意識、どんどん下げてこう。by ナリくん

【ナリ心理学ナリくん】正論は、正しいよ。正論なんだから。by ナリくん

月間400万PVのAmebaオフィシャルブロガー、公式line@のフォロワーは約28,000人。心理学や哲学について、笑いを交えながら教えてくれる「ナリ心理学」ナリくんのエッセイ&お悩み相談です。無理して「意識高い系」でいようとするより、今までとはちょっと違った見方、していきませんか。毎週木曜更新です。

●意識、どんどん下げてこう。by ナリくん26

正論は、正しい。だって正論だもの

先日、ツイッターで、ペットの犬(トイプードル)を虐待していると思われる動画が拡散されていて、それをたまたま観た。

結構、びっくりするくらいしっかりとした動物虐待だったのでその後、その事件について少し調べてしまった(部屋で首輪に付いてるリードをぶん回して、犬が空中で投げられて、壁にぶつかってる動画。探したら出てくると思います。観てくださいとは思いませんが)。

虐待していた主人さんは、「犬が人を噛んで、訴えられたら保健所で殺されてしまう。だから、噛まない犬にしてこの子を殺させないためのしつけだった」と言っているらしい。なるほど、そういう言い分なんだなーと受け止めたけど。たとえ、それが、しつけだったとしても、完全に虐待だったので。まぁ、普通にただの虐待だわな。法律には詳しくないが、犬は引き取られて、飼い主はそれなりに罰せられて終わるのだろう。

ペットの虐待事件自体は、かわいそうだし、できるだけなくなってほしいなと思うだけで僕の中で終わったのですが、それより今日話したいのは、そのペットを虐待している人に対しての、ツイッターの反応です。

基本的に皆さん、「虐待なんか許せん」「犬を飼う資格なんかない」「虐待してはないけない」的なコメントをたくさんしていて。それには僕も100%同意なんだけど……。同意なんだけど、同意である上で今日、話したいことがあります。

たぶん、正論ってみんなわかってるんだよね

わかってる。飼い主さんも含めて。だからこそ言い訳してるわけだしね。「これは、虐待ではなくしつけです」って言うのは、虐待してはいけないとわかっているからこそ出る発言であって、わかっていなかったら「え?虐待ですよ!え?虐待しちゃダメなんですか?えーー教えてー知らなかったー」ってなるはずなんです。

動物虐待もですし、子供への虐待もそうだと思うんですが、たぶん、してる側の人たちは虐待をしてはいけないって知ってるんだと思います。ただ、止められないのです。やめなさい!って言ってやめられるんだったら、そんな簡単な話ないですよね。

動物虐待はしてはいけません「はーい!」 翌年から、日本の動物虐待は0件になりました。
児童虐待はしてはいけません「はーい」 翌年から、日本の児童虐待は0件になりました。

とはやっぱりならなくて、大切なのは正論で「それをしてはいけません!」と言うことではなく、「なぜわかっていてもしてしまうのか?」という原因を考えてあげることなのだと思います。

正論を言いたくなりますよね。そして、時には正論も大事だと思います。タバコのポイ捨てをしてる人がいたら、「ポイ捨てしてはダメですよ」と伝えることは直接ポイ捨てする人が減るでしょうし、ポイ捨てする人も「え?タバコって道端に捨てちゃダメなの?知らなかった!」ってことが仮にあるかもしれません。

「わかってる」の、その先は?

僕、お酒飲んだ帰りに帰るときに、渋谷駅で両側から乗れるホームで「うわ!ラッキーみんな反対に並んでるよ!こっち誰もいない!こっちで待ってよ!」と思って待って、ドアが開いたので乗り込んだら、駅員さんに「そっちから乗っちゃダメです!みんなこっち並んでるんですから!」って怒られて、素直にものすごく謝りました。

普通わかるだろ!と言われたら普通わかるのですが、上京したてでお酒飲んだ帰りで、わからなかったのです。お恥ずかしい限りです。

ただ、動物虐待や、児童虐待に関しては知らなかった、酔っ払ってたってのはないでしょう。やっちゃダメなことはわかってる、でもやってしまう。正論でやめろと言われても、やめられないのです。

大切なのは、なぜその人が「正論を受け取れないのか」を考えてみることだと思います。

正論は正しいです。ただ、正論を受け取れないくらい、心が弱っているときが人間にはあるのです(だからって虐待していいなんていうことはないよ)。
なぜ、この人は正論を受け取れないのだろう?と考えてみることが大事なんだと、強く思います。

以上、正論でした。

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月間400万PVのブログを運営する株式会社ナリ心理学を主宰。Amebaオフィシャルブロガー。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。