Ruru Ruriko ピンク 54

恋愛につきまとう人種や文化の違い。日本生まれの25歳レイヤさんが考える、恋愛で大切にしたいこと

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、SNSで知り合い、友達になった25歳レイヤさんにRurikoさんがインタビュー。日本で生まれ12歳まで過ごし、その後7年間はガーナ、大学はアメリカ、今は東京で働いている女性です。日本では見た目で「外国人」と言われ、海外では人ではなくモノとして見られているんじゃないかと思ってしまうレイヤさんが考える「恋愛」とは?

●Ruru Ruriko ピンク 54

人じゃなくてモノとして見られている感覚

日本人とは恋愛したことない。お母さんが若い頃、日本人男性と付き合ってて、いわゆる伝統的な日本人女性みたいな女性像に対して窮屈に感じたっていう話を聞いてて。趣味、態度、服装とか、女性なのに出しゃばってる、女性はこうしなきゃいけないって雰囲気を感じてたって。
私は見た目も日本人じゃないし、海外生活が長くて感覚も違う。日本人のお母さんでもそう感じるなら私にはその倍キツいんじゃないかなと思ってしまう。お母さんの話は80、90年代の話だから今は違うかも知れないけどね。

ガーナは宗教を大切にしてる国だから、ジェンダー、性に関してはいろいろ問題が多い。でも今ガーナに住んでいた時のことを振り返ると、外見的に黒人に近いことから、自分の人種についてそこまで悩まなかったのではないかと思う。日本だと外見で「外国人」として見られてしまうから、今でも辛いときはある。

日本だけじゃないけど、黒人女性というカテゴリーは、黒人以外のコミュニティですごくエロティックに見られることがあって、人間として見てもらえてるかなってわからない時がある。
イエローフィーバー(東、東南アジア人女性が好き、フェチの人)みたいな、恋愛対象ではないけど性的対象、フェティッシュみたいな感じで見られてるなって感じる。黒人女性とセックス してみたいって。それは日本だけじゃなく、アメリカやイギリスに行った時も感じた。
私の場合は、ブレイジアン(ブラックとアジアン)でエキゾチックって直接言われたこともあるし。チェックボックスでやったリストにチェックされるような、人じゃなくてモノとして見られてるような感覚がある。

「黒人女性のこういう身体の特徴がいいよね」のようなことを普通に言われることもある。ほめ言葉のつもりなんだろうけど、それって実は無意識に抱いているステレオタイプ。今はシングルで、デートしたいなと思うけど、いい感じになっても結局そうやって私を見てるのかなって不安になって壁を作っちゃう。

国際恋愛や多文化の人と付き合うには

前の彼は白人男性で、白人女性としか付き合ったことがなかったから、付き合い始めは白人以外と付き合うお試しなのかな? 興味本位なのかな? と疑ってしまった。時間が経つにつれ、1人の人間として見てくれてるんだなってわかったけど、信用できるようになるまで時間がかかった。反対に、黒人女性には慣れてるからと言われても何それ?って感じだけどね。

日本やアメリカでもYouTubeでInterracial Couple(人種が違うカップル)のハッシュタグがあったりする。国際恋愛や他文化の人との恋愛は大変なことってあると思うから、そういうのをオープンに話すのはいいことだとは思う。
前の彼と付き合い始めた時、自分でも彼は白人で私はミックスであることをすごく意識していたし、周りの視線も感じたから、よくお互いのアイデンティティの違いや、文化が違う者同士、何を心がけたいかについて話し合ってた。でも1年くらいしたら、そこも私たちの恋愛で大事だけど他にもいろいろ大切なことってあるなって思ったし、彼と人種が違うことにも慣れた。周りはいつまでたっても慣れなかったし、不思議に思われてるようだったけど。

私が恋愛で大切にしたいこと

最近は、今まで男性としか付き合ったことがないけど、女性と付き合ったら同じように人種や文化の違い、アイデンティティについて感じることがあるのだろうかと考えてる。
昔から私はストレート(異性愛者)ではなく、恋愛対象の性別が決まっていないクイアだとは思っていたけれど、男性としか恋愛したことがないから、クイアな恋愛やコミュニティについて、自分の中で理解を深めたいと思ってる。東京にはどんなコミュニティがあってどんな活動があるのか、どうやって自分はサポートできるのかも知っていきたい。

恋愛で大切にしたいのは自分らしくいられる人。今後は、自分のアイデンティティをいちいち説明しなくていい人がいいかな。自分と同じ文化の人じゃなくてもいいけど、人種や他文化などに対する知識や理解がある人がいい。やっぱりお互いリスペクトできる人がいいよね。

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。