「超簡単に、しっとり潤う!」美容のプロに聞く冬のカサカサ肌対策

空気の乾燥に加え、オフィスのエアコンなどで冬の肌は乾燥気味。基礎化粧品を変えてみたり、ファンデーションを変えてみたり、いろいろ工夫されている方も多いのではないでしょうか。でも、冬の乾燥肌対策は、意外ともっとシンプルにできちゃうんです。美容研究家の尾谷一葉先生に教えていただきました。

まずは、クレンジングを正しく選ぶ

――冬は肌が乾燥しやすいので、いろいろ保湿対策をしたくなるのですが。

尾谷一葉先生(以下、尾谷): まず、クレンジングを正しく選んで、石鹸で洗顔するのをやめましょう。クレンジングにはオイルやジェル、クリームやミルクなど様々なタイプがありますが、オイルのクレンジングには強力なものもあり、肌に必要な油分や水分も落としてしまうこともあるので要注意です。

美容研究家の尾谷一葉先生

ダブル洗顔不要のクリームやミルクタイプのものは、マイルドで肌への負担が少ないのでおすすめです。普通のメイクやほこり、余分な皮脂を落とすだけなら、ぬるま湯で洗顔するので十分。石鹸は必要はありません。

ただ、Tゾーンがものすごく脂っぽいという方は、Tゾーンだけ洗顔フォームを泡立てて洗う、アイメイクをしっかりしている方はアイメーキャップリムーバーを使うなど、部分的にケアの方法を変えましょう。疲れて帰ってきた時は、ウォータータイプの拭き取りクレンジングを使って、簡単に済ませるのもひとつの方法です。

フェイスマスクを使う「小技」もオススメ

――ファンデーションを塗る前に、しっかり肌を潤わせたいのですが。

尾谷: 朝起きたら、石鹸は使わずにぬるま湯で洗顔。その後、化粧水をなじませますが、次のステップに進む前に、化粧水をしっかり浸透させることが大切です。化粧水の水分が肌の上に浮いた状態では、乳液や美容液に含まれる油と混ざり合って肌に染み込みにくくなってしまいます。

私のレッスンの生徒さんなどを見ていると、皆さん、化粧水の量が少ない傾向にありますが、500円玉1個分くらいか、もう少し多い量の化粧水を使ったほうがいいです。手が肌の表面に吸いつくような感じになるようにするには、いったん化粧水を塗ってから3秒くらいなじませ、もう一度、同じ量をつけるといいでしょう。

リーズナブルな化粧水でもいいのですが、とろみのあるものは肌に浸透しにくいので避けたほうがいいですね。こっくりと、とろみがある化粧水は保湿力が高いように思えますが、実は肌へのなじみが悪いんですよ。

フェイスマスクを使うのもおすすめです。化粧水や美容液を含ませていない、1円玉くらいの大きさに圧縮したフェイスマスクは、余計な成分が何も入っていないので普段使っている化粧水を含ませて使えます。

マスクが膨らみにくい時は、少量の水で濡らしてから化粧水を含ませます。顔にマスクを広げたら、つけておく時間は3~5分くらいに。あまり長時間つけておくと、せっかく肌に浸透していた化粧水がマスクに戻ってしまいます。乾燥の原因になってしまうので要注意です。

入浴や洗顔後には、できるだけ速やかに化粧水を塗ってからスキンケアをしましょう。化粧水を塗るのは、早ければ早いほどいいですね。洗面所やお風呂の近くに置いておくなど工夫しましょう。その後、じっくりスキンケアします。

――オフィスなど外出先での保湿のポイントはありますか

尾谷: 外出先で、化粧水ミストを使って潤いを補給しようとする方がいますが、おすすめできません。ミストを吹きかけると一瞬はうるおった気がしても、水分はすぐに蒸発します。その際に肌の水分も奪ってしまうんです。

外出先での乾燥対策は、乳液かクリームを掌に薄く伸ばし、肌を優しく押さえつけるようにして浸透させるほうがベターです。こすらなければ、化粧崩れすることはありません。

また、スキンケアは朝するのがおすすめです。日中は紫外線や排気ガスなど肌にダメージが加わることが多いからです。乾燥してしまった肌を、夜のスキンケアで回復させようとしてもなかなか難しい。夜はしっかり睡眠をとって、朝のお手入れをていねいに行い、日中のダメージに備えるようにしましょう。

  • ●尾谷一葉(おたに・いちよう)先生のプロフィール
    資生堂美容学校卒業後、株式会社資生堂美容室勤務。その後の美容部員経験によりメイクの技術提案法を学ぶ。一人ひとりのお客様へホスピタリティを持ってじっくりと対応したいと、一葉化粧塾を開業。一般の女性や企業などを対象にしたメイクレッスンの他、イベント等でも実践テクニック満載の美容講座を開催。
「難しいことを分かりやすく」伝えるをモットーに医療から気軽に行けるグルメ、美容、ライフスタイルまで幅広く執筆。医学ジャーナリスト協会会員