辻元舞さん「完璧を目指さなくていい。頑張りすぎないからうまくいく」

雑誌「VERY」のモデルや女優として活躍している辻元舞さん(32)は2児のママ。フォロワー25万人超えのInstagramでは、お仕事だけでなくメイクやファッション、子育てなどプライベートも充実した生活を垣間見ることができます。肩ひじ張らず、頑張りすぎない。自然体のライフスタイルを送れる秘訣は?

辻元舞さん(以下、辻元): 昔からダンスや絵を描くなど表現することが好きで、高校を卒業したら美術系の専門学校に行くという夢がありました。でも、現実には母子家庭だったから経済的に厳しくて「高校を出たら働かなきゃ!」と思っていたんです。

そんな時、先に社会人になった兄がダンスの仕事に就いた。それを見て「あ、ダンスって仕事になるんだ!」と気がついて、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパンでダンサーとして働き始めました。それから4年後、今の事務所の方に声をかけていただいて、芸能の仕事を始めました。

――芸能界というこれまでと違った世界に入って、すぐにうまくいったのでしょうか?

辻元: 最初の仕事は1カ月くらいで決まったんですが、その後が大変でした。次の仕事を取るためにずっとオーディションを受け続けましたが、受けても受けても落ちる。1日にオーディションを3回受けることもありました。落ちるたびに「自分のどこが悪かったんだろう。なにをしたら受かるんだろう」って考えてしまって……。ただ、落ち込んでいても仕方がないから、落ちた後は反省点とともに、自分で良かったと思うこともノートに書き出すようにしていました。

ある時、マネージャーさんが「オーディションは100回受けたら1回受かるくらいだと思いなさい」という言葉をかけてくれて。その一言で、「ああ、そうか。私まだ100回受けてないな。まずは100回受けてみよう!」と、気持ちを切り替えられました。それに、受からなかったといって自分自身が否定されたわけじゃない。「その役に合っていなかっただけだ」と思うようにしたら、落ちても気にならなくなりましたね。

妊娠しづらいかもしれない。だから早く子どもが欲しかった

――結婚は26歳の時。仕事が面白くなってくるころだと思いますが、迷いはなかったですか。

辻元: 私は元々生理が不順で、病院で診てもらっていたんです。妊娠しづらいかもしれないという思いもあり、30歳までには子どもを産みたいと思っていました。それで、付き合っていたころから夫にも事務所にもそのことは伝えていました。

夫は7歳上で「早く子どもが欲しい」と言ってくれていましたが、周りは「20代は仕事を頑張り、結果を出す時期。結婚、出産はその後考えればいい」という考えの人が多かった。私はまだ結果を残せていないから、彼からプロポーズを受けた時は「事務所から許可が出なかったらだめだから。とりあえず聞いてみるね」と言って、マネージャーさんに相談しました。そうしたら、意外とあっさり「いいよ」と言われて。「え⁉ いいんですか?」って(笑)。

――2016年には、ご長男を出産されました。

辻元: 結婚して1年間は仕事の調整などもあるので控えていましたが、子どもをつくろうとなった時に、すぐに夫婦で不妊治療に行きました。将来行く可能性があるなら早い方がいいと思ったんです。

病院は夫が「ここを予約したから、何日に行って」と、探してきてくれて。2人とも検査をして問題がなかったのでタイミング療法を始めてからすぐに妊娠できました。本当に運がよかったと思います。

「察してよ」よりも、言葉に出して相手に伝えることが大切

――旦那さんとは何でも言える関係ですか?

辻元: 今は何でも言えるようになりました。元々、自分の中で我慢してしまうタイプで、「察してよ。いちいち言わないとわからないの!?」って思っていました(笑)。でも、言葉にしないと伝わらないですよね。

たとえば、家事で手いっぱいのときに一言、「お風呂掃除して」と言えればいいのに、一人でイライラして言葉も態度もとげとげしくなって。そいうことで、夫とは何度もケンカしました。「言わなかった自分が悪い。一言先にお願いしよう」と思うように変えてからは、すごくラクになりました。

今は、完璧を目指さなくてもいい

――仕事をしながら2人のお子さんを育てていたら、自分の時間がとれず大変ではないですか?

辻元:  1人目の子どもがうまれたときは、あれもこれも頑張りすぎちゃったんです。そのときふと「自分がストレスを感じていたら夫婦仲も悪くなるし、子どもにも良くない。だったら、今は完璧を目指さなくてもいいや」って思えたんです。それからは、かなり気持ちが楽になりました。「大変だなぁ」と思うことがあっても、絵日記のインスタのネタだと思えば「まぁいいか!」って(笑)。

――インスタで家族との日常を描いた「#まい絵日記」を拝見すると、ハッピーな感覚が伝わってきます。

辻元: 絵を描くのが好きで、長男が生まれてから気が向いたときに描いてます。日常の何げないひとコマをイラストで残しておきたくて。クスっと笑えて、見ている人が共感してくれるような、そんな日常をこれからも綴っていきたいなと思います。

●辻元舞(つじもと・まい)さんのプロフィール
モデル・女優。レギュラーモデルを務める『VERY』をはじめ、多くの美容雑誌やファッション誌で活躍。CMやテレビ、映画にも出演。プライベートでは2児のママで、ハッピーな日常を惜しみなく披露しているInstagramはフォロワーが急増。自然体な生き方に注目が集まる。今年4月、自身初のスタイルブック『Mai Life -ハッピーの秘訣は「頑張り過ぎない」こと!-』を発売。Instagram公式アカウント@mai_tsujimotoでは撮影オフショットなども公開中。イラストが得意で、絵日記専用のアカウント(@mai_enikki)も人気。

辻元舞ビューティー&スタイルブック『Mai Life -ハッピーの秘訣は「頑張り過ぎない」こと!-』

辻元舞

明治大学サービス創新研究所客員研究員。ミリオネアとの偶然の出会いをキッカケに、お金と時間、行動について真剣に考え直すことに。オンライン学習講座Schooにて『文章アレルギーのあなたに贈るライティングテクニック』講座を開講中。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。

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