ゆうこすさんらインフルエンサーたちが語る、キャッシュレス社会の未来って?
キャッシュレス派か、現金派か。向き合い方は「三者三様」
トークセッションの司会進行は池澤あやかさん。フリーのエンジニアの顔も持つだけにかなりのキャッシュレス派で、お財布は超コンパクトだそうです。普段から利用しているというスマホ決済のメリットについて、「スマホで支払いを済ませれば自動的に記録が残るので、確定申告アプリと連携して帳簿も簡単に作成できるのが便利です」と、フリーランサーならではの視点で語りました。
SNSなどでの発信が若い年代に支持されているゆうこすさんもキャッシュレス派で、現金をほとんど使わないのだとか。24歳のゆうこすさんの周りでは、スマホ決済で買い物したり、飲食店での支払いの際にスマホ決済の機能を使って割り勘をしたりと、当たり前のようにキャッシュレス化している友人が多いそうです。若い世代ほど、新しい文化に抵抗がないのかもしれません。
一方、キャッシュレス社会の調査のために世界を飛び回っているという原田曜平さんは、意外にもコテコテの現金派。決済アプリはおろか、クレジットカードすらほとんど使っていないとのことでした。「考えられない!」と驚くゆうこすさんに「上野の焼き鳥屋さんとか、使えないところ多いですよ!」と原田さん。日本でのスマホ決済の普及状況について、こんな見方を示しました。
「僕はスマホ決済の便利さを誰よりも知っていると思うので、日本で使えるお店がもっと増えたら、すぐに切り替えたいと思っています。でも、現状はまだキャッシュレス決済も過渡期。決済アプリが乱立していて、店頭に行って初めてどのアプリが使えるかがわかるじゃないですか。だから、もう少し便利になってから始めようかなと思っています」
キャッシュレス社会への不安や疑問を語ろう
セッションではこの後、「キャッシュレス社会」について一般の人々からツイッターのハッシュタグで寄せられた質問に3人が答えていきました。以下、その一部を紹介します。
〈スマホ決済サービスが導入されてほしい分野はどこですか? 〉
ゆうこすさん(以下、ゆうこす): 病院ですね!お薬手帳はアプリにかわりつつあるのに、どうしてお会計はアプリでできないんだろうって思います。あとは、百貨店。この前コスメを買った時、店員さんが「お会計行って参りますね」と言ってクレジットカードを持っていったまま30分間戻ってこなくて!こんなことがあるから、時間がないときはお店で商品を見てもネット通販で買っちゃったりします。
原田さん(以下、原田): セルフレジを導入している中国のフーマー・フレッシュ(盒馬鮮生)というスーパーマーケットでは、レジが1カ所ではなくいたるところに設置されていて、その場で会計ができるようになっています。ユーザー目線でレジを設置するとか、日本はそういう点がまだ弱いかもしれないですね。
これからはこう活用する!強みも弱みもあるキャッシュレス
〈キャッシュレス化のメリット、デメリットは?〉
池澤さん(以下、池澤): クレジットカードの設備を入れるのはお金がかかるけれど、スマホに表示されるQRコードを使った支払いだと機材がいらないので、お店側の負担が少ない。地方などでも導入しやすいという利点があると思います。ユーザー側としては、1円単位で簡単に割り勘できるのは便利ですね。
ゆうこす: この前みんなで脱出ゲームに行って、スマホ決済で割り勘しました。私が使っているサービスはキャッシュカードとの連携も簡単でわかりやすい。少し前までクレジットカードを持っていなかったんですが、スマホ決済を使えばネットでもお買い物ができるので便利です。
原田: 10代の子はまだ自分のクレジットカードがつくれないから、親御さんにネット注文を頼んだりしていますよね。そういう意味でも、若い人のほうがニーズはあるかもしれないですね。
池澤: 現在のデメリットはやはり、決済アプリが乱立しすぎていて、どこでどのアプリが使えるのかわからないという問題ですかね。
原田: アメリカではいま、キャッシュレス化が進むことで銀行口座や貯金を持っていない人への差別につながるのではないかという議論がさかんです。日本でもキャッシュレス社会について、もっと議論していく必要があると思います。
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世代も職業も異なるインフルエンサーの3人の中でも、それぞれが描く「キャッシュレス社会」のイメージは様々でした。それもそのはず、キャッシュレス時代はまだ幕を開けたばかり。この新技術をどう社会に取り入れ、活かしていくのか。これからもっともっと、議論を深めていく必要がありそうです。