これからの時代、女友達と共有すべきは彼の話より毎日飲んでる薬の話
●編集部コラム
酔って潰れた友人
先日、遅い時間に学生時代の友人から電話がかかってきた。出てみると、普段はおっとりしている彼女が「フー」とか「フォー」とか言いながら「今ドコ~?のもぉよ~」と誘ってきた。聞けば仕事の付き合いで呼ばれたワインの試飲会に参加してきたそうで、電話口の様子ではかなり酔っているようだった。
たまたま近くにいたので30分後に指定された店に向かうと、店の前で完全に潰れている友人Aと、介抱する同じく同級生の友人Bの姿が。
「あちゃ~潰れちゃったか。」
水を飲ませ、身体をさする。初夏の陽気だったのは幸い(?)だ。
「このまましばらく休ませて起きたら帰らせよう」
と話していたものの、横を通り過ぎる人たちに「大丈夫ですか?」と何度も声をかけられるうちにだんだんと不安になってくる。そういえばさっきまで赤かった顔も、なんだか白くなってない?
何かあってからでは遅い。私たちは救急車を呼んだ。
旦那さんと親友たちにより形成される彼女のパーソナル
搬送中、いくつかの質問をされた。持病はないか、通院している病院はないか。うーん、なんだか普段、薬を飲んでると言っていたような……。記憶を辿る私たちの元に、仕事を終え電話に気づいた彼女の旦那さんから折り返しの連絡がくる。
「○○病院で○○の治療を受けています」
家族からの確かな情報を救急隊員に伝える。
また、元来用心深くてまじめな友人、財布の中に緊急連絡先の情報をメモで入れていたりと何かと準備がしっかりしており、事はスムーズに運んだ。
その日は事なきを得て解散。後日、もちろん友人からは平謝りの連絡を受けるのだが
「どんとこいよ。こちとら何年来の付き合いだと思ってんのよ」
とLINEのやりとり。そう。友人が元気になってくれれば、迷惑なんて思わないよ。
「けど、緊急用の連絡先とか財布に入れてたアンタにびっくりしたわ。さすがだね」
「まさかこんな風に使うと思ってなかったよ」
友人との付き合いはもうすぐ20年。過去の入院歴も持病も、詳細はわからないけどうっすらと記憶の片隅にはある。旦那さんの顔もわかるし、ご家族にも学生時代にご挨拶したことがある。親族と私たちの記憶があれば、ひとまずはなんとかなった。
緊急時のための情報共有は誰とすべきか
いやしかし。未婚、一人暮らしの自分が同じ事を引き起こしたらどうなるだろう。
大人になってからできた友人や、もっと関係の浅い人たちはどうやって私の常服薬や緊急連絡先を確認すればよいのか。たとえば恋人がいたとして、彼に毎日飲んでいる薬の話までしている人がどれだけいるのだろう。
潰れる私の親指をとってスマホの指紋認証を解除したとて、その中の誰が重要人物で、その人たちはどこに住んでおり私の何を把握しているのか、きっと瞬時には判断できない。
そんな話を別の友人としていた。「いやーこれからは何かあった時のために、家族だけじゃなくて友達同士でも持病とか、緊急連絡先とかシェアしておきたいね」
しかし調べてみても、そういっためぼしいアプリはなかった。
しいていえば、薬に関してはおくすり手帳のアプリをいれておけば、スマホにさえログインできれば他人でも情報は確認できるといった感じ。
現状では、evernoteのようなメモ共有アプリに必要事項を記入しあってシェアするのが良いような気がした。
恥ずかしい。大げさだ。と、正直書いていて自分でも思うのだけれど。
元気なうちにやっておいた方がいいんですよねきっとこういうことって。
年々その信頼度を強めていく女友達たちとの共有タスクがまた一つ増えた。
業務連絡、友人一同諸君。女の友情、フル活用で。助け合って生きていこうな!
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