Sponsored by 朝日新聞社(こども家庭庁補助事業)
Sponsored

「今がとっても幸せ」 スザンヌさんが語る、シングルマザーライフ

タレントのスザンヌさんは、2015年に離婚してシングルマザーになりました。離婚を決めるまでは、小さな子どもを抱えて生活していけるのか不安が尽きなかったそうですが、今は子どもとも良い関係を築きながら、大学生活に会社経営にと、充実した毎日を送っています。ときには周囲のサポートも受けつつ、自分が選んだ道を前へ前へと進み続けるスザンヌさんに、お話を聞きました。

離婚して子どもと二人、どうやって暮らしていくか不安に 

――離婚を決めたとき、何が一番不安でしたか?

仕事と、住む場所ですね。子どもと二人、どうやって暮らしていこうかなっていうのが一番不安でした。でもそれは離婚を決めるまでのことで、決めてからはむしろ気持ちが前向きになって、いざとなったら芸能以外の仕事もできるようにと、ヨガインストラクターの資格も取りました。 

私の場合、離婚してからよりも、離婚する前の方が精神的にはつらかったです。当時はまだ子どもを産んだばかりだったから、子育てをしながらどうやって仕事をしていこうとか、他の人はできているのにどうして私は結婚生活を上手くできなかったんだろうとか、離婚を発表するまでの半年くらいは、一人悶々としていました。その頃の写真を見ると、産後の疲れと離婚が重なってげっそりしていて、やっぱりあの頃は大変だったなぁって思います。

離婚後、生活はどのように変わったのでしょうか。

結婚してからは福岡で暮らしていたんですけど、離婚を機に仕事のことを考えて東京に住むか、それとも自分の生まれ育った熊本に戻るか、少し悩みました。でも、私の中で東京での子育ては想像できなくて……。 

それで、所属事務所の方に、芸能の仕事をなるべく続けつつ、熊本に住みたいと相談してみたら、「一回やってみよう」と言ってもらえたので、熊本で家を探すことになりました。

実家のご家族の反応は。

家族に話したのは、離婚発表の2カ月前です。離婚しそうなこと、熊本に住もうと思っていることを伝えたところ、「好きにしたらいいんじゃない?」と軽い感じで受け止めてくれて、「自分で選択をしていいんだ」と背中を押してもらったような感じがしました。

自分のがんばる姿を子どもに見せたい

――ひとり親になると、経済的な不安を抱える人も少なくありません。

そうですよね。私がインストラクターの資格を取ったのも、資格があれば熊本でもヨガ教室の先生ができそうだなと考えてのことでした。東京での芸能活動もできれば続けていきたいけれど、親とか、頼れる人がいない中での子育ては、私がいっぱいいっぱいになってしまう気がしたんです。

だったら、地元で仕事は選ばずにやってみようと思いました。私と同じ年の頃に離婚して、女手一つで私と妹を育ててくれた母の姿を見ていたのもあって、どんな仕事でも慣れればなんとかなるかなって。

離婚して、挑戦してみようという一歩を踏み出しやすいタイミングだったのかもしれません。仕事も住まいも、子ども最優先で考えて今後どうするかを決めていきました。子どもが生まれるまでは優先順位の一番は自分だったのに、子どもが一番になるなんて自分でも不思議でしたが、親になるってこういうことなんですね。

――スザンヌさんは2021年に高校に再入学しました。

17歳の頃に中退した高校に再入学したきっかけは、コロナ禍と、子どもからのひと言でした。子どもが小学校に入学した頃は、ちょうどコロナが大変な時期で、自宅学習の時間が増えたんです。

勉強の仕方も宿題のやり方もわからないというから私なりに教えてはみたものの、「でもママは勉強してないじゃん!」って言われて、「確かに……」と。「なんで宿題をしなきゃいけないの?」と聞かれても、明確な答えは見つけられませんでした。 

たまたまそのタイミングで、中退した高校の先生から「コロナ禍だからオンライン授業もできるよ」と再入学のお話をいただいて、それなら子育てや仕事とも両立できるかもと、子どもとも相談して34歳で高校生になることに。

子どもも私もオンライン授業だったので、一緒に勉強しました。夏休みの宿題を、どちらが早く終わるか競い合ってやったのは、今でも子どもとよく話すいい思い出です。

――高校卒業後、大学へ。勉強の時間を確保するのは大変ではないですか?

毎朝440分に起きて、一時間半くらい勉強しています。高校を卒業するだけでも大変だったので、大学なんて絶対無理と思ったんですけど、せっかく勉強をする習慣がついたからやってみようかなって。

大学では、ビジネスの勉強をしています。ずっと子どもと二人三脚でやってきたけれど、子どもも春には小学五年生。そろそろお友達と遊ぶ方が楽しくなってきて、親からは離れていくタイミングです。私もちゃんと子離れをして、子どもの自立をサポートしてあげたいから、私は私で一生懸命勉強をして、仕事以外の新しいことにチャレンジしています。

「お母さんもがんばるから、安心してあなたもがんばりなさい」と言えるような基盤づくりを今している感じです。昨年、在学中に起業した会社をうまく軌道に乗せていくのも、私の第二の人生の役割かなと思っています。

子どもの成長に感じる うれしさと、ほんの少しの寂しさ

――お子さんとの関係は、今どんな感じですか?

自転車に乗るようになってからは、行動範囲やテリトリーが広がっていくのを楽しんでいる様子なので、心配しつつも見守っています。でも方向音痴だから迷子になることもあって、そのときは一応叱りはしますが、心の中では「成長しているな」と思っています。

息子は本当に寝ない子で、4歳くらいまでずっと夜泣きをしていたんですよ。毎晩一時間半ごとに起きてしまって、それこそ赤ちゃんの頃はミルクをあげていましたが、4歳はもうミルクでもないし、どうしたらいいのかわからない。とにかく一回起こして、背中をトントンしていました。あの頃が一番、子育てに向き合っていた感じがありますね。一人で何人分やったかなっていうくらい。

そのときに比べたら楽すぎて、今はこのまま手が離れていくのがちょっと寂しいです。 

――お子さんと父親の関係について、もし差し支えなければ聞かせてください。 

10歳の誕生日に携帯電話がほしいとお願いされて、約束事と引き換えにプレゼントしました。その中にパパの連絡先も入っているので、ときどきやりとりをしているみたいです。

私と子どもの関係と、子どもとパパの関係は、全くの別物。だから、息子の好きなときにパパに連絡していいし、会いたかったら会う約束をしていいと、私は思っています。自分のしたいことを自分の意思でできるようになってきているのも、子どもの成長を感じられてうれしいです。

――この先、どんな親子関係を築いていきたいですか?

子どもの自立をちゃんとサポートできるお母さんでありたいですね。これから思春期、反抗期と、育児のセカンドステージ、サードステージに入っていく緊張感にドキドキしているんですけど、どんなときでも常に心は寄り添って、子どもにとって心のよりどころになるような、温かい場所を作っておきたいというのが私の願いです。

まわりのサポートも受けながら笑顔で過ごすをいちばんに

――スザンヌさんは、周りの人から子育てのサポートは受けましたか?

仕事で東京に行くときは母に子どもを預かってもらいましたし、母が無理なときは、血のつながりはないけど息子を初孫のようにかわいがってくれる近所のご家族の家に二泊くらいさせてもらったこともあります。朝、山に散歩に連れていってくださったり、土鍋で炊いたごはんを食べさせてくださったりと、いい経験をたくさんさせていただきました。

子どもが私以外の人と関係性を築いているのを見るのも、私以外の人から愛されている姿を見るのも、とてもうれしかったです。ママ友もそうですけど、本当にいろんな人に助けられました。

――頼れる方がたくさんいたんですね。

そうですね。そうは言っても、離婚したばかりの頃は、子どもに対してかわいそうなことをしてしまったという申し訳なさから、誰も頼れないと思っていた時期もありました。

だんだん時間が経って、「いや、離婚はしたけどこれは誰も悪くなくて、お互い幸せになるために選んだ道なんだから、何も恥じることはない」と思えてからですね。サポートしてくれる人がいるならありがたく受け入れようっていう風に変わったのは。

――困っていても、なかなか自分からは助けを求められない気持ち、わかります。

そうなんですよ~。全然、頼ってよかったのにね。だって、困っている人がいたら「何か手伝えることがあったら言ってね!」って私もよく声をかけますけど、それって本心から言ってるじゃないですか。それなのに、自分がサポートしてもらう側だと、申し訳なく思ってしまう……。ママ友だとまだ持ちつ持たれつの意識があるけれど、それ以外の人だと一方的にしてもらうばっかりで心苦しいんですよね。本当はそんなこと、思わなくていいのに。

一人で抱え込んでワーッてなるくらいなら、一回頼ってみた方が絶対いいです。すっっっごく、楽になります。

――ひとり親で不安を抱えている方に向けて、メッセージをお願いします。

ひとり親になったばかりだと、特に不安ですよね。最初は、どうしたらいいのかなとか、これでよかったのかなとかいろんな悩みがあると思うんですけど、でも子どものことを思って決めたことだし、幸せになりたいと思って選んだ道に間違いはないので、その選択に自信を持って突き進んでいってほしいなと思います。

お住まいの自治体のひとり親サポートを利用するのもいいですね。私も、いろいろと相談に乗ってもらいましたが、誰かに気にかけてもらえたり、「大丈夫ですよ」と笑顔で言ってもらえたりするとホッとします。 

周りの人は、みなさんが思っているよりもずっとずっと手助けしたいと思ってくれています。大変なときは遠慮なくいろんな人を頼って、自分の心の健康を一番に、お子さんと幸せな道を進んでください。私も、応援しています!

<プロフィール>
スザンヌ
1986年、熊本県生まれ。2008年、同県宣伝部長に就任。テレビ番組をきっかけにブレーク。15年、故郷である熊本県に息子とともに移住。21年、中退していた母校・第一薬科大学付属高校の通信課程に入学、翌年、卒業。同年、日本経済大学に進学。23年、株式会社yamaを設立し、ファッションブランド「Style Reborn」を立ち上げた。