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武蔵野市長・松下玲子さん(48歳)

意思決定の場に女性は必要。だけど、その前に「男性の働き方改革」が必要です

文:平井康嗣、写真:山本倫子
2019/03/17

武蔵野市長・松下玲子さん(48歳)
長年、全国住みたい街1位だった吉祥寺がある東京都武蔵野市。この人口14.5万人の街で都内最年少・女性首長として働いているのが松下玲子さんです。ビール会社で働いていた彼女が、なぜ政治家になったのか。松下さんがどのような生き方をしてきたのか、お話をうかがいました。

全国を転々として会社員に

少女時代は父親の転勤で引っ越しが多かったですね。名古屋で生まれ、東京、横浜、苫小牧と全国を転々としてきました。

東京の女子大を卒業して、サッポロビールに就職しました。本当は総合職で働きたかったのですが、受かったのがカード会社の総合職とビール会社の一般職。一般職の仕事は補助的なところがあり、会社に入ってからは仕事よりも趣味のヨットレースにはまりました。

金曜日の夜に神奈川県の三浦半島に入って、合宿所に泊まり土日は相模湾でヨットの練習というヨット三昧の日々。しかし、「ヨットをどんなに頑張って楽しくても、趣味の時間は限られている。人生を楽しく充実させるには、多くの時間を占める仕事を充実させないと!」——。という思いが強まって社内の試験を受け、総合職に転換しました。

会社を外から変えよう!と一念発起

総合職になってからは総務部で人事を担当しました。そこでパート社員の不正を発見したんですよね。調査する中で、配偶者控除などの所得制限が原因だとわかりました。いわゆる103万円、130万円(当時)の壁です。パート社員の人は、労働時間を抑えて表向きの所得にならないように不正をしていた。「罪を憎んで人を憎まず。これは日本の社会保障制度の問題だ」と考えるようになりました。

この出来事をきっかけに、慶応義塾大学の通信課程に入学し、働きながら社会保障制度や経済学を学びはじめました。この時期に、国会議員の事務所で学生ボランティアとして働き、初めて政治の世界を垣間見る経験もしました。

学ぶうちに、企業を内側から変えるより、人事コンサルタントになって外から会社をより良く変えたいと思うようになりました。それで、会社は8年目の30歳で辞め、早稲田大学の大学院へ。大学院を修了するタイミングで、松下政経塾の試験を受けてみたら受かったんです。私はこのとき、経営コンサルタントになろうと考えていました。松下政経塾は政治家志望者ばかりだと思われがちですが、経営者志望もいるんです。

人は何のために働くか?

やりたいことを見つけてどんどん行動してきましたが、ただ、小さいころから、悩むというかずっと考え続けていることがあります。人はなんのために働くのか。たとえば親や配偶者がいて養ってくれたら人って働かなくていいのかとか。人は何のために働くのかと、ずっと考えていました。

ずっと考えて出た結論が、自分のことは自分で決める。自己決定権を持つためには、やはり働くことが必要だということ。

こうした経験を経て、人が幸せに生きるためにも、私の気付きの原点である、社会保障制度を変えたい!という思いで、政治家になる道を選びました。

女性だけではなく、男性の働き方改革を

武蔵野市役所の職員は男女半々くらいで、女性市長での苦労はそうありません。でも、武蔵野市でも女性の管理職はまだ少ないですね。日本では働く女性が増えたといっても、意思決定の場に女性が2割もいないのです。

意外と管理職試験を受けられるのに受けない人が多い。話を聞くと管理職に挑戦することへのハードルはまだ高いようです。

女性の管理職が増えない原因は、女性だけにあるわけではありません。女性の働き方を改革するとよく言われていますが、男性の働き方こそ変えなければならないんです。男性も仕事をしながら保育園の送り迎えもやって、炊事洗濯などの家事もやるように変わらないと女性は変われませんから。

夫が子育てと家事をサポート

いま私は夫にサポートしてもらっていますが、彼は「男性が家事をするのはマイナスではない」と言っています。小学生の息子がいるんですが、私が都議会議員選挙で落選して浪人していているときに彼は「わが子と関わる時間を増やしたい」と会社を辞め、自宅で仕事をすることにしたんです。その時期は、主に私が社会福祉法人のコンサルタントの仕事をして家族を養っていました(笑)。

彼は、以前は「専業主婦と結婚したかった」と言っていたのですが、子どもが生まれて日々接し、その成長に触れる内に考えが変わってきたようです。今は「子どもにかかわらないのはもったいない。大変だけど楽しい」って言っています。子どもの成長は早いので、かかわる楽しさを分かち合いたいですね。

与えていただいた任期の4年間で、今出来ること先送りせずに、とことんやりたいと思っています。武蔵野市は憧れてきた街です。住みたい街から、誰もが住み続けられる街を目指して、未来にバトンをつないでいきたい。自由で平和な社会を未来につなぐ。それが今を生きる大人の役目であり、どんな仕事をしていても私の目標であり続けています。

  • ●松下玲子さんのプロフィール
    まつした れいこ・東京都武蔵野市長。1970年生まれ、48歳。実践女子大学卒業後、サッポロビールに入社。その後、早稲田大学大学院、松下政経塾、東京都議2期を経て2017年10月から現職。東京都内最年少・女性首長。武蔵野市政70年ではじめての女性市長である。

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