乙女とたこ焼き。13

【安藤なつ】秋と料理。

人気お笑いコンビ「メイプル超合金」安藤なつさん初の連載コラムです。すがすがしいほどわが道を生きながら、性別も世代も超えて多くの人に愛される安藤さんが、好きなもの、こだわり、普段考えていること。気の向くままに語ります。

●乙女とたこ焼き 13

秋と料理。

秋だ。
行楽の秋。紅葉の秋。

春のお花見もいいけれど、秋の紅葉も粋である。
春には花見に何度か行った。
本格的な飲み会を含む花見は数回だったが、仕事帰りや実家に帰ったときに桜はたくさん愛でた。

その中で、名前がわからない桜のような花があったため、「これ梅?桜?」とツイッターでつぶやいたところ、皆さんからたくさんのリプライをもらった。

桜か、桃か、花梅か、といったやりとりを皆さんと行って、結果的に、「ハナカイドウ(花海棠)」というバラ科の花らしいということがわかった。

教えてくださった皆さん、ありがとうございました。
桜よ、来年までさようなら。

秋といえば「食欲」でもある。
毎シーズン、実家や親戚から手作りの野菜をよくもらう。にんじん、きゃべつ、手作りこんにゃくに、たけのこにわかめ……。それらを使って、料理する。
色が濃いにんじんは、皮つきのままポトフに。
キャベツは、青菜を加えてサバ缶とあえてペペロンチーノパスタに。
手作りこんにゃくは、みりんと酒と醤油と一味とごま油で炒めて「旨辛炒め」に。
タケノコとワカメは若竹煮に。

人参のポトフ

春野菜ペペロンチーノ(キャベツ、のらぼう)

こんにゃく旨辛炒め。

若竹煮

料理は全て自己流。レシピサイトなどは一切見ない。
調味料も毎回適当な、“男料理”だ。
強いて言うなら、実家の母に教わったことを実践しているという感じ。

例えば、たけのこを調理する時は下ごしらえとしてあく抜きをするのだが、実家では米ぬかを使っていた。
今は自宅には米ぬかは常備していないため、代わりに米のとぎ汁を使っている。

芸人仲間との飲み会や、ロケ弁も好きだが、自宅で好きなものを好きなように料理して味わって食べる時間も好きだ。

でもやっぱり、たこ焼きが好き。
そういえば最近食べてない。ああ、たこ焼きが食べたい。

   

構成:小野ヒデコ 写真:戸澤裕司

人気お笑いコンビ「メイプル超合金」として相方のカズレーザーとともに活躍するかたわら、ドラマや映画にも多数出演。
同志社大学文学部英文学科卒業。自動車メーカで生産管理、アパレルメーカーで店舗マネジメントを経験後、2015年にライターに転身。現在、週刊誌やウェブメディアなどで取材・執筆中。
1986年週刊朝日グラビア専属カメラマン。1989年フリーランスに。2000年から7年間、作家五木寛之氏の旅に同行した。2017年「歩きながら撮りながら写真のこと語ろう会」WS主催。