストレスを感じると夜何度も起きてしまったりする日々が続きますし、常に身体が緊張しているような息苦しさを感じ、手先の震えなども感じます。

今フランスに住んでいて、鍵のない生活をしていて、いかに私にとって自分だけのスペースを持つことが大切かを感じています。そして自分がとても周りの人の感情に影響を受けやすいことも。

私は自分のパーソナルスペースにいきなり人が入ってきたり、知らない人が入ってくるのがとにかく苦手。自分からこの人と知り合いたい、今日は誰かと会うと予定があれば心の準備ができるのですが……。

自分を落ち着け、リラックスさせてくれるものはなんだろう、と思うと私もイザベルのように(彼女にとっては地元ノルウェーの大自然)、自然や大好きな花に囲まれることだなと思います。自然の音やリラックスする音楽。そして私が心の準備をしてドアを開けるまでは私は絶対にここで安全なんだという自分だけのスペース。それを持てることがとても大切なんだとわかりました。

HSPはあまり一般的に知られていませんが、5人に1人の割合とも言われていて結構いるんです。HSPについて知られるようになれば、どうして自分がこんなにストレスを感じているのかなどがわかり、負担を減らすようにすることも可能かもしれません。

人にはそれぞれ得意、不得意なものがあって、自分を理解して不得意なところは無理に直したり頑張ったりするより、得意な方を伸ばしていけたらいいなと思っています。

続きの記事<アフターピルがあっても不安だったあの日>はこちら

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。