【ナリ心理学ナリくん】普通ってなに? by ナリくん
●意識、どんどん下げてこう。by ナリくん33
僕は今「普通」って言葉が大好きだ。よく使う。でも、telling,のように個人の自由な選択を尊重し!自分らしく生きよう!」というメッセージを発信しているWebサイトを読む傾向のある人たちの中には、「普通」って言葉にはちょっとした嫌悪感を抱く人が多いんではないかと予想できる。なぜなら、僕もずっとそうだったから。
「普通」って言葉に嫌悪感を抱くのは、自然なことだと思う。
思い返してみると僕の場合は、18歳から24歳くらいまでは「普通」って言葉が大嫌いだった。「普通」になんてなりたくないし、「普通」なんてつまんなくて、「普通」なんてダサくてカッコ悪くて「普通」は人生諦めた人が選ぶことだと思ってた。
僕は「特別」だし、他の人とは違うし、みんなと一緒になんかされたくないし、普通なんて嫌だって思ってた。いや、思いすぎていて自覚出来ないレベルで毎日そう思ってた。
でも、これってたぶん「普通」って言葉が嫌なんじゃなくて「普通を強制されているように感じてること」が嫌なんだと思う。
例えば「結婚するのは普通だよ」って言われたら、未婚の人は腹が立つかもしれない。それは、この言葉の裏にある「結婚してないことは普通じゃない」を感じ取って、普通とは「異常なこと」で、お前は異常だよ!って言われてるような気がするからじゃないだろうか。
これは「働くのが普通だよ」「クリスマスって普通予定あるよね?」「普通大学行くよね」などなど、多くの言葉に通じるよね。
ちなみにナリは大学に行っていないが「普通大学行くよね」って言われたら昔なら腹立ってたけど、今は腹が立たない。
普通とは平均値のことである。
「結婚するのが普通」という言葉があったとして、感情的にこの「普通」という言葉を受け取る人は「未婚は異常。あなたは異常」と受け取ってしまうだろうが、普通ってのはただの平均値のことだと考えると、腹が立たない。むしろ普通が好きになると思う
おそらく、「普通=普通を強制している」と捉える人が、普通って言葉が嫌いなんだろう。この「普通の強制」に対して笑顔で「お前に強制される筋合いはない」と言える人は、普通って言葉はただの「平均値」として捉えることができるから、嫌いではなくなると思う。むしろ、平均値がわかることで自分の立ち位置が明確になるのだから、素晴らしいことだとすらナリは思う。
例えば今、日本人の結婚している割合は、30代で約6割らしい(総務省統計局「平成27年度国勢調査」より)。つまり、「結婚してるのが普通」っていうのはまぁ、大体は当たっているけど、30代前半の男女に関しては結婚・未婚でそこまで大差ないので正式には「結婚してるのがちょい普通。未婚もちょい普通」となる。
(結婚している率がちょっと高いだけ)。
ただ、生涯で結婚したかどうかは、「結婚するのが普通」は概ね正しいと思うよ。
そしてここで「結婚してない人は異常」って捉えてしまう人が、普通って言葉嫌いなんだよな、きっと。俺もそうだったし。
だけど、「普通=普通の強制」ではないんだな!ってことに気づいてからは、ほんとによく普通って言葉を使う。だって普通がわかるからこそ自分の才能がわかるし、普通がわかるからこそ自分はどういう生き方をしたいかがわかる。「普通」は道しるべみたいなものだと思う。
ただ、最後に注意点。例えば「同性愛者は普通じゃない」という言葉があったとして、普通=平均値という考え方をしたら正しいが。たぶん、こんなことを言う人は「自分が理解できないことを排除したいだけ」だと容易に想像がつくので、こーゆー使い方はNGだ。
他者に対して「普通」と言う言葉を使うと、まだまだ相手は「普通=普通の強制」だと誤解する人が多くいると思うし、日本は普通そうだから他人に対してはあまり使わない方が結局いいよね。と思ってます、普通に。
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