岩田剛典

岩田剛典さん、“葛藤の鎧”はがれて自由に 「挑戦していられるのは幸せなこと」

俳優デビューから10年以上を経て、活躍の幅を広げる岩田剛典さん。ドラマ『フォレスト』(ABCテレビ・テレビ朝日系)では比嘉愛未さんとのダブル主演を務めるほか、EXILE/三代目 J SOUL BROTHERSのメンバーとしても活躍中です。仕事へのモチベーションや、経験を積んで見えて来た思いについて語ってくれました。
岩田剛典さん「見返りを求めないのが“本当の愛”」 ドラマ『フォレスト』に主演 【画像】岩田剛典さんの撮り下ろし写真

自分に正直でいたい

――『フォレスト』で恋人役を演じる比嘉愛未さんは、岩田さんの「仕事に対する情熱的な部分を垣間見られた」とコメントしています。俳優とダンサー、両方の道を歩む岩田さんにとって、仕事に情熱を注ぐ上で、モチベーションになるものは?

岩田: やはり芸能の世界は奥が深いということに尽きるのかな。それに、自分自身、負けず嫌いで諦めの悪い性格が、良い方向に作用しているのかもしれないですね。

上を目指したい気持ちは常に持っているし、現状に甘んじて、停滞したままでいるのは、本当に寂しいこと。僕は自分自身に飽きてしまいがちなので、挑戦していられるのは、とても幸せなことのように感じます。

岩田剛典

――昨年は映像作品の撮影と並行して、所属する三代目 J SOUL BROTHERSでの新アルバム発売、ドームツアーもありました。ステージでも非常に多くの人から注目を浴びる中、ご自身の心を保つためにどんなことを大切にしていますか?

岩田: 自分に正直でいることですね。僕は本来、自由であることが好き。でも、表舞台に出る人間として、例えば、話す時は、いつも最低限のエチケットを守らないといけない……それすらも、ちょっぴりストレスに感じる時があります(笑)。正直さをなるべく心がけるようにはしているけれど、気を張ることで、かえってメンタルが疲れてしまうこともあります。

――そんな時は、気持ちをどのように切り替えていますか?

岩田: もう全然、芸能界と関係ない、昔ながらの友人と会ったり、一緒にご飯を食べたりすることです。会うだけでも元気が出ますね。仕事とプライベートは、本当にパキッと分けるようにしています。

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「天然」もポジティブに捉えて

――『フォレスト』では、恋人同士の嘘の積み重ねから、人間の隠された一面が表面化していきます。岩田さんご自身は、周りに心を開く方ですか? それとも、本心を見せない方ですか?

岩田: 誰に対しても結構オープンだし、ファンの方たちに対しても同じですね。その方が自分自身にとって楽だからかもしれません。

でも、自分では気付かなかった一面もあって。僕は、物事に集中していると、やらなければならないこと以外のことがどうでもよくなって抜けてしまうところがあるらしく、グループのメンバーに、「天然」と言われることが多いんです。自分が気に留めていないことへの興味のなさについても、よく指摘されます。

でも、「天然」だって、周りの人たちに失礼がなく、不快な気分にさせることがなければ、直す必要もないかなって……。逆に、笑い話のひとつにしてくれれば、楽しい雰囲気にもなるし、「そういうキャラがいてもいいんじゃない? 盛り上がっていただいてありがとうございます」ぐらいに、自分ではポジティブに捉えています。

思いは口に出して言うことが大事

――近作のドラマ『あなたがしてくれなくても』(2023・フジ系)、NHK連続テレビ小説『虎に翼』(2024)などでは、悩みや憂いがにじみ出るような表現をされていたのが印象的でした。これまでのご自身もキャリアや人生で葛藤を抱えたり、乗り越えたりした経験がありましたら教えてください。

岩田: 仕事では本当に葛藤だらけの日々を過ごしてきました。アーティスト活動では、グループの一員であるがゆえに、すべてが自分次第というわけにもいかず、難しさを感じたこともありました。それは、ある組織の中で生きる人間ならば、誰もが思うようなことなのかもしれません。

でも、キャリアを重ねるにしたがって、ちょっとずつ“葛藤の鎧”みたいなものがはがれ、自由になってきている感覚があります。

岩田剛典

――telling,の読者世代は、結婚や出産、キャリアなどに悩んだり、自分らしい生き方の選択に迷ったりしがちで、なかなか一歩を踏み出せない女性もいます。岩田さんからのアドバイスがあれば、ぜひお願いします。

岩田: 人生は一回きりなので、自分がやってみたいことに挑戦した方がいいですし、思ったことはきちんと口に出して言うことが大事です。前に踏み出すことに億劫になる時間は無駄だと思うし、自分の気持ちを表に出さないと、相手に本心がうまく伝わらないこともありますから。

「運命の人」にはまだ出会っていない?

――岩田さんは今年3月に36歳になります。キャリアアップや結婚などライフステージの変化を身近に聞く年齢でもありますが、30代後半に向けて、思い描く生き方はありますか?

岩田: 今のところ、30代は仕事に捧げようと思っています。自分の体力が充実していて、スキルもそれに追い付いてきているという、一番油が乗りかけている時期だし、プライベートに引っ張られたくないという気持ちが強いんです。

岩田剛典

結婚は「ご縁」だと思うし、どうしても今は、仕事の方がプライベートより勝っちゃう。この先、自分の中で折り合いを付けないといけない時期が来るのか。はたまた、運命の人にまだ出会っていないだけなのか……その方が、どことなくロマンチックかもしれないですね(笑)。

メイク:下川真矢/BERYL
衣装協力:marka、MARKAWARE / PARKING

岩田剛典さん「見返りを求めないのが“本当の愛”」 ドラマ『フォレスト』に主演 【画像】岩田剛典さんの撮り下ろし写真

●岩田剛典(いわた・たかのり)さんのプロフィール

1989年生まれ、愛知県出身。2010年三代目 J SOUL BROTHERSでデビュー。現在はEXILEと兼任し、ソロとしても活動の幅を広げる。2013年俳優活動を開始。近年の主な出演作は、ドラマ『あなたがしてくれなくても』、『虎に翼』、『アンチヒーロー』、映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』など。

■ドラマ『フォレスト』

脚本:山岡潤平
原案:龍居由佳里
出演:比嘉愛未、岩田剛典、ファーストサマーウイカ、中川大輔、水野美紀、堀部圭亮、松田美由紀ほか
2025年1月12日スタート 毎週日曜よる10時15分
ABCテレビ・テレビ朝日系にて
©︎ABCテレビ

神奈川県出身。早稲田大学商学部卒業。新聞社のウェブを中心に編集、ライター、デザイン、ディレクションを経験。学生時代にマーケティングを学び、小学校の教員免許と保育士の資格を持つ。音楽ライブ、銭湯、サードプレイスに興味がある、悩み多き行動派。
1989年生まれ。写真の専門学校卒業後、出版社写真部に所属。現在はフリーランスとして活動。