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必要なのは“知る”こと。ショッピングからはじめる「サステナブル」

#わたしと未来のつなぎ方オンラインイベント「見つけた!私の新しい『選び方』ショッピングからはじめる私のサステナブル」が2022年2月19日(土)に開催されました。エシカルファッションプランナー・鎌田安里紗さん、FOOD&COMPANY代表・白冰さん、FOOD&COMPANYファウンダー/共同代表・谷田部摩耶さん、株式会社ウカ代表取締役CEO・渡邉弘幸さんをゲストに迎え、telling,編集部の奥令部員と共に、ショッピングと「サステナブル」について考えました。

一般的なキーワードになりつつある「サステナブル」

FOOD&COMPANYファウンダー/共同代表・谷田部摩耶さん

現在、マスメディアで聞かない日はないくらい「サステナブル」が一般的なキーワードになりつつあります。しかし、サステナブルな行動と言われても身近な課題に結びつけることが難しく、わかりづらい一面があるという意見も聞きます。

「本日のテーマであるショッピングとサステナブルの両立は、我々も創業時から模索し続けています。さまざまなジャンルで活躍する登壇者の方々、イベント視聴者のみなさんと意見を共有できる機会をいただきありがとうございます」と話すのは、FOOD&COMPANYファウンダー/共同代表の谷田部摩耶さん。

今回のイベントは第1部「オンラインで完結する時代なのに、買い物に出かける価値って?」、第2部「ブランド体験する価値 商品の裏側を知ること」、第3部「わたしと未来のつなぎ方」の構成で、ショッピングとサステナブルをテーマに5名の登壇者が意見を交わしました。

コロナの心配がなければ、買い物に出かけたいですか?

オンラインで何でも買える時代になりましたが、買い物に出かけ、実際に商品を見て、手に取ることでしか得られない情報があることも事実。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、気軽に外出することが難しくなってしまいました。

イベントの視聴者に「コロナの心配がなければ、買い物に出かけたいですか?」とアンケート調査を行ったところ、「積極的に買い物に出かけたい」または「今よりは買い物に出かけたい」と答えた人がほとんどという結果に。「今のままでも問題ない」と答えた人は11%でした。

多くの人がコロナの心配がなければ買い物に出かけたいと思っているようです。登壇者に買い物に出かけてみてよかったと思う点を聞いてみました。

エシカルファッションプランナーの鎌田安里紗さん

エシカルファッションプランナーの鎌田安里紗さんは、昨年の秋、ブーツを買いに出かけたときのエピソードを紹介してくれました。

「ブーツは長く使うものなので、今まで本革のものを買っていたのですが、最近は環境への配慮や動物福祉の観点から本革を代替する素材も出てきています。そんな選択肢を試してみたくて、リンゴジュースの搾りカスから作られるレザー調の素材のブーツを買って、店員さんにケアの方法を聞き、そこで植物由来のクリーナーがあることを知りました。そういう発見や学びは、お店で買い物をしたからこそ得られるものです」

FOOD&COMPANY代表の白冰さん

FOOD&COMPANY代表の白冰さんからは、「僕はレストランに行ったとき、シェフにオススメされたメニューを頼むのが好きなんです。オンラインでの買い物は、自分の好みの商品を買うことがほとんどですよね。お店に行くと自分では選ばないものを購入するし、予想外の発見がある。シェフにオススメされたメニューを頼むことで、今まで知らなかったオーガニックの食材や調理方法を知ることがあります」というエピソードも。

telling,編集部の奥さんは読者との交流で、「これまでの買い物は商品の魅力を紹介する接客が主流でしたが、最近は職人が1点ずつ手作りをしている、厳選した素材だから長く使うことができるといった、商品の背景を紹介する接客を受けることが増えている」といった意見をいただくそうです。

telling,編集部の奥さん

店頭での買い物は情報トレードの役割もある

これらはオンラインの買い物では消費者から見えない部分、商品がどうやって作られたのか、その背景を紹介することが店頭での接客において重要視されているエピソードです。

商業施設に出店しているFOOD&COMPANYの谷田部さんに、接客する際に気をつけている点を聞いてみましょう。

「私たちは店頭での接客を通じて、商品の背景にある生産の物語や作り手の方々の想いを伝えるようにしています。お店に行って目に入る情報は、主に価格や産地など。その裏側には生産における課題や苦労があるので、“何”の部分だけでなく、“なぜ”の部分をお伝えすることでお客様も商品を買うときにさまざまな角度から興味を持ってくれます。このさまざまな角度がサステナブルな消費のあり方につながっていくのかなと」

株式会社ウカ代表取締役CEOの渡邉弘幸さん

同じく接客をする側でもある株式会社ウカ代表取締役CEOの渡邉弘幸さんは、「我々が考えている以上に、お客様は商品の情報に詳しい。接客の場は商品の魅力を伝える場だけでなく、お客様の疑問や要望から気づきを得られる場でもあります。店頭での買い物は、情報のトレードのような役割も果たしていますね」と店頭での接客の重要性を解説してくれました。

店頭でのコミュニケーションは企業と顧客、双方にメリットがある

エシカルファッションプランナーの鎌田安里紗さんは、以前SHIBUYA109の販売員として、6年間店頭で接客をしていました。店頭で聞いたお客様の要望を会社にフィードバックすることで、商品開発に生かした事例があったそう。

店頭スタッフに要望を伝えることに躊躇するお客様もいたそうですが、鎌田さんは「自分の好きなブランドをより良くするために要望を伝えることは、企業と顧客、双方にメリットがある」と話します。

あるセレクトショップでは、サステナブルに関心を持つお客様が増えたことでさまざまな取り組みを行い、洋服を作るときに排出される二酸化炭素の量を計測するといった企業努力をしているそうです。その取り組みを販売スタッフが説明することができれば、よりサステナブルに関心を持つお客様が増えるのではないでしょうか。

FOOD&COMPANYでは旬の食材を取り扱っているため、例えば一般的なスーパーマーケットであれば通年扱っているレモンのような商品も、取り扱いがない時期があるそうです。お客様からレモンがない理由を聞かれなければ事情を伝えられず「使い勝手の悪いお店だな」との印象だけで終わってしまうかもしれません。しかし、そこにはお店側の強い意思や意図が隠されている場合もあります。そのため「積極的に質問いただくことでお互いをより理解し合える」と谷田部さんは言います。

これらの事例から、企業も接客においてサステナブルを意識している、サステナブルな話題を提供するよう努力していることがわかりました。

サステナブルな行動は難しいと思いますか?

次のアンケート調査は、「サステナブルな行動は難しいなと思いますか?」。「難しいと思う」が37%、「どちらでもない」が22%、「既に行動している」が33%と、自分なりにサステナブルを意識している人が多いことがわかりました。

第2部のテーマは、「ブランド体験する価値 商品の裏側を知ること」。アンケート結果から、サステナブルを意識している人が増えていることがわかりましたが、具体的に何をすればいいのかわからないと思っている人もいるでしょう。

普段買い物をする側であるイベント視聴者にサステナブルな話題をもっと知ってもらうため、FOOD&COMPANYとウカがそれぞれ実施している店頭やWEBでのサステナブルな体験について深掘りしていきます。

「FOOD&COMPANYは、オーガニックの食品やこだわりを持つ生産者さんの食料品を取り扱っていますから、ある意味、弊社で買い物をすることがサステナブルな取り組みにつながります」と話すのは白冰さん。

昨年あたりから持続可能な開発目標を意味する言葉「SDGs(エスディージーズ)」がよく聞かれるようになりましたが、サステナブルな取り組みを行うだけでなく、企業のビジネスそのものがサステナブルに直結することが、理想だと考えているそうです。

ウカが運営するトータルビューティーサロンでは軟水器を使用しており、軟水でシャンプーをすることでダメージを減らし、髪の毛のキューティクルが剥がれにくくなるそうです。さらに、シャワーヘッドを穴の細かい節水タイプものに変更。結果、汚れが落ちやすく、使用する水の量を半分まで減らすことに成功し、環境への配慮につながっているのだとか。

「シャンプーに含まれている界面活性剤は、最終的に海に流れ着き、その海にいる魚がプランクトンを食べ、また人間が魚を食べる。自分たちの行動は、人間に戻ってくるんです。界面活性剤をアミノ酸に変えると、バクテリアが分解してくれる。軟水を使う、シャワーヘッドを変える、アミノ酸の界面活性剤が含まれたシャンプーを使う、これらは一般家庭でもできることです」と解説してくれたのは渡邉さん。

サステナブルという言葉を難しく捉えすぎず、日々の生活のなかで、自分なりに考え、行動してみることが大切だそうです。鎌田さんによると、「お直しをして1着の服を長く着てみる、服が傷まないように洗濯する頻度を少なくしてみる」。そういった一見地味な行動の積み重ねが、環境への配慮につながるのだとか。

ウカとFOOD&COMPANYが行うサステナブルな取り組み

ウカは自社商品のパッケージ素材に、「バイオマス」を使用しています。バイオマスとは、動植物から生まれた「活用できる生物由来の再生可能な有機資源」を意味する言葉。今回登壇者が飲んでいる水のパッケージも、ウカのものなんです。

バイオマスプラスチックのパッケージのボトル

「昨年の春に、うちのヘアケア製品のパッケージを全部バイオマスプラスチックに変えました。バイオマスパッケージの活用によって、CO2の排出量を53%まで減らすことに成功しました。さらに、一度商品を買っていただいたお客様には、リフィル(詰め替え)できるようにしています」(渡邉さん)

他にも、店舗の内装は新たに伐採した木材ではなく、古木を使用することもあるのだとか。「古くてもいい木材を探して、長いテーブルを作りました。古木にしかない素材の味わいがありますし、そういった取り組みが会社としてサステナブルに貢献できるんじゃないかと思っています」と渡邉さんは語ってくれました。

FOOD&COMPANYは2018年に、MINI by FOOD&COMPANY ニュウマン新宿店をオープンしました。もともと運営していた学芸大学店は、オーガニックに興味あるお客様が訪れるそう。一方、ニュウマン新宿店は場所柄さまざまな人が行き交うため、新しい試みができるのだとか。

「お店というメディアを通じて、消費のあり方を考え直すきっかけを作りたいんです。サステナブルを重たいものではなく、自分の関心事として捉えていただくことを大切にしています」(谷田部さん)

「ニュウマン新宿店でコーヒーを飲んだお客様が、おいしかったからとリピートしてくれる。店員と話をしていたら、それがオーガニックコーヒーだったと気づく。そんな感じで、サステナブルに関心を持ってもらう場として機能しています」と白冰さんが言うように、気づいていないだけで、実はサステナブルに貢献している行動がたくさんあるのかもしれません。

サステナブルな取り組みを続けるモチベーションは?

第3部のテーマは、「わたしと未来のつなぎ方」。これまでのお話で、個人でサステナブルな行動を起こすのは難しいと感じていた人にも、サステナブルな行動は意外と身近にあり、小さな積み重ねが大切なことが伝わったことでしょう。

最後のアンケートは、「自分でもサステナブルな行動をしようと思いましたか?」。登壇者のみなさんの言葉が届いた結果です。「行動しようと思った」と答えた人は、なんと92%もいました。

ただし、イベント視聴者のなかにはサステナブルな行動に興味を持ったものの、「モチベーションが続くか不安」とコメントしている人がいました。鎌田さんは長い間サステナブルな行動に取り組んでいますが、どのようにモチベーションを維持しているのでしょうか?

「サステナブルな取り組みをしよう、と思って取り組んでいるわけではありません。自分が生活の中で使っているものがどんな風に作られているのか、自分が手放した後にどうなるのか、といったちょっとしたことに意識を向けているだけです。私の場合はもともと好きだった洋服から探究していきましたが、コスメが好きならコスメ、食べ物が好きなら食べ物が入り口でいいと思うんです」(鎌田さん)

自分のわかる範囲で調べてみて、わからないことは詳しい人に聞いてみる。鎌田さんは自分の知識が増えることが楽しく、サステナブルな取り組みを続けるモチベーションにつながっているそうです。

サステナブルな取り組みに必要なのは知ること

「本当に必要なものだけを買うこと、お得感だけでものを買わないこと、これは誰でもはじめられるサステナブルな取り組みの第一歩」と語る鎌田さんに、奥さんも共感していました。

「私も鎌田さんと同じように洋服やオシャレが好きなんですけど、一時期は安いものをワンシーズンだけ着て、リサイクルに回せばいいかなって思っていたんですね」(奥さん)

ところが、冬物をリサイクルしても発展途上国では使い物にならず処分されてしまうことや、化学繊維の洋服はそもそもリサイクルできないものが多いことを知ったそう。「それから、洋服の素材や作られた背景を知るようになり、たとえ金額が高くても、長く大切に着られるものを買うように変わりました」と自身の経験を語ってくれました。

今回のイベントを通じてわかったのは、サステナブルな取り組みを行う際に必要なのは「知ること」です。商品が作られた背景や生産者の想いを知ることで、ハードルが高いと思っていたサステナブルへの取り組みが身近なものであったり、実は現在行っていることがすでにサステナブルに貢献していたということもあったりします。

また、自分の好きなショップや企業が取り組んでいるサステナブルな取り組みを知ることも大切です。普段の買い物で何気なく目にしていたものや、手に取っていた商品がサステナブルな取り組みの一環になっていることも少なくありません。

これらの知る行為のなかには、インターネットで手に入る情報もありますが、実際に出かけて、買い物をしてみないと手に入らない情報も多々あります。まだまだ新型コロナウイルスの影響で気軽に出かけることが難しい状況ではありますが、十分な感染対策を行ったうえで、自分なりに取り組めるサステナブルを見つけてみてはいかがでしょうか?