「ラブ トランジット」シーズン2・エリカさん、新しい恋をするはずが……気づいてしまった元カレへの想い【ネタバレあり】
無邪気なカレーパンに癒やされて
――まず、Xとの出会いを聞かせてください。
エリカさん(以下、エリカ): 私がアパレルショップでバイトしていたとき、新卒の社員として入ってきたのがXでした。Xは私の5歳下ですが、立場的には上司。最初は名字にさん付けで呼び合う仲でした。経験値は私の方が高いので、私が引っ張ることが多かったけれど、意外と彼の方がしっかりしているところもあって。「天然のかわいい年下新卒君」と思っていた彼の頼れる一面を見て、そのギャップに惹かれていきました。
ちょうどその時、私は背伸びする恋愛をしていて、疲れ果てていました。プライベートで傷ついて、ため息をつきながら職場へ行くと、彼がいて、話すと面白いし、ちょっと癖があって一緒にいたら楽しい。癒やされていたんだと思います。
ある日、仕事がすごく忙しくてろくに休憩も取れなかった時、彼がコンビニの店舗で作っているカレーパンを買ってきて、「これ、最近僕がハマってるめっちゃおいしいカレーパンなんです。よかったら食べてください!」ってニコニコした顔で持ってきてくれて。それが、なんかもう沁みて沁みて……。私は背伸びをする恋愛よりも、こういう当たり前の幸せを一緒に味わえる人と恋愛したほうが、幸せになれるんじゃないかなって。それから異性として意識するようになり、付き合うことになりました。
――今回、「ラブ トランジット」にXを誘ったのはなぜですか。
エリカ: ケンカ別れしたあとも、彼と私の行動範囲が同じで、しょっちゅう彼の情報が入ってくるんです。友達のSNSには当然のように彼が登場するし、共通の友人も多くて、職場も私が紹介したところに転職したので仕事ぶりまで見えちゃって、離れるに離れられない、という感じでした。
ちょっと無鉄砲なところがある彼が、夜遊びなどに頻繁に誘われているのを見ると、つい口出ししたくなってしまうんです。新しくいい人が現れても、どうしてもXのことも気がかりで、一度しっかり向き合わないと、私も前に進めないと思いました。
すでに番組をご覧になった方はわかると思うのですが、Xって人と向き合うのが苦手なんです。付き合っているときも、行き違いがあったとき、私は「こうで、こうだから、こうでしょ」と丁寧にかみ砕いてLINEを送るのですが、Xからは「別れよう」と一言。こういう機会でもなければ、向き合ってもらえないと思いました。彼は嫌がるかなと思ったのですが、意外と「いいよ」と乗ってくれて。彼の中でも、このままではいけないと思ってくれていたのかな。
新しい出会いの中で気づいた本音
――新しい恋を望む人は白いチューリップ、復縁を望む人は紫のチューリップで表すなか、エリカさんのチューリップは最初、白でしたよね。途中から、Xと復縁したいという思いに変わったのはなぜだったんですか。
エリカ: 初め、復縁と新しい恋はフィフティ・フィフティくらいの気持ちで臨んでいました。Xと向き合いたいという気持ちと、素敵な方がいたらその人のこともちゃんと見ていきたいなという気持ちと、どちらもあったんです。
そして、いいなって思える男性がいたので、デートも行きました。でも、その方と話すうちに、その方のXとの恋愛がすごく素敵だなって思ったんです。その方が話されるXとの思い出が愛情にあふれていて。その方を素敵だなって思えば思うほど、自分の中で、なんで私とXはダメだったんだろう。私に足りなかったことはこういうことだったのかな?っていう感情が湧いてきて。
そう思ったときに、私がXと「向き合いたい」と思っているのは、決着をつけたいからだと思っていたけど、そうじゃなくて、できてしまった溝をもう一度埋めたい、本当の本当は恋人だった頃の二人に戻りたかったんだな、と気づきました。
年下彼氏の「お母さん」になってしまった
――新しい男性とデートする中で気づいた、自分に「足りなかったこと」とは。
エリカ: その方はXと長くお付き合いされていたそうで、最初の頃はちょっとしたことでやきもちや心配をして、揉めたそうなんです。でもお二人はそのたびにお互いちゃんと向き合って話し合いもして、価値観のずれを埋めていったんですって。それまでは結構、遊び好きだったそうなのですが、「ある時から、恋人を悲しませたくないっていうふうに考えが変わって、うまくいくようになったんだ」とお話されていて。
特殊なのが、この「ラブ トランジット」では、その彼だけじゃなく、彼の元恋人とも一緒に共同生活を送って、知り合うことができるということ。その女性が、お話ししていてもすごく愛情が深くて、包み込むような愛を持った女性だったんです。そういう彼女だったから、この彼も彼女の大切さに気付けたんだろうなって感じて。
私はどちらかというと、年齢差があったこともあって、「なんでそうなるの!」「そうじゃないじゃん!」と、彼を自分の思う正しいほうへ導こうとしてしまいました。私からすれば、彼がこの先悲しまないように、間違えないように、将来後悔しないように、と思って伝えているつもりなんですけど、彼からしたらもう「うるさい。めんどくさい」って。
今思えば、お母さんみたいになっちゃってました。彼も彼で、そんなうるさいこと言う彼女より、一緒にいて楽な友達とか、自分を応援してくれる女の子のほうがいいってなっちゃって……。
どこから間違えてしまったんだろう……と、ホカンス中ずっと考えていました。
(後編へ続く)