「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。」でパーソナリティー “自分の感じたことや考えたことは、包み隠さず伝える”

「乃木坂46」のメンバーとして活動する山崎怜奈さん(23)にはラジオパーソナリティの顔もあります。出演するTOKYO FMの「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。(だれはな)」(月~木曜・午後1時~2時55分)でのトークは好評で、偶然聴いた有吉弘行さんも自身の番組で絶賛するほど。ラジオへの思いなどを山崎さんに伺いました。

――有吉さんは「どういう人生を送ったら、あんな上手にできんのかな」と山崎さんについて語っていました。

山崎: そのように言っていただけて、本当にありがたいです。知りたがりの子どもで、本を積極的に読んでいました。ただ、中学の3年間は勉強漬け。高校1年生から乃木坂46に入ったので、そこからはタレント活動と学業の両立の日々がはじまり、大学受験。大学を卒業したのが昨年です。

トークのスキルとかは全然…。中学へ入学するまでは本当に人と話すのが得意じゃなかったです。神経質というか、そういう年頃だったんでしょうけど。親戚の集まりでも寡黙で本当に話せなくて、祖母に心配されるレベル。「今は、よく、人様の前で喋れているな」と毎日、感じています。ラジオがとても好きなので、その影響が大きいのかな。

テレビと一緒で当たり前にある存在だったのに…

――どのようにしてラジオと出会ったのですか。

山崎: 小学生の頃に聴き始めた「SCHOOL OF LOCK!」(TOKYO FM)が最初でした。当時はradikoがなくて、父が運転する車のカーラジオは、ほとんどJ-WAVEで時々TOKYO FM。そこで出会ったのが「SCHOOL OF LOCK!」です。歌手のYUIさんがやっていたコーナーが聴きたくて、チューニングを合わせてもらっていました。初めて「聴きたい」というふうに思ったんです。
そして高校生になり大学受験の時期に、より聴くようになりました、その頃になるとradiko。既に全国のラジオ局が聞ける有料のプレミアム会員という機能があったので、全国の番組に触れるようになり、リスナーとして番組にメールを送り始めました。

――ラジオの世界を知ったことで、世界は広がりましたか。

山崎: テレビと一緒で当たり前にある存在だと思っていたのですが、高校生になると“ラジオ好き”があまり周りにいなくて。自分にとってはとても身近な存在で一緒に育ってきたものだったので、話せる人がいないことにびっくり。私にとっては生活の一部でしたからね。

受験直前にもラジオは近くにありました。高校3年生の夏は、乃木坂46のお仕事はお休みして勉強に専念。メンバーやスタッフさんと話す機会は少ないし、みんな受験があって緊張感があるから友人と気軽な話もできない。そんな時、誰かの話を聴きたくなったら、ラジオのチューニングを合わせていました。

パーソナリティー就任 “私で大丈夫かな”から“楽しみ”へ

――「だれはな」は昨年10月に始まりました。2時間の生ワイド、それも月~木曜の帯番組です。オファーを受けられた時の印象を教えてください。

山崎: お話を伺ったとき、「私で大丈夫かな」という思いは正直ありました。でも不安よりは嬉しいという気持ちが勝り、「楽しみだな」と思いました。
そもそもラジオ好きの自分が、帯番組の初回放送を聴いたことがなくて。「大きい番組が始まり、携われる」というのは嬉しかったですね。喋るのは私なんですけど(笑)。

ラジオだけでなく日頃から気をつけているのは、あるモノを「好き」と言うときに他のものを否定しないことです。下げることで、他の何かを上げるというのは傷つく人が出てきますから。ただ、意識し過ぎると自分の意見がなくなるので、正直には話します。
ラジオの場合は特にリスナーの方からのメールへの反応などですね。正直に言わないと、「なに偉そうなことを言ってるんだ」と思われてしまうこともあるから100%本音。「わからないことはあるけれど、こうすれば、もっと前向きに生きやすくなるんじゃないか」とか……。自分の感じたことや考えたことは、包み隠さず伝えるようにしていますね。

山崎さんが考える、ラジオの存在意義の一つとは?

――番組のタイトルが「話したいこと」ではなく「話したかったこと」という点も印象的です。

山崎: 誰かに言いたいんだけど、遠慮して話せなかったことは、たくさんあると思うんです。たとえば家族の話は誰にもできるわけではないし、自分のことも近しい人だからこそ話しにくいということもある。ラジオはラジオネームでの関わりなので匿名性は保たれるし、「聴いてほしかったんだけど、どこにも吐き出せていなかった思い」を受け取ることができます。そこに一つの存在意義があるのかな、と考えています。

●山崎怜奈(やまざき・れな)さんのプロフィール
1997年生まれ、東京都出身。2013年よりアイドルグループ「乃木坂46」の2期生として活動する。16年、慶応義塾大学に進学し20年に卒業。現在はクイズ番組の出演やラジオパーソナリティなど多方面で活躍。ひかりTV・dTVチャンネルで配信された「乃木坂46山崎怜奈 歴史のじかん」から抜粋した対談と、書き下ろしのコラムを合わせた初の著書『歴史のじかん』(幻冬舎)を今年2月に発行した。

ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。
カメラマン。1981年新潟生まれ。大学で社会学を学んだのち、写真の道へ。出版社の写真部勤務を経て2009年からフリーランス活動開始。

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