Ruru Ruriko「ピンク」29

日本でフェミニズムが広まらない理由

いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、フェミニズムについて。この言葉を聞いて「とっつきづらい!」と思った方、ぜひ読んでみてください。

●Ruru Ruriko「ピンク」29

大好きなワンピースで出掛けたいけれど

少しずつ初夏の陽気になり、早く夏にならないかな〜可愛いワンピース一枚で外に出かけたいな〜という先走る思いを抑えるために1人で夜中にフルメイクをして去年買ったワンピースを着てセルフィを撮ってみました。そろそろ寝なきゃいけないのに、1人でばっちりメイクをして鏡の前でファッションショーを開催したことがある人は実は沢山いるのではないでしょうか。

とっても可愛いこのワンピース、着るならノーブラが良いなあなんて思ったけれど、多分私はノーブラでこのワンピースを着ることはないし、どんなにオシャレをしてウキウキパーティーに出かけても、電車に乗ったらジロジロみられたり、男性に声をかけられて嫌な思いをするんだろうな、ということを既に知っています。

ピッタリした服や露出が少しでも多い洋服を着ていると性的な目で見られたり、時には性的な事を言われたり、体型についてコメントされる事だってあります。夜の帰り道は痴漢に遭いたくないから服装に気をつけながら歩いて、声をかけられてもむげな態度で男性を怒らせたりしたら怖いので何も言い返せなかったり。
そもそも自分自身で「私は太っているから」「胸が小さいから」とセーブをかけて、好きな格好が出来ない人もいるかもしれません。

こうしたことって、私たちにとって日常茶飯事ではないでしょうか。友達との間に出てきたりしませんか?こういった場面に遭遇したことはありませんか?

こんな世の中を変えたい、なんで私たちが気にしなきゃいけないんだ?と、女性のために立ち上がり声をあげる人々がフェミニストです。

フェミニズム、フェミニストってなんだか最近よく聞くけれどなかなか難しいという人も多いのではないでしょうか?私が実際にそうでした。
でも、日々こうしたささいなことについても議論している、ととらえると、身近に感じてもらえると思います。

フェミニストの定義

フェミニストについての定義は時代や個人によって考え方は様々です。たとえば女性の選挙権。フェミニストが立ち上がり歴史を変えた大きな出来事の一つです。
「女の子には教育はいらないので学校に行く必要はない。」「女性は政治に参加できません。」そんなことが当たり前だった過去を、現代の私たちは想像できません。

フェミニストは、若くして、経済的な理由などで親に無理やり嫁がされる「児童婚」や、家庭内DV問題、男女の賃金格差など何だか難しそうなことにも取り組んでいます。そう聞くと、つい自分たちには関係ないと思ってしまいますが、彼らが目指す、私が目指すフェミニズムは、自分が好きな格好しても誰からも嫌なことを言われたり、気にしたりする必要なのない世の中になって欲しい、女性だからと言ってバカにされるようなことがなくなってほしいという、私たちの日常レベルの問題が良くなっていくことです。

近年、世界でフェミニズムムーブメントが起こり、お隣の国韓国でもフェミニズムは盛り上がっています。ただ、その波は日本ではまださほど高まっていないように感じるのが正直なところです。なので今回は「フェミニズム」という何だかたまに聞くけど実際よく知らないし、わざわざ調べたり勉強するのは難しそう……という人も多いかと思い、私が考えるフェミニズムについてお話ししました。フェミニズムという単語は、学校で習う英単語にはないし何だか固いですよね。日本語だと『女性解放運動』と言いますが、何だかこれも固い……。

フェミニズムを身近に感じるために

欧米でフェミニズムが盛り上がる理由は、やはり芸能人でフェミニストを名乗る人が多いことがあると思います。例えばハリー・ポッター女優のエマ・ワトソンは国連の発表会でフェミニズムについてのスピーチをし、アメリカの歌姫ビヨンセはWho run the world? Girls!(この世界を回してるのは誰?女の子たち!)とパワフルに歌います。欧米では男女問わず個人の意見が求められる、そしてきちんと意見をできることが大人で、かっこいいこととされているのも日本と違いますね。以前ヨーロッパ人で日本に住む友人数名から、「日本人は政治とかフェミニズムについて聞いても『分からない』って答える人がほとんどだよね。私の国では詳しくなくてもとりあえず意見を言う」と言われました。日本は欧米と違ってディベート文化がないので知らなくても意見を言ったり、自分の考えがはっきりしないのに発言したりはしにくいのかなと感じます。

でも、もっと簡単に、「何で痴漢された私が我慢したり服装で怒られたりするんだろう」と自分に身近なことから考えてみて、日本でもフェミニズムを身近に考えられるようになれたらいいなあと思います。


エマ・ワトソン スピーチ https://youtu.be/jQbpLVI6DwE
ビヨンセ https://youtu.be/VBmMU_iwe6U

続きの記事<フェミニズムは誰のもの?~「情熱大陸」上野千鶴子さん出演によせて>はこちら

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。